何とか武蔵を顕彰したい、その強い思いが武蔵伝説を創り上げました
宮本武蔵について調べていると、これほど実像と伝説の間にギャップのある人はいないであろうことに気づかされました。
そのきっかけとなるのが武蔵死後九年目(1654)に建てられた石碑です。
その石碑は関門海峡を見下ろす風光明媚な小高い山に建てられ、マスコミなど何もない江戸初期に、大勢の人々が寺社詣での名目で立ち寄り、碑文を目にします。その結果、武蔵の名は一躍全国区の知名度になって行き、碑文も様々に引用・解釈されることになります。
碑文は建立者の武蔵養子・宮本伊織と思われがちで