【ゲーム業界よもやま話】発売延期は当たり前。ただし、例外はある・・・
ゲームに発売延期はつきものです。
延期する理由は様々ありますが、最も多いのは以下だと思います。
・・・建前はね。
真実は「単に完成してないから」です。
完成していなければ、発売できるはずもありません。
ある意味、クオリティ向上ではあるのですが。(^^;
《目指せ!プロモーションビデオ》
2000 年代初頭、私が勤めていたゲーム会社では、ゲームの大規模化にもかかわらず、「気合と根性」で開発するスタイルを貫いていました。(^^;
開発に「気合と根性」が必要なのは否定しませんが、それのみに頼っていると、当然の事ながら 開発遅延 と 品質低下 が頻発するようになります。
こうなると、現場にはプロモーションとして出せる素材がありません。
ゲーム自体がまともに動いていない有様なので。
そして、会社が取った戦略が以下です。
・・・詐欺やん。
しかし、ユーザー達は歓喜します。
戦慄が走るのは、開発現場です。
「・・・これ(PV)を再現しないといけないのか。」
◎繰り返される開発合宿
しかし、そこは気合と根性の会社。
合宿命令を出します。早い話が泊まり込みです。
しかし、泊まり込んだところで完成はしません。
結局は、
合宿 ⇒ 延期 ⇒ 合宿 ⇒ 延期 ⇒ 合宿…
を幾度となく繰り返しました。
そして、いつしか現場には楽観的な空気が流れるようになります。
◎ディレクターから延期不可能のご報告
突然、ディレクターから開発者たちに、このような報告がされました。
実は、このゲームはプラットフォーマーから資金提供を受けており、
そのお金で、会社が CM 枠を確保してしまったようなのです。
もはや、現場にできることはありません。
ディレクターからの指示も
「ここのフォントの色をもうちょっと・・・」
という、”そこじゃないだろ!” というものになりました。
けど、仕方ありません。
その程度しか、クオリティを上げられる箇所は残っていないのです。
《発売!そして、その後・・・》
ゲームは無事発売され、
無事に 2ch で叩かれました。(^^;
私は、しばらくして会社を去りましたが、
それから 10 年ほど経った頃、会社の社長が交代したという噂を耳にしました。
今では、まともなゲームを作れる会社になってくれたようです。
やっぱり、経営者の影響って大きいですね。
でも、労働時間は、あまり変わってない様です。(^^;
しかし、開発者の苦労が報われる会社になってくれたことは、せめてもの救いです。
この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?