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父のひと言
今日、三女が高校に入学した。第一志望の高校を不合格となり、ポロポロ涙を流して過ごした日が、もう何ヶ月も前のように、晴れ晴れとした笑顔をみせてくれた。
泣き腫らした目が、まだ赤みを残すくらいのとき、三女が「じぃじに会いたい」というので、実家に連れて行った。
合格発表当日に連絡がなかったことで、大体のことは察してくれているだろうと思っていたが、玄関で出迎えてくれたじぃじは、開口一番に「合格だったか?」と目をキラキラさせて聞いてきた。
わたしは、三女の気持ちがまた沈むのではないかと心配して、咄嗟に話題を変えようとしたのだが、三女は、笑いながら、そして泣きながら「じぃじー。落ちちゃったよー。えーん。悲しいー。頑張ったのになー」と小さい子どものように、じぃじの元へ駆け寄り、大きな手でヨシヨシされていた。どちらかというと、しっかりものの印象の三女がこんなに素直に甘えるなんて、これまであっただろうか。。。
帰り際に、父に「不合格かもって思わんかったと?」ときくと、「合格とか不合格とか、そんなのは縁なんだからどっちでもいいんだよ。泣きたいってことはそれだけ頑張ったってことなんだ。頑張ってる人を、100%信じてやらんでどうする?」
と厳しくも愛情こもった一言をもらって、三女とわたしは実家を後にした。
ジィジと過ごした時間を境に、三女はとても楽しそうに明るく過ごせるようになった。三女いわく、ジィジに会って、許された気がしたのだそうだ。
わたしも、いつか孫にそんなことを伝えられるような深みのあるバァバになりたいな。