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ワンダーランズウォー / Wonderland's War

デザイナー:Tim Eisner, Ben Eisner, Ian Moss
アートワーク:Manny Trembley
出版社:Druid City Games, Asobition
プレイ時間:45~125分
プレイ人数:2~5人

参照:Boardgame Geek

■ゲーム内容

不思議の国のアリス』の世界を舞台に、キャラクター達が支持者を引き連れて戦うゲームです。バッグビルドして、チキンレースする感じ。

ゲームの準備として、各プレイヤーには不思議の国のアリスに登場するキャラクターと戦力チップとかが入ったバッグが渡されます。キャラクターは『アリス』『チェシャ猫』『ハートの女王』『マッドハッター』『ジャバウォック』の5体。それぞれに特殊能力が異なります。

個人ボードの左はアンロック型のスキル。右は『鍛造』する事でキャラクターの強化とかができるエリア。

メインボードは中央にお茶会のテーブルが描かれ、その周囲には5つのエリアが描かれています。各エリアには得られる得点が示されます。

ゲームは3ラウンド。各ラウンド、お茶会フェイズを行って、その後で戦闘フェイズを行います。

お茶会フェイズは戦闘に向けての準備。各プレイヤーのコマがお茶会テーブルのスタート地点『上座』に集められます。そこから、手番順にお茶会テーブルの各椅子に移動して、そこに置かれたカードを獲得します。

上座からスタートして、ダイスのない双六をやっていく。

お茶会テーブルは円になっており、プレイヤーはコマを時計回りに好きなだけ進めることができますが、戻ることはできません。

獲得したカードには、様々なアクションが描かれており、獲得したタイミングでそれらを実行します。また、カードには、『支援者(ミープル)を戦闘エリアに配置』する数も書かれていたりします。

止まったマスにあるカードを貰える。カードの左上に戦場に配置できる支援者の数が表記されている。

ざっくりできるアクションはこんな感じ。

《カードに書かれてるアクション(一部)》
・味方チップの獲得
・能力のアンロック
・イベントカードの獲得
・ワンダーランドカードの獲得
・狂気のかけらを返却

これ以外にも、キャラクターの戦力値を上げたり、いきなり城を建てたりするものもあります。

味方チップの獲得とは、 戦闘フェイズで使用する追加の戦力ポイントみたいなものです。チップ独自の能力を持っており、ゲームごとに変更することもできます。

味方チップ。強さの違う2種類がある。左端の『鍛造』はプレイヤー強化とデッキ圧縮に繋がる特殊なチップ。

味方チップは獲得したら自分のバッグに放り込みます。

イベントカード達成目標ゲーム終了時目標をプレイヤーに与えます。1枚のカードで両方書かれており、両方とも達成すると追加の勝利点がもらえます。

イベントカード。上が達成目標で、下がゲーム終了時目標。

ワンダーランドカードは特殊な味方チップや『不思議の国のアリス』に登場するキャラクターを味方に引き込む事が可能です。キャラクターは支援者を置く時やそのカードを獲得したタイミングで戦場に配置します。

戦力5も追加してくれる『ハンプティダンプティ』。その代わりデメリットもデカい。

これらのカードを各プレイヤー4枚獲得する事になります。カードが獲得されていくと場札が無くなりますが、一周して上座に戻るごとに補充が入ります。補充した後で、そのプレイヤーは好きなマスに動けるのでメリットが大きいように感じますが、ちゃんとペナルティもあります。

それが、『狂気のかけら』。狂気のかけらは上座でカード補充する時や、一部の強いカード獲得時に受け取る事になります。受け取る際は、専用ダイスを降って受け取る数を決めます。

狂気のかけらダイス。1~3個まで受け取る数が描かれている。

狂気のかけらは、そもそもゲーム終了時に1個-1点扱いなのですが、各ラウンドのお茶会フェイズ終了時に、一番たくさんかけらを持っているプレイヤーは狂気チップを1枚バッグに入れて、手持ちの狂気のかけらを半分捨てます。

全員がカードを4枚獲得したら、最後にプレイヤーのコマを好きな戦場に配置して、お茶会フェイズは終了。全員、狂気チップをバッグに1つ追加します。先程の狂気のかけらが最多だったプレイヤーは合計2個入れている事になります。

こんな感じで、4枚ずつカードを取ってアクションをしたらプレイヤーコマを最後に戦場に配置。

お茶会フェイズが終わったらいよいよ戦闘フェイズ。戦場は5ヶ所あるので、決められた順番で処理していきます。

まずは初期戦力の計算して、戦力トラックにプロット。初期戦力はこんな感じ。

《各コマ1つごとの戦力》
支援者:1戦力
城:戦場に自分のコマがあれば、2戦力
プレイヤー&キャラクター:提示された戦力

それが終わったら、チキンレースの始まり。エリアにコマを置いてるプレイヤーは全員バッグからチップを1枚握ります

「せーの!」でチップを公開。これを繰り返していく。

揃ったら「せーの!」で公開。チップの特殊効果を適用しつつ、戦力をプラスします。その後も同じ事を続けていくわけですが、2回目以降はチップを握らずに降りてもOKです。残り1人になるか、戦力トラックがMAXになったら戦闘は終了します。

終了後は1位のプレイヤーは額面の勝利点が貰え、そのエリアに城を建てる事ができます。2位は額面の半分が貰えます。

エリアの名前の近くに置かれているタイルが得点。各ラウンドで貰える得点が変わる。

このままだと好きなだけ引けばいい事になってしまうわけですが、そうはいかない。

狂気チップには取り除かれるコマの数が描かれている。4つ引くと、リシャッフルとなる。

そこで登場するのが狂気チップ。これを引くと戦場にいる自分のコマが1つないし、2つ失われます。これによる戦力トラックの減はありませんが、エリアに自分のコマが無くなってしまうと全滅となり、どんなに戦力トラックで勝っていても得点は貰えません。要はバーストで、2位狙いでちょっとだけコマを置いてるだけだと、常に全滅の可能性をはらむことになります。

手前のキューブが置かれている場所が戦力トラック。

得点を入れたら、『鍛造』を行います。鍛造は味方チップの鍛造を引いている、もしくは戦力トラックでハンマーの描かれたマスにキューブがある時に行えます。

鍛造では、今使ったチップを個人ボードに置く事で、様々な効果を獲得します。プレイヤーの戦力値が上がったり、支援者を増やしたりと言った感じ。

不要なチップを置いて、様々なボーナスを得る『鍛造』。

戦闘に使ったチップはすぐにバッグに戻らず、ラウンド終了時まで、使用済みエリアに置かれます。

なお、戦闘に参加するのはそのエリアにコマを置いているプレイヤーのみになりますが、参加してない人は誰が勝つかを賭ける事が可能です。賭けに勝てば、好きな弱い味方チップのが貰えますが、負ければ狂気のかけらを受け取ることになります。

初期戦力を見て、誰が勝つかを予想する。

そんなこんなを繰り返して、勝利点の最も高いプレイヤーが勝利します。

■遊んだ感想

袋引きによるプレイヤー同士のチキンレースが面白いが、戦闘が長引きがちになるのがネック。

たった3ラウンドしかやらないゲームではありますが、1ラウンドが結構長くかかります。戦闘で袋からチップを引くのが1枚ずつなので、同じ戦場で何度も繰り返しチップを引く事になる所が大きな要因の1つなのかなと思いました。

もちろん、悪い事ばかりではなく、チップを1枚ずつ引くことでプレイヤー間で、本気のチキンレースが展開し、「まだ、次の戦場があるんですよ?そろそろ、降りた方がいいんじゃないですか?」みたいなやり取りが生まれて盛り上がります。

プレイヤー間での殴りあいやダウンタイムが気になる方にはあまりオススメできませんが、やることは比較的簡単ですし、袋引きでのチキンレースやバッグビルドをする楽しさなどが味わえるゲームだと思います。


ルールの複雑さ  :★★★★★★☆☆☆☆
駆け引き     :★★★★★★★☆☆☆
運の要素     :★★★★★☆☆☆☆☆
おすすめ度    :★★★★★★☆☆☆☆
自分は好きですけ度:★★★★★★★☆☆☆

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