入院記録②経管栄養を諦めた



退院したい

入院して1,2日目は食事を残してはいるものの気持ち的には前向きに順調に進んでいたが、3日目の夜ご飯に、前向きすぎるが故にうっかり食べ過ぎてしまい(と言っても少量だけど)、気持ち悪くなってしまった。
ここで心が折れてしまい、退院した方が効率よく体重を増やせるんじゃないか、と考えてしまうようになった。

病院食は栄養バランスは整っているが、野菜など低カロリーの副菜も食べないといけなくて、貴重な胃のキャパを低カロリーの物に費やしたくないという気持ちが大きかった。

また、病院は毎食1時間で食べきらないと有無を言わさず下膳されたり、間食も不可だった。家なら何時間でもかけていいし、私は少食だけどすぐお腹が空いてしまうタイプだったので、入院前はこまめに間食してカロリーを摂るよう心がけていたが、病院ではそうはいかない。
家なら病院より融通がきくのに、と思ってしまった。

入院する2週間前頃から食事にメイバランスを取り入れていた頃は体重が増えていたのに、入院し始めたら2kgほど体重が落ちてしまったこともショックが大きかった。

偉い人と面談

そこで2日ほどかけて母とLINEで相談し、退院に賛成してくれたので、上記の理由を紙にまとめて先生に渡し、「やはり外来で治療していきたい」と伝えた。

メモを渡した日の晩、偉い人(立場の高い先生)と面談することになった。
面談では、会食恐怖症や食欲不振の原因などについても話した上で、経管栄養を強く勧められた。要は、退院は認められないということだった。

最初は経管栄養のみで2000kcalほど入れて一気に体重を増やし胃腸の働きも強くして、次に経管栄養を少し減らして食事量を増やす、というやり方だそうだ。

経管栄養は苦しいと聞くし本当はやりたくなかったが、気持ち悪かったらすぐ止めていい、と言ってくれたこともあり、太るためには試してみるしかないと思って意を決して経管栄養に挑戦することにした。

チューブが入れられない

経管栄養をやると決断して先生に伝えた日の午後、あっという間にその日にチューブを入れることが決まった。

心の準備も済んでいないまま、いざチューブを入れる処置が始まった。
SNSで他の人の話を見た感じ、処置室で医師と看護師数名でやるものだと思っていたが、実際はいつもの病室のベッドで先生1人だけの態勢だったので拍子抜けした。

鼻を通るところまではインフルエンザの検査の綿棒と同じでツーンとする程度で、泣くほどのものではなかった。
しかし、鼻〜喉の上辺りに来た途端、喉に小石でもつかえてるのかというくらいの異物感があり、えずきと涙が止まらなくなった。例えるなら、大きい錠剤を飲み込むのに失敗して喉と鼻の間にいってしまったような感覚。
チューブが入ってきたらごっくんと飲み込むと良いと聞いたのでゴクゴク飲み込んでみるものの、全然異物感が無くならず苦しくて、頭を逸らして管を引き抜いてしまう。
入れては抜いてを3回繰り返し、結局出来なかったので経管栄養は諦めることになった。

太るための最後の希望を失ったことと、他の人は経管栄養出来ているのに自分は出来ない情けなさと、気持ち悪くてぐじゃぐじゃになった顔を見られている惨めさで、しばらく涙が止まらなかった。

補助食品に頼ることに

経管栄養は無理なので、毎食高カロリーの補助飲料を飲むことになった。
味はそれなりに美味しいが、トロっとしていて胃もたれしてしまうので、毎食半分しか飲めない。それでも200kcalは摂取できるので補助飲料すごい。

通信制限つらいよ

ここからは話が逸れるが、私が入院したのが月の中旬で、すぐに通信のプラン変更をしたものの翌月1日から適用だったので、入院して4日目くらいで通信制限にかかってしまった。
ただでさえ心細い入院が、通信制限で完全に外の世界から切り離されたように感じてしまい、これもまた退院したい気持ちに繋がってしまった。
LINEのテキストは何とか送受信できたので、通信制限になって数日後に母のスマホから通信容量を追加購入してもらい、なんとか月末まで耐えた。

これから入院する方は、くれぐれも通信制限にはご注意ください。寂しいですよ…。


つづく

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ねこ
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