最近観た映画の話
久しぶりに映画を観ました。
公開当初からずっと世界的に話題になっていたPadmanです。
これはインドでの実話で、ずっとタブーとされていた生理の話。高価で一部の人しか買うことのできなかった生理用ナプキンを、誰にでも買えるような値段に出来ないかと奔走した1人の男性の話。生理用ナプキン(Pad)を開発した男性(man)のストーリーです。
男性はもしかしたら関係ないんじゃないのかと思われるかもしれませんが、読むのを辞めないで欲しいです。
ジェンダー専攻の私としては、ずっと気になっていたのですが、なかなか見られず。映画をゆっくり観る時間がなかったこともそうですが、実話を観て現実を受け止められるか不安だったこともあります。
大学院時代、アフリカのある貧しい国では
生理中の女性は不潔であるとされ、家の中にいることを許されず、ただ屋根があるだけのような壁もないほぼ外のような庭の端っこで、一応マットのような何かを下には敷いてはいるものの、決してキレイと言えないような場所で、生理が終わるまで生活しなければならないという論文を読んだとき、とてもショックを受けた経験があります。
シャワーもトイレも家の中ですることを許されず、近くの川へ行ったり、トイレも寝ている場所のすぐ近くでしなければならなかったり。その生活を想像しただけでその論文を読むのに何日もかかりました。
生理は子どもを持つために必要なことで、女性であれば当たり前の話。むしろ生理が来ない方が問題です。子どもを持ちたいと思う男性にも、もちろん関係のある大切な事。
なのにどうして、女性が辛い生理期間中にそんな仕打ちを受けなければならないのか不思議で仕方ありませんでした。
インドでは、ナプキンが今のように普及されるまでは汚いボロ布をナプキンの代わりに使っていたといいます。(もちろん日本も昔は布を使用していました。)洗って外に干しておくのも、人目についてはいけないので、洗濯の際は他の洋服やシーツの下に隠して干したりと、衛生的にも良くないものだったそうです。
その布を身体に当てて経血を吸収するために使用していたので、昔は菌が身体に入ってしまうことも多々あり、命を落とす問題になることも。
そんな状況にいる妻をみて、
おかしいのではと考えた男性が試行錯誤を重ねた男性の話がPadmanです。
日本でも生理の話はタブーとされていると感じます。最近は生理休暇を申請出来る会社も増えてきたようですが、実質は取りづらいという環境にいる人も多いと聞いたことがあります。
私が働いた会社では生理休暇なんてものは存在しませんでした。辛いときは、病欠としていましたが、体調管理が出来ない人間だと思われるのがとても嫌でした。
自分が小学生や中学生のときは、
生理が来たとかまだだとか、そんな話を男の子にからかわれたことがあります。
生理痛でつらい話とか、ナプキンを買うだけなのに黒い袋に入れられるとか、当たり前なことなのにどうして隠さないといけないのか不思議でたまりませんでした。
(きっと今そう感じているのは、19歳の時に渡英した経験があるからかも知れないのですが…。海外では生理用品を買っても袋になんて入れてもらえないですからね)
それにお父さんや弟や、もちろん彼にも
「生理用品を買ってきて」というのは言いづらい気がします。もちろん理解のある男性もいますし、お付き合いの長い彼であれば言いやすいこともあるのですが…
「生理用品以外ならなんでも買ってくよ」と言われたときは結構ショックを受けたことがあります。
そんな生理用ナプキンのCMも、少し前に議論になりました。
それは、本来であれば経血は赤色であるはずなのに、CMでは青や違う色の液体が使われることが多いです。きっと血を想像させることを避けているがための方法なのだと思いますが、事実を伝えないのは問題なのではと、海外メディアを通して日本でも少し話題になりました。
青色などの液体を使用することについては、
他の国でも同様でしたが、近年ではイギリスや韓国が赤い液体を使ってCMをすることを決め、タブーを打ち破る大きなアクションに出ました。
北欧諸国では小学生の頃から生理の話や性教育を学校でしているそうですし、自分が海外にいるときにタブーと感じたことはあまりなかったように感じています。
日本でももう少し身近な話題として、受け入れられることを願うばかりです。女性であれば誰もがかかえる悩みなのに、相談しづらいというのは悲しいことです。
となんだか長くなってしまったのですが、、
なかなかこういう話って面と向かって誰にでも出来るわけではないので、ここで残しておけたらと思いました。
生理中の女性はいつもよりも大変であること、それぞれ痛みや症状に違いがあること、
世界では命に関わる問題が起きていること、
買い物を頼まれたり、生理痛が辛いと言われても、気持ち悪いと思わないで欲しいこと、
大切な人の身体のこと、
もう少し理解してもらえたら嬉しいです。
そして、
もし男性が生理用品を買っているところを見ても、変なことだと思わないでください。きっとその人は、大切な人のためのお買い物をしています。
おしまい。