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赤毛のアンのお話


赤毛のアンから名前をつけたらしい。


小学生の頃に先生から
「名前の由来をお父さん、お母さんに聞いてみてください」と言われて母に聞いてみた。


生まれたときに髪の毛が赤かったから、お父さんが赤毛のアンからヒントをもらって「アンナ」にしよう。って言ったのよ


って教えてくれた。


へー私の髪の毛、赤かったのか〜



そのときはその程度で赤毛のアンは読もうとは思わなかった。
読書はあまり好きではなかった。



18歳の頃、同級生の前で自己紹介をする機会があり人前で発表することが苦手だった上に話す事がなかったので
「赤毛のアンから名前をとったみたいです」と言ったら、発表後に同級生の1人から「私も赤毛のアン好きなの!素敵なお話だよね!いいな〜」
と声を掛けてもらった。




「ごめん私、赤毛のアン読んだことない」

「え・・・」



気まずくなった。




読んでいないやつが自己紹介でこんなことを言っちゃいけないんだと学んだ。






それから10年以上経ち、ある時を境に本を読むことが好きになった。



しかし、小説は少し苦手だ。
物語の世界に入ったり出たりするのが精神的に疲れる。一気に全部読むならいいのだけれどもそんな時間はとれない。


星新一さんのショートショートや三浦しをんさんのエッセイは読みやすくて好きなのだが。


それでもやはり自分の名前の由来である赤毛のアンはいつか読みたいと思っていた。




そんなある日、本屋さんに立ち寄ると「学生時代に読んでおきたい本ランキング」という文字が目に入り、赤毛のアンがランクインしていた。



やっぱり名作なんだなぁ
ちゃんと読んでみよう。


こうしてついに「赤毛のアン」を購入して読んでみた。


読んだことがない人へあらすじを紹介する。

ちょっとした手違いから、グリン・ゲイブルスの老兄妹(マシューとマリラ)に引き取られたやせっぽっちの孤児アン・シャーリー。
初めは戸惑っていた2人も明るく夢見がちでおしゃべりなアンを愛するようになり、アンは少女から乙女へと成長してゆく物語。
アンが巻き起こす愉快な事件の数々に、人生の厳しさと温かい人情が織り込まれた永遠の名作。

赤毛のアン



この物語を読んでみて、
はじめはアンのおっちょこちょい加減にヒヤヒヤさせられたが、読みすすめていくうちに成長を感じ、そして周りの人と同じようにアンに対して愛情が生まれた。



もともと男の子の孤児を引き取る予定だったのだが、最終的にマシューが
「12人の男の子よりもアン1人がいい」というシーンでボロボロ泣いた。


私が小説を読んで号泣する日がくるとは・・・!


それほど素敵なお話だった。



18歳の頃に読んでいればこの気持ちをあの子と共有できたのに!!

もしかしたらアンとダイアナ(アンの親友)のようになれたかもしれない・・・!


とちょっぴり後悔した。




「赤毛のアン」という作品を好きな人は心がキレイだと思う。

私も然り。
(自分で言うな)




しかし、私の父が赤毛のアンを知ってるとは到底思えない。

父は学校にまともに通ったことがないと祖母から聞かされていた。
なぜ知っていたのだろう。


そんな疑問が浮かび、大人になってから直接父へ聞いてみた。



どうして私の名前をアンナにしたの?



「あ〜、生まれる前から考えていたんだが
生まれてからも決まらなくてな〜。
毎日トイレで考えていたんだ。
う〜ん、何にしよう。う〜んってな」



へー、それで?





「う〜ん、う〜んって考えてたんだよ」



うん。





「ある日な、う〜ん、う〜んって考えてたら、う○こが出た。」



・・・うん。




「うん○が出たからアンナにしようと思った」




・・・?


え?おわり?
どういうこと?


いまの話の流れではう○こしか出てきていない。
赤毛のアンじゃなく、う○こしか出ていない。(ややこしい)

私の求めていた話はどこにいった。





真相を母に確かめたところ、
「う○こが由来だと可哀想でしょ?だから赤毛のアンからとったって言ったの。でも本当に髪の毛は赤かったのよ?これは本当よ?赤毛のアンも髪の毛が赤いから赤毛のアンなんでしょ?」




あとづけすぎる。

そしてうちの親はどちらも作品を読んでないとみた。

いや、よく考えてみればそうだ。
うちの家庭で赤毛のアンなんて上品な言葉が飛び交うこと自体おかしいのだ。






私の名前は父のう○こが由来だった。
お上品な話から一気にお下品な話へ転換された。


教訓
「ときに知らなくていいこともある、それが人生。」





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水谷アンナ
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