摂食障がいの克服191【アイスの蓋と天職】
【事前準備と仕事】
仕事を終えて帰宅しました。
山本文緒さんはかつて、不眠と過眠を繰り返すとエッセイで書かれていましたが、睡眠をうまく取れなくなったのはいつのころでしょうか。
眠っている時間もですけれど、睡眠の質が大事ですよね。
ぐっすり眠ったー。そういう感じじゃなくてドロドロに鉛が溶けて寝ているような過眠、自分の表情にクマしか想像できない不眠。
眠りが浅いので、眠っている間はカラフルな世界の、夢を見ます。カラフルと言っても内容そのものがカラフルではなくて、色付きの。先日は美術館にいるんです。そして、一つ一つの作品にタイトルまでついている。本屋さんでもそう。どの私の過去の記憶にもないのに、そういう夢をたくさん見ます。
祖父母が出てくるときは嬉しい。『なんだ、やっぱり生きてたんだね』と思ったり、『私にだけ見えてるんだわ』って思ったり。本気で、なんだ、生きてたんだバージョンはわりとあって、普通に、比較的若い(メインは)祖母と叔母がよく出てくる。
睡眠が下手な私ですが、最近は、祖父母や叔父や叔母にきっと守られていると感じて、感謝しています。
なかなか集中することが難しいのですが、一旦集中した時のあの異様なまでの、集中力というよりはむしろ、のめり込むというか。それぐらいの集中で仕事に夢中になるんです。
ここで、仕事に夢中だとそれはそれで、いいことだと思うのです。
このところ、家で資料を作成していて。時間外でしているのですが、これが20ページ(1案件)になるのです。(wordファイルで)
このページ数に至ったのは2案件ですが、然しながら時間外でお給料が発生していないと考えると結構な比重だなあと自分で感じます。
無論、クライエントの方のためにしているのです。
その方たちにとって、私が勤め始めて1ヶ月だということは関係なくて、まして自分が実力があるわけでもない。ここが大きいですよね。私は『すくらんぶる同盟』では”わかめ役”のセナだし・・・。最近”わかめ”からせめて、”おじさん①”ぐらいになったのではないか、等自分で信じたい思いではありますが・・
今朝、不眠でクマができつつ、それでも事前準備をしていて(集中できるまでは長かった)、それで、息子とラインしたんです。
ちょこちょこ話すこともあるので、お互いに。それで、私が今従事している分野は、息子もわりと詳しいので、現状報告をしたんです。
すると、『めっちゃ研究してるやん・・・・・』
『天職やわ』
と回答が。
【ホリーガーデン(江國香織)】
天職かどうかはさておき、私は大きな声では言えませんが、よく『ホリーガーデン』の静江を思い出すのです。
静江は、高校の美術の教師。
美術の教師ですから、美術を生徒に指導します。
しかしながら、高校なので、教師用として使われている個室がある。美術室の隣に。この個室に週末であれ、やってきては、好きな絵を描いて、好きな音楽を聴いて、好きなコーヒーメーカーまで持ち込んで(だったと思います)
それで、果歩(この小説のヒロイン)に言われるのです。
『職権乱用じゃないの』と。静江は言う。『教師なんて、時間外労働も多いわ、大変なのよ』(このような内容だったと記憶しています)
けれど、静江自身は思うのです。確かに、そうかも。
静江は教師なので、月給制であり、また賞与もあるので、全く比較対象にはなりません。私は時間給です。
家で仕事をすればするほど、時給は、少なくなる立場です。
しかし、天職とは言わなくても、非常に趣味に近い。
それは思っています。
語弊があるとは思うけれど、『この準備時間が趣味・・・・・・・』
集中することが難しいけれど、集中して行っているこの準備時間こそ、静江で言う、職権乱用ならぬ、趣味時間。(とはいえ、思えば私の準備時間に賃金は発生していないので、職権乱用ではなく、単なる趣味か)
さくらももこさんのおっしゃった、『アイスの蓋なんてアイスより好きである』その世界そのものである。
【実際の仕事時間】
これはこれで、私は居心地よく仕事をさせて頂いております。
仕事を始めた際に、わりと所作に対して言われたこともあり、(こういう性格であると)浮上できないほどに落ち込んだものだし、まして、私は根底に、『なんで生きているのだろう』という気持ちがあるので、めちゃくちゃ凹みます。漸く生きているのに、ハンマーで、『出てくるな』と言われているような、全否定されたような気持ちになりました。
転職を経験していると、職場によりカラーがあるので、以前ではよしとされたことが、今はダメという評価があるようです。
【趣味】
天職とは言えないけれど、静江同様に、趣味を兼ねているかも、そう仕事に夢中になっている。
ではなくて、仕事の事前準備に夢中になっているじゃない、私・・・
そう気づきながら自転車で職場に向かったのです。
まるで、さくらももこさんの仰る、『アイスの蓋なんてアイスより好きだ』の世界。
アイスって、あのクリームのアイスなんですよね。
私が子供のころは、アイスって100円以下だったんです。アイスバー的なものは30円だった。コーラバーみたいな。
画像は、ちびまるこちゃんの『母の日』のお話です。
まるちゃんは、1日30円のお小遣い制でした。それこそアイス1本の価格。
まるちゃんだったころ、私はお小遣いはもらっていないので、うらやましく感じたものです。いいなあ、1日30円なんて、月に900円?
私は小学校4年生で、500円のお小遣いがほしくて、父にぼこぼこにされた暗い過去を持っています。
あの日は泣いたな。『りぼん』を買わないと同級生についていけないんですよね。それでもりぼんって380円するんです。それで500円がほしかったんです。ぼこぼこにされましたね。泣いた。
その後500円(月)のお小遣いがもらえるようになって、私は380円のりぼんを心待ちにしたのです。
ちびまる子ちゃんの一番泣いた話、それは母の日。
母の日にまるちゃんが1日30円のお小遣いを駆使して、ハンカチを買うんです。いざ、それを渡すと、お姉ちゃんが、『そのハンカチ、お母さん持っているよね?』って。まるちゃんは泣く。『いらないじゃん。もう、持ってるならいらないじゃん』お母さんが、『まる子。このハンカチあげる。だって、お母さんはまる子にもらったハンカチがあるもの』と。
2ヶ月前にイギリスに行った際に、息子と旅行中。
主に飛行機に乗っているので、話題もつきてきて。
ストーンヘンジからの帰り道。
『まるちゃんの話どれが好き?』
『そんなん、母の日やん』
『おれも』
そんなまるちゃんの画像です。
『いらないじゃん!もう、持ってるなら!』
今日仕事でちょっとだけ、嬉しいことがあったんです。
それが自分がいたからかどうかはわかりません。
明日もきっと膨大な量、準備するんだろうな。
それだけはわかっています。
読んで頂いて、ありがとうございます。