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中国人による「蘭州牛肉ラーメン」の魅力分析。


蘭州牛肉ラーメンの普及状況

中国でよく見かける「蘭州牛肉ラーメン(拉面)」のお店。

昔に比べ、このような看板を見かけることが多くなりました。

蘭州牛肉ラーメンの「店舗数」を百度バイドゥで検索してみたところ、AI機能により以下の回答が返ってきました。

・2024年時点で、蘭州牛肉ラーメンの店舗数は国内に5万店を超えている。
・中国国内における蘭州牛肉ラーメン店舗の分布例としては、甘粛省に5000店舗以上、年間売上高120億元。その内、甘粛省の省都・蘭州市に1691店。
・大都市での普及状況は、北京・上海・深圳・広州の4都市で1990店。

「5万店」という数字だけではピンと来ませんが、日本のラーメン屋さんは日本全国で約2万4千店というデータがありました(参照元はこちら)。

「蘭州牛肉ラーメン」という一つの種類だけで、日本全国のラーメン屋の約2倍の店舗数があるというのは、人口差を考えても相当な普及状況、人気の高さを物語っています。

一杯25元〜30元の価格帯が多いようです。


蘭州牛肉ラーメンの魅力

この蘭州牛肉ラーメンの魅力について、多くの中国人が分析しているのを目にします。日本にラーメンマニアがいるように、中国にも多くのラーメンマニアがいるようです。

これらの分析を集約すると、消費者を魅了する味に加え、蘭州牛肉ラーメンの背景にある歴史、さらに供給する店舗サイドから見た魅力があるようです。

「蘭州牛肉ラーメンの魅力」は、だいたい以下のように集約できるようです。


●味の魅力。
牛骨とスパイスで出汁をとったスープはあっさりと滋味深い味。
麺の幅は、(店にもよるが)8種類ほどから好みの太さを選ぶことができる。
また、高い技術で手打ちされた麺はもちもちぷっつりと気持ち良い歯応え。
薬味のネギ、パクチー、ニンニクの芽は好みの量を乗せたり、ラー油の辛味を加えたり、重層的な味わいを楽しめる。
また、羊肉の串焼きを別皿で注文すれば、クセになる「脂」と「辛さ」であっさり目の蘭州ラーメンがさらにまた食べたくなる。

ランチなどでは、ラーメンと串焼きのセットメニューもよく見かける。


●歴史を感じさせ、普遍性の高い、確固たる基準。

蘭州牛肉ラーメンの味を構成するのは五つの要素。
 一、「清」(透明なスープ)。
 二、「白」(大根)。
 三、「紅」(ラー油)。
 四、「緑」(パクチー、ニンニクの芽などの薬味)。
 五、「黄」(手延べの麺)。

この五要素は、1920年代には定められ、すでに百年以上の歴史を持ち、消費者に受け入れられてきた。
今では国内の主要都市を始めほとんどの地域に分布しており、各地域の嗜好に適応している。

●安定的なサプライチェーン。
蘭州牛肉ラーメンに必要な材料はシンプルであり、サプライチェーンは成熟している。
スープは工場で作られ、冷凍状態で店舗に運ばれる。
その他の材料(牛肉、大根、薬味、ラー油、そしてラーメンの生地)は全て事前に準備が可能。
店内での調理に時間をやや要するのは、麺を伸ばし、茹でる工程のみ。
蘭州牛肉ラーメンの麺職人への研修にかける期間は約7日間と長くない。

サプライチェーンは安定しており、調理の工程も複雑さはなく、非常に高い効率で最短約1分での配膳も可能である。

ラーメンの魅力の要素の一つに、「歴史」の要素が加わるというのは、中国人の国民性を表しているのかもしれませんね。

最後に、以前の中国のラーメン屋市場についての記事のリンクを貼らせていただきますので、ご興味のある方はこちらも併せて読んでいただけますと嬉しいです。

本日はここまでとさせて頂きます。
ご感想などコメントの方に頂けましたら嬉しいです。

中国のマーケティング専門家やコラムニストの文章は日本人のそれとはまた違った視点があります。新鮮な視点や考えを、このnoteでお届けできたらと考えております。

お読みいただき、ありがとうございました!

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