ナゾの肌荒れ【酒さ】と分かるまで3年間の概要
20代半ばごろから、顔だけに出始めたナゾの肌荒れ。
そこから3年間、原因不明の肌荒れを繰り返してずっと悩んでいました。
皮膚科を受診しても、強いステロイド入り軟膏を処方されるだけで、それを塗るとぶり返しがひどく、症状がさらに悪化する。
だからと言って、ノンステロイドのプロトピック軟膏を塗っても一時的に良くなるだけで、またすぐに悪化する。
塗れる薬はもうないと諦めて、保湿剤として処方されたヘパリン類似物質を使用する。
それらの治療法がすべて逆効果だったことを知らなかった。
そんな私の肌荒れは「酒さ」という慢性皮膚疾患なのだと、3年越しに知りました。
発症してから3年間、改善方法も原因も分からず、いま振り返れば当時の皮膚科医から指示された治療法はことごとく逆効果なものばかりでした。
肌荒れがひどすぎて人前に出られない時期を繰り返し、メンタルはボロボロ。顔全体が火照ってガサガサに腫れ、かゆみがあったため仕事にも集中できない。それが理由で当時の仕事は辞職し、仕事まで変えました。
あれかなこれかなと試してみても改善どころか原因も分からず、肌断食をしてターンオーバーを待つ日々。もはや治療法すらないと思って悩んでいた私。
そんな私の症状は「酒さ」というものだったのだと知るまでの3年間の記録と、知ってからの記録です。
そんな私個人の経験や情報が、どこかのだれかにとって、なにかしらのヒントや希望になれば嬉しいです。
また、別の記事では【スキンケア編】【食事編】【ストレス編】など各テーマごとに
・やって良かったこと(症状の改善などが見られたもの)
・やらないほうが良かったこと(症状が悪化したもの)
・3年間の自分の経験から、オススメすること
を書こうと思います。
ただし、すべて私個人の体験談に過ぎませんので、テーマごとにご自身に合った情報をピックアップするなどしてくださいね。
原因不明の皮膚疾患:酒さ
酒さは21世紀の現代でも原因がハッキリとは解明されていません。人によっても悪化因子が違うため、どんな状況やどんな原因で症状が出るのかなど自分で自分の状態に目を向ける必要があります。かと言って、目を向けすぎて神経質になっても、それがまたストレスになって症状が悪化してしまうこともあるという複雑なものです。
ただ、私のように発症してからも症状が改善 or 落ち着く時期があります。
もちろん、酒さが完治して、そこから一度も再発することもなく完全に治った方も多くいらっしゃるようです。
だから、いまはしんどくても、なにかしら光が見える日はあると思うので、ここに書くことが少しでも参考になれば幸いです。
※注意書き※
※ここに書くことはすべて私の個人的な経験を元にした体験談に過ぎませんので、参考程度にしてください。責任は一切取れません
※自己判断のみで「酒さ」だと判断するのは非常に危険です。本記事では専門医から「酒さ」という診断を受けた人を対象想定にして書いています
※絶対に、専門のお医者さんの診察を受けて、相談をしながら治療を続けてください
まずは、私の3年間を箇条書きで
酒さを発症してから、適切な治療が受けられなかったことが原因でステロイド外用剤による酒さ用皮膚炎になり、さらにはそこから肌断食を行ったのち、酒さの症状が再び出るところまでの3年間の流れを概要として箇条書きで書いてみます。
※「ステロイド外用剤による酒さ様皮膚炎」というと「正常な肌にステロイドを一年以上塗り続けていた」なんて方が多いですが、絶対にそんなことしちゃダメです!!
※「あなたの場合も、どうせ自己判断でステロイドを長期間ダラダラと塗ってたんでしょ?」なんてことを言われたくないので、最初に断っておきますが、ステロイド入り外用剤は当時の皮膚科医師による指示の元、期間を守って使用していました。長期間ダラダラと塗り続けていたわけではありません。酒さに対してステロイドを処方され続けていたのが原因で悪化してしまったのだと思います。
2021年春:(おそらく)酒さ発症。
頬や目の周辺に赤い発疹が出始める。日数が経つにつれ、広がり始める。赤みとかゆみがあり、赤くなった箇所は荒れた肌質となりガサガサして盛り上がる(紅斑のような症状)。顔以外には症状一切なし。
皮膚科では「肌荒れ」という診断を受け、内服薬とステロイド入りの軟膏を処方される。医師の指示通りの用法用量を守ってステロイド入りの軟膏を使用して一時的に症状が改善する
補足:2020年の冬ごろから新型コロナ禍となり、ほぼ毎日マスク着用していたときだったので「マスクによる肌荒れかな?」ぐらいに発症当時は思っていました。また、目の周りの発疹に関しても、ちょうどサングラスのフレームが触れる部分だったので、汗でかぶれたのかななんてことも思っていました。
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〜2021年夏:ステロイド入り軟膏で治ったと思ったのも束の間、また症状が出る。
同じ皮膚科に通って内服薬を増量処方されるも、一向に症状は改善されない。医師の指示通り決まった期間ステロイド軟膏を塗ると、塗っている期間やその後の数日間のみは改善が見られるものの、使用を止めるとまた症状が出る。さらには塗る前よりも症状が強く出るような感覚があった。
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2021年秋:なんとか誤魔化しながら日々を過ごすうちに季節が変わる。秋から冬の間は症状がいったん落ち着く。ここで治ったものと思っていた。
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2022年春:4月下旬ごろ、昨年よりもひどい症状(赤みと腫れ、かゆみを伴った紅斑)が顔全体に出る。さらにはリンパに沿ってなのか、首にも痒みを伴った赤みが若干出る。
駆け込むように皮膚科に行くと前回同様、担当医からステロイド入り軟膏と内服薬を処方される。
春になると症状が出るのでアレルギー反応かと思い、花粉などのアレルギー検査を一度してみたいという旨を伝えたものの、担当医からは「それで原因が分かる可能性は極めて低い」と断られる。
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〜2022年夏:担当医の指示通りステロイド入り軟膏を使用していたが、改善どころか軟膏の使用をやめた途端にさらに悪化。
顔全体が赤く火照って腫れたようになり、まぶたも腫れ上がり、皮膚がつっぱるため目も開けずらいほどに。もはや在宅での仕事もできない状態になる(当時の症状からして、おそらくこの段階では「酒さ様皮膚炎(ステロイド皮膚炎)」になっていたのではないかと思う)
この時点で「ステロイド入り軟膏を使用すると、ぶり返しが必ずひどくなる」と担当医に伝えていたが「治り切るまで怖がらずに塗り続けて」と言われる。その言葉を信じて指定された期間を塗るも、やはりぶり返しが悪化。
さらに、肌全体が荒れてガサガサした乾燥を伴っていたため、担当医から保湿剤として※ヘパリン類似物質ローションを追加で処方される
※これも血行が良くなってしまうため酒さへの使用は避けた方がいいとされている
それ以上、相談しに通ってもステロイド外用剤による治療以外の選択肢をもらえなかったため、自己判断でステロイド軟膏の使用を中止。
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~2022年の冬:肌断食として日常のスキンケアのみ行う。
肌への刺激や負担になることは極力避けて肌のターンオーバをひたすら待つ日々。寝ている間に顔をかいてしまったりして、膿などが出る。爪を短く切り、できるだけかいてしまわないようにする。スキンケアが染みる。
一番ひどかった夏から数ヶ月経って肌のターンオーバーがだいぶ進んでくると、ガサガサだった皮膚がポロポロと剥がれ落ち始める。赤みや腫れも徐々に落ち着き、皮膚感も突っ張ったような肌質ではなく、本来の柔軟さがある皮膚へと戻ってくる。
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2023年の年明け:今度はまぶたが腫れ始める(眼型酒さに近い症状)。
もはや皮膚科に行ってもステロイド入り軟膏しか処方してもらえないと諦めていたため、ものもらいの可能性も考えて眼科を受診。
眼科医からは「まぶたの皮膚の乾燥が原因」との診断で※プロトピック軟膏を処方される。軟膏でまぶたの症状は改善。
※「プロトピック軟膏による酒さ様皮膚炎」というものが存在していることも当時は知らなかった
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~2023年春:少々の症状が出るものの、肌断食のおかげもあってか以前ほどひどくならない
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2023年秋~冬:症状が落ち着いてやっとメイクなどができるようになる
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2024年冬:春に症状が出ることが多いため、備えとして以前の皮膚科で※プロトピック軟膏を処方してもらう。
※使い切ったわけではなく、薬に記載されている使用期限が過ぎていたため新しいものを処方してもらいに行った
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2024年春:また頬に症状(頬の赤み)が少し出始めたため、プロトピック軟膏を使用するものの、塗って1分以内に水膨れができて真っ赤に腫れたため使用を中止。
相談しに以前の皮膚科に行くと、相変わらず担当医からは「ステロイド入り軟膏でパッと治しましょう」と言われ、またステロイド入り軟膏を処方されそうになる。
「ステロイドはぶり返しがひどいので、もう使用したくない」という旨を伝えると、ノンステロイドの軟膏を処方される。
(正直、もうこの時点で3年間通った皮膚科の担当医を信頼できなくなっていたため、処方された軟膏は結局使わなかった)
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〜2024年夏:入浴や(ぬるい水でパチャパチャする程度の)洗顔後など外部からの刺激があった際に、両頬や眉間からおでこなどが赤くなり、鼻までもが赤くなり始める。
次第に両頬やフェイスラインに紅斑ができ始め、肌全体がプツプツ、ガサガサになり通常のスキンケアがヒリヒリと染みはじめる。
ネット検索や皮膚科医が発信しているYouTubeなどをたくさん見て、自分の症状は※やっぱり「酒さ」ではないかと思い始める。
※3年間通っていた皮膚科で「私の症状って酒さですか?」と聞くと即答で「違います」と否定されていた
やっとこのタイミングで新しい皮膚科を受診する。
新しい皮膚科に行き、3年間のいままでの症状の写真と、お薬手帳(3年の間に処方されていた外用薬や内服薬、ヘパリン類似物質などの記録あり)、さらにはステロイド外用薬やプロトピック軟膏でのぶり返しがひどくなっていたことをすべて伝える。
そこでの診察結果は「おそらく、酒さだと思います」というものだった。
さらには一番ひどかったときの症状は「ステロイド外用薬による酒さ様皮膚炎」だったのだと思うとも。
診察室で、あやうく泣きそうになった。
だって、ずっと悩んでいたから。
酒さと分からず悩んだ日々
20代半ばの女性が、人と会うことを避けるほどの炎症が顔全体に起きて、メイクをすると悪化するため隠すこともできず、当時の皮膚科医による治療法はことごとく逆効果なものばかりで。
顔全体のかゆみと炎症で集中力がどうしても続かず、当時の仕事も辞めざるを得ないほど火照りと腫れに悩まされて、自分の顔は一体どうなってしまうのだろうと一人で顔を覆いながらお風呂で泣いていた日々。
仕事のみならず友人たちの誘いをも断り続けて、強い薬を塗っていたため紫外線を浴びず、汗も染みてかゆくなるため、家にこもってひたすらターンオーバーを待っていた日々。
酒さという皮膚疾患の原因はいまだに解明されていないらしい。でも、ずっと悩んでいた私にとって、原因不明の皮膚疾患である「酒さ」ということが分かっただけでも大きな変化だった。
なぜなら、効果的な対処方法だったり、なにが症状を悪化させるのかが以前よりずっと分かりやすくなったから。
「酒さ」と分かったあとの治療
「ただ、アトピーやアレルギーなどによる可能性もあるので、まずはきっちりとアレルギー検査をしましょう。1週間後に結果が出るので、また来てください」
新しい皮膚科の先生からそう言ってもらえて、やっとアレルギー検査もできた。
一週間後、アレルギー検査の結果が出た。
アトピー検査は陰性で、アレルギー項目の数値的に引っかかるものはなく、やはりおそらく「酒さ」でしょうという診断結果だった。
そこからは酒さに効果的だとされる
・アゼライン酸
・ロゼックスゲル
を処方してもらった。
私の場合はアゼライン酸の方がより効果が見られたため、現在はそちらを使用。また、この塗り薬に加えて皮膚科で販売されている薬用スキンケアの使用を開始。
この辺りのスキンケアなどの詳細は、また別記事で書きますね。
補足「どうして酒さになったのだろう?」
酒さのことを調べていくと、発症は30〜60代の女性に多いだとか、肌が白い西洋人に多いだとか、ここ15年ほどで増えてきている疾患だとか、いろんな情報が出てきます。
どうして私は酒さになったのだろう? と考えてみたことがあるので、私個人の持って生まれた肌質? 体質? も書いてみますね。
私が酒さを発症したのは、ちょうど20代半ばのころ。
元々、とても乾燥肌で皮膚もデリケートな方でした。
あと、大学生のときには自分は赤面症かなと検索したことがあるぐらい、冬の寒いところから暖房の効いた室内に入ると、顔がポッポして真っ赤になっていました。
あとは体育館などで激しい運動をしたあとも、周りの子に比べると顔に熱がこもって赤くなるタイプだったように思います。
だから元々の体質が酒さになりやすい部分もあったのかな、なんて。
あとは、酒さを発症した時期はメンタル的にも体力的にも仕事のストレスがひどいときだったので、それも大きく関係していると思います。
さらには2020年から続いていたマスク着用による肌の状態が良くなかったのだろうなと。マスクが擦れる箇所にはニキビができて、蒸れによる乾燥もすごかったので。
いろんな原因が重なって、慢性的なストレスがかかっている状態で、免疫が一種の暴走をしてしまってアレルギー反応のように酒さとなって発症したのかなと思っています。
ストレスと炎症がどう関係あるのか、肌荒れ(炎症)が起こるとどうしてメンタルまで落ち込んでしまうのか、引きこもってしまいがちな心理になるのか。
その関係が一番わかりやすく書かれていた本がこれだったので、脳と体の関係を参考にしたい方はぜひ読んでみてください。
最後に
いろんな人のブログや発信を見て、酒さ or 酒さ様皮膚炎で悩む方は思った以上に多いと感じました。ここ15年ほどでなぜか酒さになる方が増えたというデータもあるらしく、それこそ発症のキッカケは連日のマスク着用だったりだとか様々なんだろうなぁとも。
ただ、原因不明の皮膚疾患と言われるぐらいに、まだまだ情報が少なく、これといった解決策や特効薬が存在してないのが悩ましいところ。これさえすればすぐに改善される! なんてことがないので、長期的に悩んでしまう人が多いのが現状だと思います。
他の記事で詳細に書こうと思いますが、酒さは顔に出る炎症で、さらには見た目にも影響するので、本当にメンタルにきます。
しかも、それが人に分かってもらえないことも多く、孤独な気持ちにもなります。
上記に紹介した『ストレス脳』にも書かれていますが、人は体のどこかに炎症が出ると引きこもる(人に会いたくない、外に出たくない、なにもしたくないなどの)メンタルになることが脳科学的に証明されています。
とっても簡単に言うと、
炎症が起きている ≒ 弱い状態になっている と脳が判断するので、刺激が多い外界との接点をなくそうとするのだとか。
そんなことを知らなかった私は、酒さで肌荒れが起きてからどんどんと引きこもりがちになる自分に「これじゃダメだ、どうして」なんて気持ちを抱いてしまっていました。
でも、それはもはや脳の仕組みだからしょうがない。
だから、いつか治ると信じて。これを読んでいる貴方は気持ちだけでも解放させてあげてくださいね。
どこのだれにとって有益な情報になるかは分かりませんが、自分が悩んであれこれトライしてみた記録が、どこかの誰かの希望になりますように!!
マイペースに更新してみます。