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メキシコ生活記録⑦ ーインターナショナルスクールのあれこれ

金曜日だけ私服登校の人たち

 先週はなかなかセンシティブな投稿をしてしまった。
 で、その後どうなっているのかというと、今週は月曜日からずっと泣かずに登校できている。
 シンプルにすごい。「こどもの適応力はすごい」と一般化可能なのかは分からないが、うちの子たちは何とか適応しはじめているらしい。これはうちの子たち云々というより、やさしいお友達の存在が大きい。本当に感謝しかない。
 とはいえ、展開が早すぎてこっちの気持ちが追い付かないほどだ。学校がはじまる前は「1か月は泣くだろう」という予想を立てていた。だが、とにかく号泣したのは4、5日くらい。数字にしてみると大したことないように思うけど、かなり濃くてしんどい日々だった。でもそれも、辛いことから忘れてしまうシステムが働いているのか、ほんの先週のことなのにもう薄れつつある。その時の気持ちをその時に書き留めておいてよかった。

 さて、今回は心に余裕があるので、こどもたちの学校の様子などを書いていこう。私はうちのこどもたちの通うインターナショナルスクールしか知らないので、インターナショナルスクールってそういうところなのか…と一般化して読まないでくださいね(私は他を知らないから^^;)。あくまで、うちの子らが通ってるインターナショナルスクールはこんな感じですっていう報告なのであしからず。

謎の制服システム ー2種類の制服と私服
 月曜日だけフォーマルな制服でいく。白いシャツ、ベスト、女子はスカート、男子はスラックス、黒のフォーマルな靴に、女子はの白のハイソックス、男子は黒い靴下、など細かく決まっている。「なぜ月曜日だけ?」と思っていたら、月曜日は全校生徒が集まる朝礼のような会があって、そこで1号いわく「国家か校歌か分からないけどちゃんとした歌」をみんなで歌うらしい。だから正装のような感じで行くのか、という解釈で我が家ではかたまっている。
 ちなみに、めっちゃ暑いのに男子はニットベスト着用なので、2号はいつも帰りに脱いでいる。教室にいる間は冷房がガンガン効いているのでちょうどいいらしい。フォーマルな装いなので月曜日に体育はない。
 火曜日から木曜日の3日間は、男女ともポロシャツ、シャカシャカ生地の短パン付きスカート(女子)とハーフパンツ(男子)。靴下は白、靴は白いスニーカーなら何でもいい。すごく動きやすそう。女子はテニスのスコートみたいでかわいい。ちなみに、男女共通の長スボンも選べるし、上着も買える。
 金曜日は私服。全く自由なんだけど、女子はミニスカートやキャミソールはダメ、男子も短すぎる短パンはダメなど、わりと細かくNG服が決められている。小学生は家庭でもチェックしてください、何度も破るようだと強制帰宅させますっていうメールが学校から何度か来たけど、中学生はそんなに厳しく取り締まられてないっぽい。1号は同級生の爆乳キャミソールを見て「同い年なのにこんなことってあるん?」ってショックを受けていた。ミニスカート女子もいるらしい。でも、厳しく注意してくる先生もいるらしく、こわい先生が来たとたん今でも何も言わなかった他の先生がいきなり「みんなちゃんとして!」って焦り出すので笑えるらしい。ちなみに、金曜日は先生も服装フリーでみんな私服らしい。
 金曜私服システムはどんな教育効果を狙ってるのかよく分からないが、TPOに合わせた服装選びの練習なのかな、と思っている。
 そして、お気づきの方もおられるかもしれないが、そう、いわゆる体操服がない。プールの授業もない。だから、学校では一切着替えない。これ、地味にいいと思う。トラブルも減るし。あと、靴も履き替えない。私も土足の小中高へ通っていたので、上履きがないのはやっぱ楽だなと思う。それと、カバンは終日自由。リュックが多い。これもいいと思う。

お昼はカフェテリアで
 要するに食堂があって、お昼はみんなカフェテリア内かその周辺の外で過ごさないといけない。教室内やその周辺の廊下にいるのはNG。中学生は30分休みが2回あり、そのどちらでお昼を食べてもいいらしい。なので、1号は最初の30分でお弁当を食べ、次でお菓子を食べたり、芝生で寝転んだりしているらしい。カフェテリアでサンドウィッチやスナックを買うこともできる。レンチンで作るポップコーンも売ってるらしく、昼休みに作ったお友達がくれたと2号が言っていた。そう、なんとカフェテリアにはレンジがある。なので、うちのこどもたちは、毎日ほかほかのおにぎりが食べられてうれしいらしい。
 ちなみに、小学生の30分休みは一回だけで、ホームルームにあたるような時間が中学生より多くとられている。中学生とは30分休みがずれているので、1号と2号が一緒にお昼を食べることはない。仲良し姉弟でもないし、姉弟を気遣うことなくそれぞれのお友達と過ごせるので、これはこれでいい。

ウォーターサーバーがある
 いたるところにある。もちろん使い捨ての紙コップもあるのでその場でも飲めるし、持参した水筒に入れてもいい。いにしえの冷水機なんかよりよっぽど衛生的でいいし、水筒を忘れても安心。お湯が出るものもあるらしい。でもこれは私立のなせる業かな。

チャイムが鳴らない
 これには2人とも驚いたらしい。時間割はあるのだが、切れ目にチャイムが鳴ることはない。最初はこれに慣れなくて「このクラスはいつ終わるの?」って不安だったらしいけど、最近では突然ヌルっと終わる授業に慣れてきたらしい。大学みたいだな。基本的に、業間は移動とトイレの時間くらいしかない。

自分の机がない
 自分のクラスはあるんだけど、各教科の先生が代わる代わる教室に来てくれる日本のようなスタイルではなく、学生の方が先生の教室へ移動して授業を受ける。日本でも音楽とか実験とかは特別教室へ移動するけど、こっちは数学とか語学とかのふつうの座学も学生の方が移動するから、自分の机っていう感じのする机がないらしい。なので、かばんやお弁当などの私物は各自鍵付きロッカーに入れておく(暗証番号は先生と共有する)。特に中学生はそうみたい。日本もそうしたらイジメの対象物が減るのになと思う。

先生と生徒の距離が近い
 これは文化にも関係あることなので、一概にどちらがいいとは言えないが、上官みたいな日本の先生よりは親しみやすいと1号が言っていた。授業中も、課題をやってるときなんかは、早くできた人は教室をうろついてできてない人を教えたり、友達と一緒に考えたりしているらしいのだが、先生は何も言わないらしい。みんなリラックスして授業を受けているようで、日本のように「授業を受ける姿勢」を注意されることはそんなにないそう。トイレなどで教室を出たいときは、それ用のカード(トイレカード、電話カードなど)をもらって出ていくらしい。でも、先生が話し始めるとみんな席についてちゃんと聞くし、メリハリはあるみたい。上官みたいな雰囲気の先生もいるらしいけど。先生もいろいろ。
 でも、先生が厳しくしないと生徒はダラけるに決まっている!というような感じは共有されていないみたい。日本の学校によくある先生v.s.生徒みたいな雰囲気がほとんどないので、そもそも先生に反抗するチャンスがなく「ヤンキーがいない」と1号が言っていた。ヤンキー不在の理由はそれだけじゃないとは思うけど。

給食と掃除がない
 給食と掃除がないから、学校というより塾に近い感じ。生徒がいる日中から、お掃除は業者の人がやってくれるので学校はきれいに保たれている。実際に給仕を体験させ、生徒自身に掃除の仕方を教え、自分のことは自分でする習慣をつけさせるための、給食の給仕と掃除をさせる日本の教育システムにはメリットもあると思う。有事のときの炊き出しなどには給食給仕の経験がいかされると思うし、自分の街をきれいにしようっていう意識にもつながっていると思うし。でも、毎日じゃなくてもいいのかな、とも思う。やっぱり学校教育には、情報処理能力のトレーニングに一番力を入れて欲しいから。
 あと、掃除に関しては、うちの近所の人たちはほとんど外注してる感じがする。家政婦/夫みたいな人たちがよく出入りしている。大家さんの用事も、大家さん本人が来たことは一度もなく、ユカタンの伝統シャツを着た男性がいつも来る。もちろんお金に余裕があるからできるんだろうけど、それで雇用が生まれてるわけだし、いいことでもあるよね。私は知らない人が家に入ってくるのに慣れないので、今のところたぶんお願いしないと思うけど。

ゴルフカートで通学できる
 これはさすがにインターナショナルスクールあるあるではないと思うけど、ゴルフ場とほぼ直結という立地から許されている。ただし運転は高校生から。高校生が妹弟や近所の子を乗せて通学してるのかわいいし、かっこいい。もちろん大人の運転で送り迎えしている人たちもいる。
 あと、エンジン付きのキックボードで通学してる子もいた。このあたりはゴルフ場のスタッフさんたちの全面協力もあってかなり安全に登下校ができている印象。

体育がフィットネス
 日本の体育と言えば、球技をしたりマット運動や跳び箱、陸上競技にあるような種目をしたりというイメージだが、こっちでは「体を動かす」って感じみたい。だから、先生と一緒にフィットネスやヨガみたいな運動をみんなでわいわいとやるらしい。で、時間が余ったら好きな球技していいよ~みたいな感じになるので、すごく楽しいと言っていた。そもそも記録を測ったり、ゲームなどで競わされることがないので、運動が苦手な子が恥をかいたり、得意な子から足手まとい扱いされたりする場面もなく、気が楽らしい。うちのこどもたちは2人とも運動が苦手ではないが、特に1号は、ガツガツ勝ちに行くストロングスタイル体育の雰囲気があまり得意ではないので、こっちの体育の方が好きだと言っていた。

部活動は外注
 これもいいなと思った。放課後の部活動はすべて外部のアカデミーが学校に来てクラスを開くシステムなので、別途レッスン料がかかるし、毎日あるわけでもない。もちろん、やらなくてもいい。自由。言葉の壁がまだ高いうちのこどもたちは「しない」と即答したので、やらせていない。
 アカデミーは夕方からなので、始まるまでカフェテリアで食事しながら待つこともできる。

けっこう道徳教育っぽいこともする
 海外の人たちって個人主義なイメージあるけど、1号も2号も日本の道徳教育標語にそのままできそうなクラス目標のもとに生活している。「クラスメイトが困っていたら助けよう」とか「他人の気持ちを考えよう」とか。しかもそれをみんなわりと実行しているっぽい。あと2号のクラスに貼ってあった「Open your book and Open your mind」っていう標語も好き。「みんな仲良く」なんかよりずっといい。
 それに、自分が社会の一員として何ができるか、みたいなことを考えさせる授業もある。グローバリゼーションのメリット・デメリットを考えてきてっていう宿題が出て、1号が苦戦していた。
 自分の周りの人間関係と、自分と社会との関係を行ったり来たりしながら視野を広げさせるんだな、と思っている。


…と、ざっとこんな感じ。
 日本で通っていたのが公立で、今通っているのは私立という違いもあるから、一概には比較できないけど、日本の公立校ももっとやりようがあるのにな、と思ったりもしている。
 ま、ここから先、長く通えば、悪いところも見えてくるだろうし、テストとかもどんな感じなのか全く分からない。また、追って報告していきます!
 


 

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