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【転職活動中のワーママが気分転換に読んだミステリー】伊岡瞬『仮面』〜読字障害の登場人物とテレビ業界の裏側」
こんにちは〜!ミステリー大好き、フルタイム勤務ワーママ、みりーほです。
今日も、朝から、本命の転職先について、ホームページから情報収集してました。
午前中だけで、情報収集はやめました。
転職活動ばかりしていると、気詰まりになるので、休み休みやってます。
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大好きなミステリーの読書を挟むのが、大事な気分転換。
昨夜寝る前と、今朝起床後に、こちらのミステリーを読みました。
『仮面』伊岡瞬
ネタバレはありませんので、安心して読んでください。
伊岡瞬さんの作品は、『代償』、『悪寒』、『不審者』、『冷たい檻』、『本性』を読みました。
『代償』は、読んでいる最中も、読み終わった後も、背筋が凍る思いをした作品で、小栗旬さん主演のドラマも観て、またぞっとしたものです。
どの作品も、社会の歪みを描いていて、特に、弱い立場の人々が、弱いがゆえに暗い淀んだ世界に引きずり込まれていきます。
今回読んだ『仮面』は、三条公彦という、読字障害(ディスレクシア)とい売れっ子のコメンテーターとその周辺のテレビ業界の話と並行して、女性の変死体が発見される話が進行していきます。
変死体で見つかった女性や、行方不明になっている女性について捜査を進める所轄の宮下・小野田の刑事コンビは、殺害された女性と行方不明になった女性と、三条との関連性に気付きます。
不幸な境遇と読字障害(ディスレクシア)という特性を克服し、甘いルックスも相まって人気者の三条。
三条は果たして、女性の殺害に何か関与しているのか。
行方不明になった女性にも関与しているのか。
行方不明になった女性は、幼いわが子を不慮の事故で亡くした後、妊娠に異常に執着をしていたが、そのことと行方不明になったことは何か関係があるのか。
刑事コンビは捜査本部から自由行動をとり、独自の捜査を進めていきます。
女性であることで何かと所内で差別されている小野田刑事は、宮下に何かを隠している様子があります。宮下は小野田の有能さと人となりに惹かれつつも、小野田の秘密が何なのかがわかりません。
また、文字が読めない三条のカンペを読む「通訳」である菊井は、テレビ業界の黒い闇に飲み込まれそうになっていきますが、意志の強い彼女が成長していく姿も印象的です。
犯人の犯行理由が明らかになる後半は、その理不尽さと暴力性が増していきます。
さらなる被害者が出そうになるため、警察が被害を止められるのかどうか、やきもきしてページを繰る手が止まらなくなるでしょう。
テレビ局の闇が描かれている本作品は、文庫版が昨年出版されたので、初版はもっと前ですが、折しも、テレビ局の抱える問題に世間が注目しているタイミングですので、注目すべき作品ではないかと感じました。
テレビが映し出す虚像と、その仮面が徐々に剝がされていく様に、メディアや出版業界のあり方について考えさせられました。
最後まで読んでいただき、ありがとうございました!
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