「ご飯を炊くという事」昭和の心
「僕の昭和スケッチ」イラストエッセイ167枚目
実家の台所に古い竈門(カマド)があったのを覚えている。
そこで炊いたご飯をお櫃(おひつ)に入れてちゃぶ台の脇に置くのだ。
そのお櫃というのが中々優れもので、入れておくとほんのりと木の香が移って良いのだった。昔は、どこの家でもそうしていたものだ。
それが、ある日学校から帰ると白い電気炊飯器が台所に置いてあり、シューシューと湯気を吹いていた。
「便利になって有難い!」
お袋はそう言って喜んでいた。
冷蔵庫、洗濯機、電気炬燵、家