全体の音量の調整。パーセンテージの感覚
音量を意識するって、変化をつけたい場面で頑張るために意識することの方が多いかもしれません。
だけど、「頑張らないと変化がつかない」のは、=「変化するためのベースが作れていないから」でもありまして。
パターン1、パートが増える場面
曲中で「もっとクレシェンドで音量上げて!みんな頑張って!」となるとき、実は、頑張らなくてはいけないのはクレシェンドではなく、それ以前の場所。って意識したことありますか。
曲によっては、次の展開へつなげるために、パートが増えていくけど・音量小さめでキープしないといけない箇所、よくあります。
たとえば、”ジワジワと始まってすこしおいてから急激にクレシェンド&フォルティシモ!ばばーん!!!”ってやつです。たとえば。
パートは色分けしてみましたよ。”全部のパートがメゾピアノをキープする場面”としましょう。
普通に弾くと、下図の一番目のようになります。これは自然とそうなるものなんですけど。
そこを、あえて、操作することで、音量をキープ。
これ、パーセンテージの感覚を使うと、「スタートしてからなぜか音量を下げ続ける」という、個人練習では多分思いも付かないような方法をとってやるのですが。
これができるのとできないのとでは、全体合奏のクオリティが全然違います。これはどんな楽器でもマスト。
だけど、知らないとできない、という落とし穴がありまして。
これ、部活で説明したときに、1人だけ「あっわかります」って言ってくれたんだけど、ちょっと分かりづらかったかもしれないなと気になっていて。
旧ブログでは個人の雑感ばかりであまり解説っぽいことを書いていなかったのでw 頑張ってみました(どうかな)
気をつけること
▼ 注意点
このやり方だと、「個人個人のパートの感覚では、他のパートが加わるタイミングで、階段状に音量を小さくしていく」わけですが、適当にやってしまうとなんとなくの段差、デコボコがでてしまったりします。
「バランスがちょうどいいくらい」を探すのが大事かな、ハーモニーと和音のバランス感覚。
なので、編成が変わるタイミングでよく聴くのが大事かも。
(あと、音量を抑えるように頑張ると、特に箏は音がぼやけがちになることが。そのあたりをどの辺で妥協するかもちょっと気にした方がいいことがあるかもしれない。です。)
(べつに音がボヤボヤでもいい場面ならそこまでシビアでなくてもよいかな。メインメロディとか主題を扱う場面だと、あまりぼやぼやだと伝わりにくくなるかもなので、念のため。w)
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パターン2、パートの入れ替わり
パーセンテージの感覚が必要になるのは、別の場面でもあります。
足し算式 = ”人数が多ければ音が大きく、人数が減ると音が小さくなる” は、なぜまずいのか?
パート(楽器特性・人数)の、多い少ない(音が大きい小さい)に、曲全体の音量が左右されてしまう、パートの入れ替わり(含 掛け合い・受け渡しなど)の場面。
たとえば、特に、全員でババーンとやったあとに → 楽器1パートだけになる部分。急に曲のテンションが下がって聞こえてしまうことが多いです。曲の勢いが、そこで死ぬ。
なので、そこでテンションを落とさないように、音を張りめ(カラオケでサビを歌うような気持ちね)で前に出すとか、音量を大きめにするとか、しないといけないです。
そこも、パーセンテージで fff→400% とかの指定をすると、人数が減る等の問題の部分でどれだけ頑張ればいいのかが分かりやすいことが。
(実際に音量が4倍に出せることはないのですが、「大きく・ハッキリ 伝わりやすく聞こえさせる」工夫はできます。音質の作り方 なども参考にして下さいな)
この、「編成の多い少ないに応じて、音量の担当割合を変えて、全体の音量を調節&キープ」がメンバーで考えられるようになると、その後の展開や変化の演出のつけ方がぐっと楽になります。
(聴く側に”変化の幅、差がある”と感じられるようになるには、両極端、端と端がしっかり作れていないとですから、全体の特にpppとfffの作り方、意図的に作れるようになろう。
人数いればいるだけ、その幅はクッキリハッキリ作れるようになるので、大合奏の時ほど、パーセンテージの感覚と音量の作り方は重要。)
他にも、音量の幅の作り方、音質を意識した変化の作り方、演出メモとして以下の記事も時間があればどうぞ。個人個人の工夫の仕方、バリエーション作りに。
よく言われるとおり、学生邦楽はノリとか勢いが大事なんですけど、そこはわりとね、得意なんですよね本人たち。そのノリや勢いは、対比になるものが基準としてあればこそ映えるものなので。「静と動」、忘れないでほしいかなー。