【取材記事】肌、環境、社会貢献、すべて考えて生まれた美容オイル エシカル美容の新星「采茶~SAICHA」
【お話を伺った方】
■心地良さもエシカルも叶える美容を
mySDG編集部:コスメを扱う企業として、サステナビリティとの向き合い方についてまず質問させてください。コスメの輸入販売・開発を手がける際に、御社ではどのような点を意識されているのでしょうか?
北川さん:最も大切にしているのは、「エシカルである」という点です。例えば、生産者や労働者に対し公正な労働条件を提供できているか、動物実験をしていないか、環境に配慮した包装・容器を使用しているか、といった点に着目して商品の選定や開発を行っています。ただそれだけではなく、スキンケアとして効果を実感できるものであるかは非常に重要なポイントです。やはり使い心地が良くないとリピーターは生まれないため、その点、私達がこれまで培ってきた美容の観点から、肌へのメリットを生み出せるものかどうかは、かなり重視しています。
mySDG編集部:例えば商品はサステナブルだけど、使い心地に物足りなさを感じるのではと、懸念される方もいらっしゃると思うんです。その点、一般消費者がアクセスしやすいように何か配慮されているポイントはありますか?
北川さん:そうですね。正直、サステナブルであることの訴求は、人によっては重く感じたり、普段自分がやっていることを否定されているような気分になって苦しくなったりすることもあります。そのため、日常的にさまざまな方が利用されるドラッグストアやバラエティーショップなどでは訴求の仕方を変えるよう心がけています。例えば「Ethique」であれば固形であることのメリットを打ち出したり、髪の毛に対する効果を打ち出したり。サステナブルであることを消費者に押し付けないこと。サステナブル訴求の前に、まずは使い心地や効果のメリットをきちんと伝えていくことを意識しています。
mySDG編集部:確かに世の中的に正しいことを言われても、日常生活で実践することはなかなか難しいものです。
北川さん:そうなんです。ただ私たちとしては、サステナブルな商品にアクセスする小さな一歩を大切にしたいと考えています。弊社ではエシカルなライフスタイルを提案するECサイト「ethicame(エシカミー)」を運営していますが、30 0円台で購入できるバンブー歯ブラシなど、手頃でハードルの低い商品も取り扱うようにしています。というのも、手軽に手を伸ばせる商品があることで、これらがサステナブルなお買い物への入り口となり、行動が変わるきっかけになればいいなと。私たちとしては、どうやったら皆さんが心苦しくなく、楽しく、商品を受け入れてもらえるかを、日々考えているところです。
■エシカル美容の新潮流ブランド「采茶~SAICHA」
mySDG編集部:静岡県の耕作放棄地で収穫された茶の実をアップサイクルしたスキンケアブランド「采茶~SAICHA」は、どういった想いから商品化に至ったのでしょうか?
北川さん:弊社は、これまでオーガニック市場に「オイル美容」を浸透させるなど、海外発の植物オイルやハーブを使用したコスメの輸入販売を行ってきました。日本由来の成分にこだわった高品質なオイル美容を広めたいと思ったときに出会ったのが茶の実オイルだったんです。高品質で機能性の高いオイルであると同時に、耕作放棄地で収穫された茶の実をアップサイクルしてつくられる背景は、当社が求めるサステナビリティの要素を満たしていました。コスメを通じて社会貢献につながること、さらにエシカル・サステナブルなモノの使い心地のよさを伝えていきたいという私たちの想いに合致するものがあったんです。
mySDG編集部:北川さんが魅力を感じられたポイントは、どのような点でしょうか?
北川さん:「采茶~SAICHA」は、「肌」、「環境」、「社会貢献」、すべてを考えて生まれた商品です。開発の背景には老舗製茶問屋さんの「茶畑の景観を守りたい」という強い想いがあります。近年は消費者のお茶ばなれや価格低迷に加え、高齢化や後継者不足などにより耕作放棄地が問題視されています。「采茶~SAICHA」では、耕作放棄で育った茶の実だけ収穫することで農家さんに収入を提供し、さらに障がい者支援を行う福祉施設に茶の実の選別を依頼することで、継続的な就労の機会を創出しています。
美容の観点からいっても、まさに百点満点の商品です。茶の実には植物には珍しい天然のコエンザイムQ10¹が含まれています。「采茶~SAICHA CHフェイシャルオイル」は自然のコエンザイムQ10¹がたっぷり。さらに、このオイルはビタミンEも豊富に含まれているので、なにも添加しなくても、栄養機能食品として販売できてしまうほどなんです。そのためハリ、ツヤ、小ジワ*²といったエイジング悩みにも全方位からアプローチしてくれます。さらに抗シワ評価試験をパスし、「*²乾燥による小じわを目立たなくする(効能評価試験済み)」美容オイルとして認められています。
mySDG編集部:少し試させていただいたのですが、オイルなのにベタつかず、さらっとした使い心地です。
北川さん:茶の実オイルがもつ成分は肌の皮脂組成とよく似ているので、少し重めのテクスチャながらも、肌にスーッと溶け込むような感覚です。洗顔後、化粧水で肌を整え、オイルを2〜3滴なじませていただくと、一日中ふんわりとした弾力のある肌を感じていただけると思います。
*¹ ユビキノン(製品の抗酸化成分)
■もっと気軽にエシカルな選択ができる世の中へ
mySDG編集部:「采茶~SAICHA」を通して、どんなメッセージを届けたいとお考えですか?
北川さん:セミナーなどでお伝えしているのが、「消費の力こそ絶大だよ」というメッセージです。「采茶~SAICHA」では、二番茶と同じ価格で茶の実を買い取りすることで農家さんに収入を提供したり、収穫した茶の実の選別を福祉施設に依頼することで就労の機会を増やしたりしていますが、こういった企業の取り組みや理念に賛同して買い物をすることは、すごく大切なことだとお伝えしています。
エシカルな取り組みを行う企業や業界に利益が生まれれば、参入企業が増え、結果的にエシカルな商品が選択しやすい世の中になります。環境や人にやさしい製品や行動とは、生活の質を落としたり不便にしたりすることではないので、もっと気軽に取り入れてみたらいいよ、ということは「采茶~SAICHA」をはじめとするコスメを通じて発信していきたいですね。
mySDG編集部:ちなみにサステナブルコスメという領域において、まだまだ参入企業が少ないというのには、どんな要因が考えられるのでしょうか?
北川さん:やはり利益とのバランスが難しい点だと思います。「采茶~SAICHA」に関しては、耕作放棄地で実っている茶の実を二番茶と同じ価格で買い取って製品化しているので、それなりの原価を見積もっています。
それでもコスメ業界におけるサステナブルな取り組みが盛り上がれば、ほかの企業もより参入しやすくなると思うんです。そのためには、消費者の方々が思わず手に取りたくなるような商品を私たちが生み出していく必要がありますし、「エシカル=不便・大変」というイメージを払拭していきたいですね。
mySDG編集部:最後に、「采茶~SAICHA」の今後の展開を教えてください。
北川さん:今はまだ発売したばかりですので、エシカルなものを好む方たちが集まるような場所から販売網を広げていきたいと考えています。商品に関しては「フェイシャルオイル」から始まり、今後はライン展開も予定しているところです。
ただ、「采茶~SAICHA」は、エシカルであることと使い心地をとことん追求して生まれた唯一無二の商品なので、世の中にわっと広げていくよりかは、まずはブランドとしてのニーズをしっかり汲み取り、ブランド価値を丁寧に作っていきたいと考えています。
<商品情報>
「采茶~SAICHA CHフェイシャルオイル」
【内容量】20mL
【全成分】チャ種子油
【販売価格】4,950円(税込)
・朝晩の使用で約2か月分
公式サイト :https://www.saicha.jp/
公式インスタグラム:https://www.instagram.com/saicha.jp/
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