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【ゲーム業界よもやま話】合言葉は「風呂、飯、着替え」
昭和の親父の台詞ではありません。(それは「風呂、飯、寝る」)
20 年ほど前のとあるゲーム会社内での合言葉です。
今日の記事は、今のゲーム業界の話ではありませんし、
当時のゲーム会社全般の話でもありません。あしからず。(^^;
《中堅企業が一番つらい》
社員が 100 名くらいのゲーム会社になると、競争相手が大手企業になってきます。
当時であれば、スクウェア(現スクウェア・エニックス)とかになります。
少人数の開発体制で、同等の規模のゲームが求められるわけです。
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しかも、1 作品に社運を賭けるわけにもいかない規模です。常に複数の開発ラインが走っていて、1 作品に 10 人程度が限界です。
◎エンディングを長くできない・・・
当時から、スクウェア作品のエンドロールは長かったです。スタッフの人数も、それだけ多いという証です。
それに比べて、こちらのエンドロールは短いこと。(^^;
200 体以上のモンスターのアニメーションを 1 人の女性スタッフが全て担当していたりしました。1 日 1 体がノルマです。
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間に合わないときは、仕方ないので他のゲーム作品のモンスターをそのまま使い
あのゲームのモンスターもゲスト出演!
などと、ゲーム情報誌に書かせていました。
単なる工数削減です。(^^;
《合言葉は「風呂、飯、着替え」》
当時、その会社は「スーツ着用」が義務になっている変わったゲーム会社でした。しかし、「泊まり込みのときは普段着でよい」という特例付きです。
スーツで来る社員はほどんどいませんでした。
つまり、そういうことです。(^^;
なので、通勤の定期代も出ませんでした。
つまり、そういうことです。(^^;
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◎使われない勤怠管理システムのステータス
席を外すときは、オンラインの勤怠管理システムのステータスを変更するルールがありました。
ただし「帰宅」のステータスは滅多に使われません。
家に帰るのは一時的で、理由も「風呂」か「飯」か「着替え」の三択です。
いつしか、長時間席を外すことが「風呂、飯、着替え」と呼ばれるようになりました。
《士気の低下と止まらない離脱》
そんな「ある意味ブラック」にも見える環境を否定したいわけではありません。ゲーム開発者は、それだけ情熱を注いで作品を作っているわけです。
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しかし、それが一気に瓦解することがあります。
経営者が、開発者の士気を 悪用 したときです。
◎経営者の驕り
経営側が「こいつら、これだけ扱き使っても大丈夫なんだ」などと勘違いし始めると、全てが狂います。
ゲームの品質は落ちていき、売り上げも下がってきます。
そして、更に何を勘違いしたのか、
社長が「社員と面談をしたい」といい始めました。
当然、開発者たちからは不満しか出てきません。
これだけ頑張っているんだから、もっと給料を上げてくれ
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まぁ、当然の要求です。(残業代もありませんでしたし😓)
しかし、それに対して、社長はこんな発言で返してしまいました。
お前らの給料もっと減らしたいんだよね。
だって、お前らお金を稼いでるわけじゃないじゃん。
その日以来、毎月開発者が減っていきました。
何も知らない新卒で埋め合わせをするので、会社の平均年齢が、どんどん若くなっていきました。(^^;
《売上の原資は、開発者の情熱》
いつしか、「風呂、飯、着替え」は、開発者の士気の証ではなく
社畜を表す標語になってしまいました。
現在の社長は
社員一人ひとりがコンテンツの開発に専念できる環境が不可欠と考え、社員の収入安定および働きがいのある環境の創出に取り組んでおります。このたびの基本給および初任給の引き上げは、こうした施策の一つとして実施するものです。
という方針で、一応は賃上げに努めているようです。
あと 20 年早く実施してほしかったです。(^^;
そして、今はゲーム開発者ではなくなったので、手前味噌ではなく堂々と言えます。
開発者が懸命に働くのは、作品をより良くしたいから。
そして、会社が稼げているのは、開発者の情熱のおかげ。