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エイピアリー / Apiary

デザイナー:Connie Vogelmann
アートワーク:Kwanchai Moriya
出版社:Stonemaier Games, Arclight
プレイ時間:60~90分
プレイ人数:1~5人

参照:Boardgame Geek

■ゲーム内容

人類が滅亡した後の宇宙を舞台にミツバチ達が一族繁栄を目指すゲームになります。基本的なシステムはワーカープレイスメント。特徴的なのはところてんのような押し出し式であると言う所です。

ゲームのおおまかな流れは資源を獲得してタイルを購入・個人ボードに配置を繰り返していく感じです。

最初にプレイヤーには個人ボードと初期タイルが配られます。個人ボードにはヘクスのマスでマップが描かれていて、そこにタイルを配置していく形になります。個人ボードごとに、マップの形やボーナスが異なります

個人ボードと初期タイル。組み合わせる事でプレイヤー固有の目標的なものが決まってくる。

また、初期タイルも能力などが異なっており、マップと組み合わせる事で、プレイヤーごとの固有能力を形成します。

さらにプレイヤーはワーカーとなる働きバチが与えられます。働きバチは強さが1~4まで変わるようになっていて、スタート時点の強さと数は初期タイルに依存します。

ゲームはスタートプレイヤーから時計回りに手番を行います。ラウンドの考え方はなく、ゲームの終了条件を満たすまで、クルクルと回っていきます。

手番にできることはワーカーをアクションマスに配置するか、メインボードと発着エリアにある全てのワーカーを回収するかのどちらかです。

上にあるのが使えるワーカー。帰ってくると強くなる。

ワーカーを配置する場合は、『探索』『進歩』『研究』『成長』『彫刻』『変換』のいずれかのアクションを行う事になります。実行したいアクションマスに別のワーカーがいる場合は、それを押し出して配置します。

例えば、探索は2枠あるので3つめのワーカーが置かれると最初のワーカーが手元に帰る事になる。

各アクションはワーカーの強さに応じてできることが強化され、強さ4のワーカーを配置することで特殊なアクションが発動します。

押し出されたワーカーは、強さを1上げて手元に戻ってきますが、強さ4のワーカーだけは手元に戻って来ずにサプライに戻されて冬眠してしまいます。

ワーカーを使ったアクションは以下の通り。

《探索》
通常:資源などの獲得
強さ4:追加で資源が貰える(惑星タイルに記載)

『探索』アクションではマザーシップ的な宇宙船を移動させて、様々な惑星に訪れ、資源などを獲得します。

惑星を訪れると描かれた資源が貰える。はじめて探索するマスはトークンとそれに描かれた資源も貰える。

最初は惑星は公開されておらず、マザーシップがそのマスに到達するとタイルがめくられて公開されます。公開した時にマスに置かれているチップを獲得して、追加でそこに描かれた資源を獲得することができます。

《進歩》
通常:タイルを購入して個人ボードに配置
強さ4:勝利点が追加で貰える

『進歩』アクションでは、ディスプレイに並んだタイルを購入することができます。各タイルは奥に行くほど、ワーカーの強さが必要になります。

山に近いタイルを購入するには、ワーカーの強さが必要になる。タイルの色によって効果が異なる。

タイルはワーカー回収時に収入をもたらしたり、保管できる資源の数が増える緑の『農場』、プレイヤーに永続効果を与える青の『徴募』、強力な即時効果をもたらす赤の『開発』の3種類があります。

タイルを配置すると、永続効果や収入が増えたりする。タイルには勝利点も付いてる。

タイルは個人ボードに置かれるわけですが、この時に特定の種類のタイルで埋めると特殊効果をもたらすマスがあったりします。

《研究》
通常:カードを強さ分だけ引いて1枚を手札に
強さ4:個人ボードにカードを配置

研究をすることで特殊アクションやゲーム終了時目標となるカードを獲得できる。

『研究』はカード関連。カードは手番に使えば、特殊なアクションが実行できます。もしくは捨てれば任意の資源が貰えます。

カードの上部に書いてある特殊効果を使うか、下部のゲーム終了時目標にするか。

強さ4でアクションをすると手札から1枚を個人ボードの下に刺す事が可能です。こうすることで、ゲーム終了時目標が増えていきます。

強さ4のワーカーで研究アクションをすると、個人ボードにカードを刺せる。刺すと終了時得点になる

《成長》
通常:コストを支払ってワーカーか領地を獲得
強さ4:初期タイルのアップグレード

『成長』はサプライにあるワーカーの補充や個人ボードにタイルを置ける場所の拡張が可能です。

成長アクションでタイルを置く場所を増やすことができる。

どちらも資源を支払うことで購入する形になります。ワーカーは強さ4でアクションするとサプライに戻るので補充は大事。さらに個人ボードのタイルを置くエリアは意外と簡単に埋まるので、こちらも拡張は大事。

初期タイルは研究アクションを強さ4で行う事で裏返って強力になるので、こちらも早めに何とかしたいところ。

《彫刻》
強さ4:彫刻タイルの獲得

『彫刻』はゲーム終了時に特殊勝利点をもたらす黄色タイルを獲得します。

「◯◯1つにつきx点」みたいなやつ。

こちらはそもそも強さ4のワーカーでないと配置することができません。獲得には上級素材が必要。

《交換》
通常:資源の交換
強さ4:交換レートの作成

『交換』は文字通り物々交換。資源から資源だったり、上級資源を作成することができます。また、強さ4のワーカーを使う事で、事前に準備された穴の空いてる交換レートを埋めて、新しい交換を作ることができます。

下の2つがプレイヤーの決めた交換アクション。使われると作成者にボーナスが入る。

ワーカーを配置してアクションをする代わりに、メインボードと発着エリアにあるワーカーを回収することも可能です。

ワーカーを回収する時は、押し出された時と同様に強さ4のワーカーは冬眠するためサプライに返します。残りの回収したワーカーは強さを+1して戻ってきます。

個人ボードに乗り切らない資源は女王の恩寵トラックに反映される。これを変換して別の物に変えたりもできる。

さらにこの時に個人ボード上の緑タイルに基づいて資源が貰えます。個人ボードに置ききれない資源は捨てることになりますが、その分だけ最後に勝利点になる『女王の恩寵』トラックが上がります。

最後に冬眠のお話。強さ4のワーカーは押し出されたり、回収されるとサプライに戻されてしまいますが、この時に冬眠スペースに自分のチップを配置します。チップを置く事で即時ボーナスが貰えます。

冬眠スペース。ここが全て埋まるとゲーム終了の合図。

また、冬眠スペースが全て埋まるとゲーム終了になり、冬眠スペースのマジョリティ争いによる勝利点が入ります。

ゲームが終了したら、個人ボードの勝利点や冬眠スペースのマジョリティによる勝利点、女王の恩寵の勝利点などを合計して、最も得点の高いプレイヤーが勝利します。

最後はこんな感じ。タイルの勝利点やボードを埋めた事によるボーナスなどを計算する。

■遊んだ感想

如何にワーカーを手元に戻すのかが鍵になる90分クラスのワカプレ。

ワーカーがラウンド終わりのように、特定のタイミングで戻ってこずに、ところてんのように押し出される事で戻ってくるちょっと変わり種のワーカープレイスメントです。

ゲームの終了条件を言い換えると、強さ4のワーカーが規定の回数プレイされたら終了みたいな事になるので、如何にワーカーを回転させていくのかが鍵になってくるように思います。また、強さ4のワーカーをどこに使うのかの選択も重要。

人によって、目指すところが結構違う。

アクションの内容などは比較的ベーシックな物が多く、強さ4で何ができるのかもメインボードに書いてあるので、難しさは感じませんでした。

個人ボードと初期タイルの組み合わせによって、プレイヤーの目指すものが変わるので、比較的リプレイ性は高いように感じます。

個人ボードの発着場はゲーム中ほとんど使うことがなく、何か間違っているのではなかろうかと思いましたが、結局『回収する時に、押し出されたワーカー分の収入も欲しい時に置いとく場所』と言うことで納得しました。


ルールの複雑さ  :★★★★★☆☆☆☆☆
駆け引き     :★★★★★☆☆☆☆☆
運の要素     :★★★★★☆☆☆☆☆
おすすめ度    :★★★★★★☆☆☆☆
自分は好きですけ度:★★★★★★☆☆☆☆

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