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私の青春と7人の英雄

この夜は明けない、春は来ない、雨は止まない、ずっとこう思っていました。本当はそうでないことを頭のどこかで分かっていながらも、終わりというものの存在をどうにも信じることが出来ずに、引くことのない痛みに苦しんでいたことを今でも鮮明に思い出します。あの頃の私にとって重要だったのは、必ず終わりがくるということで、だけれどそれに対する不安が日々私を包めていましたが、その不安に覆われながらも、最後まで歩みを止めなかった理由のひとつが7人でした。ゴールが見えなくても、今、私が歩いているのはここだと気付かせてくれたのが、7人という光でした。本当に感謝しています。私の日々が、青春が、7人の英雄によって生かされ、色付けられていたこと、これから先もずっと忘れません。

彼らを全身全霊で愛しながら精一杯生きたあの日々へ


心が死んでしまう程に苦しくて、冷たくて、辛かった時間を過ごした場所。ここはまるで監獄のようで、一日でもはやくここから抜け出したい、逃げてしまいたいと思っていた、そんな場所。
私にとって高校はそんなところだった。


入学式の日からただの一日だって楽しい日はなかった。
「いずれこの生活にも慣れ、楽しさを感じるかもしれない」と希望を持てたのは最初の数日だけで、1週間もすれば「楽しい日を過ごすことがこの先一度だってなかったとしても、この毎日を精一杯生きよう、生きてみせよう」という思いに変わった。

私が選んだ道であり、乗り越えるべき試練であることを理解していたからこそ、こんなにも辛いことが余計に私を苦しめた。


明日がくることに恐れを感じ、眠ることにさえ苦労してはいつでもどこでも泣いた。
家に帰ると安心感を得ると同時に、その安心感から暴れていたあの頃の私はまるで怪物だった。


楽しかったこと、何も思い出せない。
だけれど、ただ一つだけ、とても大切なことを思い出す。

私には7人がいたということ。
とても苦しかったけれど、私にはいつだって7人がいた。

心がいつも乾いているせいで楽しいことや嬉しいことを吸収する元気がなかったし、そういう意欲さえ失っていたけれど、7人のことを考えたり、7人をみたり声を聞いたり、そういうときだけは全然違った。それは安心や平穏という言葉が似合うような感情だったけれど、そのとき私の心は砂漠ではない、やさしい海だった。



7人がくれたうつくしい思い出だってある。
たとえば冷え切ったある冬の真夜中、『マジックショップ』という名前の扉に救われた。
たとえば月の綺麗なある冬の日、これ以上ないほどに熱くてときめく最高の時間をもらった。


その真夜中のとき、どうしてあんなにも辛かったのかは思い出せないけれど、堰を切ったように涙が流れ出したのは間違いなくこの曲のせいであり、おかげだった。

あのときふと、大好きなこの曲の、この動画をみた。
音楽にこんなにも、あんなにも泣かされたのは人生で初めてだった。
人はこんなにも音楽に泣かされることがあるのかと、あのとき不思議に思ったほどだった。この曲がこの世に存在すること、そしてそれを私が知っていること、聞いていること、大好きなこと。そういうことだけで救われた。「あぁ、この扉があれば私はこの先やっていけそうだ」、そんなことも感じた。


その月の綺麗な日、2019年1月13日。
初めて同じ空間で同じ歌を歌い、同じ思い出をつくった日。
本当に濃く、素敵な日だった。
そしてこの日の思い出が、私の糧の一つだった。
いつも闇の中で過ごしているような感覚でいたけれど、この日は、この日だけは、本当に眩しいほどに明るくきらきらしていた。
人はいい記憶があれば生きていけると、大好きなドラマで聞いたけれどまさにそれだった。


筆箱や教科書、ノートにはトレカを忍ばせ、壁には7人のシールがいっぱいの手帳と、大切な言葉を書き留めたフセン付きポストカードをたてかけながら勉強した。
来日の日には昼食もそっちのけで、「今日は一段と空気がおいしいな!?」なんて言いながら外に出て笑った。
持ち物すべてに、7人の光を灯すようにシールを貼ったり彼らの言葉や歌詞、扉のマークを書いたりもした。
本当に全て、大切な思い出になった。



ドラマでみるような、漫画に出てくるような、そういうキラキラしたものは私にはないけれど、だから「なんにもないな」なんて思った日もあったけれど、それは全然違った。

3年間、その苦しみに慣れることはなかったけれど、一日だって欠かさず、そこにはいつも7人がいてくれた。
差し伸べてくれた手の有り難さを、つかんで、ずっと離さないでいてくれたことを、本当にずっと、おばあちゃんになれたとしても、そのときになっても絶対に絶対に忘れない。

7人を好きだという気持ちがなかったなら、たぶん私、本当にダメだったかもしれない。
7人がいなかったらと想像するだけで恐ろしいほどに、7人が私の毎日に色を落としてくれたし、7人を愛することが私の力になってくれた。


私は、素敵な7人を好きな私のために、やっぱりどうしたってちゃんとしていたかったし、いっぱい頑張りたかった。
本当にすごくすごく有難くて、あの日々に思いを馳せながらこうして文字を打っている間にも泣きそうになるけれど、本当に、本当にとても感謝している。


少年団さん、私きっと、7人がいなかったらダメになっていた日が沢山あったけれど、私があの日朝を迎えられたのは、あのとき乗り越えられたのは、それは本当に、7人のおかげでした。

心を壊し、暗かった色のない日常にとって、7人は唯一の光で、大切で大きな目印でした。
暗闇のなかでより一層輝く、そういう光でした。

あの日々へ
今ここでもう一度、『さよなら』と『ありがとう』を告げたい。


どこをどう切り取っても苦しくて辛かった高校3年間には、いつも7人がいました。
どの瞬間も切り取っても、そこには7人がいるのです。
孤独でも孤独じゃなかったのは、ひとりでもへっちゃらだったのは、やっぱり本当に7人のおかげでした。


4年前の今日、私にも本当の春がきて、私にとっての地獄がついに終わりを迎えました。
あれから4年が経った今、あの日々を心からいとおしく思います。


私の心を守ってくださってありがとうございました。
私の青春になってくださってありがとうございました。
あの日々のなかで行く道を照らし、心を守ってくださった7人は、いまでも私の光です。


2023.03.01

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