「明け方の若者たち」 カツセマサヒコ
スクリーンに映った曙の空は、そこはかとない美しさを感じさせる。あれは、決して綺麗とは言えない物語の結末を表現していたのか、それとも主人公の未来への希望を示していたのか。結局どちらともわからず、「お前なんぞには理解できぬ」と、映画監督の力量を見せつけられたような感覚だった。館内に照明が戻り、周りが騒々しくなったところで僕は現実に目を覚ました。存在を忘れていたのか、半分以上も残ったコーラをもって席を離れる。世界を代表する清涼飲料水としての使命を全うさせてあげられなかったことに後