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伝わらない
そう感じていた。
なんか上手く伝わらない。
そうじゃないのに…
それは、話し下手のせい,表現力のなさであって、自分の責任だと思っていた。
また、自分の感じることや考えは、他人とはちょっと違う、ずれているというコンプレックスでもあった。
え?…
ポカーンとする相手の表情を見るのも、何だかドキドキした。
その恥ずかしさ、分かってもらえない寂しさから、本心は言わず、理解してもらえそうな、共感してもらえそうな言葉を選んだりするようになった。
ただ、大人になるにつれ、どうしても何かを伝えないといけない場面を経験し、場数を踏むことで、伝えること、表現することにも少しずつ慣れていった。
そうしていく中、伝わらないのではなく、自分が人より深く考えることがある、ということに気づいた。
深さの違い。
違いをずっと恐れていたが、恐れる必要なんてない。そう腑に落ちた。
また、共感されない、理解されないことは避けられない。それは、自分が他人に対して共感できない、理解できないことがあるように。
自分が自分の思いをしっかり伝えられたという納得感があれば、それでいい。
相手がどう捉えるから相手次第だから。
何なら、ポカーンも相手のものだし。
心のことを学んだり、自分を知ることで、伝わらないという恐れが消えていった。
恐れが消えていくと、臆することなく伝えられたり、相手との線引きもでき、違いも受け入れられるようになってきた。