8分の6拍子は、二拍子か?三拍子か?
曲って4拍子、四分の四拍子=「4/4」=ひと区切り(一小節)に四分音符(♩)が4つ、という形が多いです。
その他だと、三拍子とか、二拍子もあります。まれに五拍子なんてものも。
だいたいは、四分音符(♩)が基準なので、表記は四分音符単位でいくつ、という「x/4(♩)」なんですけど。
違うのがありまして。その名も「6/8」。
拍子の表記
・三拍子
たいてい「3/4」、3/4拍子=一小節に四分音符で3つ、という形で書かれます。(他には「3/8」ということもあります)
こいつは、先頭の数字で「あ、三拍子」って分かりやすいんで特に解説は要らないかな。
・二拍子
同じようにたいてい「2/4」、一小節に四分音符で2つ、という形のときは、先頭見て「二拍子だ」と判別しやすいかも。
・「6/8」
6/8拍子=一小節に八分音符(♪)で6つ、という指定。これは先頭を見たら六拍子かな?ってなる人もいますが、実はここの数字=何拍子とはなりません。さて何拍子でしょうか。
…これ、いくら音楽と数学の親和性があっても、約分しちゃぁいけませんよ。(6/8拍子と3/4拍子とは全然ベツモノ、というのは次で説明)
はちぶんのろく、とは
その前に、「だいたいからして四分とか八分とかってなんなの」という気がしてくるかと思うのですが;
全音符というのがありまして。その1単位がでかすぎたんで細かにしました、だから1/4とかそのまた半分の1/8とかつくりました。くらいのおおざっぱな感じで納得してもらえるでしょうか。
お米でたとえると、全音符=一合炊き。おにぎり作るのに1/4という単位が必要になって、そんでお寿司一個だけ作るのに1/8という単位が必要になって、みたいな感じです。
この例えで言えば、
・3/4=おにぎり3つのパックですよ。
・6/8=お寿司6つのパックです。おにぎりじゃないです。
…ってことです。
単位が違う、というのがポイントです。
まぁいいや。とりあえず、6/8=小さめの単位で六つが一区切りに入ってます、ということです。6個なので、見た目ちょっっと違和感があるかもしれないですね。
こいつの何が問題になりやすいかって、だいたいの初心者さんは「ここは二拍子ですか?三拍子ですか?」ってなったときに、「三拍子!」って答えやすいことでして。
八分の六拍子は、何拍子か?
Q.「 6/8とは何拍子か」
A.「二拍子である」
前述の寿司パック、あれ赤身3白身3です。
「①赤・赤・赤、②白・白・白」。
ここで「なぜ三拍子か二拍子か、ゴチャゴチャになりやすいか」がわかりますね。
一拍の内が3つなんです、「3」。んーここだけ見ちゃうと、三拍子かと思っちゃう気持ちも分からなくもない。しかしあえて、二拍子という区分けをして下さい。w
6/8=「三つセット×2」なんです。同じ寿司3つ、これをセット換算で数えます。
回るタイプでいえば、ひと皿にお寿司が三つ乗って出てくる感じです…?
(だんだんこんな例えでいいのか分からなくなってきた……;)
音でいえば、「①たらら、②たらら」という音の並び、リズムになります。
これはどちらかといえば、「なめらかな」つながりの音になりやすいかも。
(同じ2拍子でも、2/4の「①たん、②とん」とは違った感じです)
6/8拍子は、「たらら・たらら」で覚えて下さいね。
指揮でやるときは、横向きの8の字、「∞」でとると、二拍子って分かりやすいです。
「二拍子なの?三拍子なの?」問題、さらに紛らわしいのが、曲によっては、寿司パックとおにぎりパックのサイズが共通なのを利用して、大将(作曲家)が急に
「①おにぎり梅、②おにぎりタラコ、③おにぎりツナマヨ」
と3/4を入れてくることもあるんですね。M川曲とか。
”二拍子だけど!同じ流れで三拍子いれちゃう!ずっと同じじゃ飽きるでしょ?”ってつくりが、「たらら・たらら/た!・ら!・ら!」っていうあれです。
(6/8=たらら・たらら、3/4=たん・らん・らん。リズムが変わって変化がつきやすい。6の公約数が2と3であることを利用したトリック的な構成かも)
こういうの、ベースを理解していないと、「変則の面白さ」を理解しにくいので。
わかってやる演奏と、わかってないままやる演奏で、かなり音が変わってくる感じがあるので、なるべく、と思います。
(理解してると音の表現、相手に伝えるところまでの努力ができるんですが、わかってないとざっと音出すだけで終わってしまう。楽譜をよく読めというのは、聴いただけじゃ分かりにくい構成が形として目に見えるように書いてあるからでもあります)
まとめ。
6/8は「たらら・たらら」の二拍子ですよ。
…おにぎりとかお寿司とか、こんな説明で、はたして6/8の壁を乗り越えられるのだろうか…;
けっこう、「意味がよく分からない」ってなっちゃう表記でここスルーしちゃう人もいるけど、意味が分かると、曲の表現、変化つける材料として使えるから、曲作りの足がかりとして、覚えておいてほしいな。
使えるものは使って楽しようね。