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隣の人に優しくすること。

隕石でも落ちてきたのかと思うような強い衝撃と、地獄のように長い揺れ。

それはそれはみーんなパニックで、あの状況で冷静に指示を出した先生方は、まさに超人だなと思う。

一刻も早く自分の家族の心配をしたかっただろうに、そんな素振りひとつ感じなかった。

とりあえず逃げた校舎の2階からは、遠くに黒い影が見えた。

街を飲み込みながら私たちの校舎にたどり着いた津波は、ゆっくりゆっくり時間をかけて水位を上げていく。

夜通しかけて、校舎も全て飲みこんでしまうのではないかと思った。

真っ暗闇の中、近所のガソリンスタンドが爆発して、あぁ今日が人生最後の日か、なんて思った。

人って案外冷静に死を悟るもんなんだなぁって、

他人事のように感じたのを覚えている。


でも、今、有難いことに生きている。

あれから10年、私は、ちゃんと生きている。


ふとした瞬間に思う。
そういえば私は、たまたま生きてるんだった。
って。

震災の1年後に母は亡くなったけど、
あの時死を意識したからこそ、多少母に優しくあろうとした部分は大きい。

震災がなかったら、もっと辛くあたっていたかもしれない。


震災を経て、その後母がいなくなって
後悔しないように、たくさんたくさん人を好きでいようと誓った

たくさんの人に感謝しようと誓った

いかに自分が幸せで

大好きな人が隣にいることが、

どれだけ素敵なことなのか。

忘れないように

何度も何度も噛み締めた。

自分にとって大切なこと、それは

隣の人に優しくすること。
後悔しないように、
明日も一緒にいられるように。


忘れそうになることもあるけど、この日が来る度、誰かに優しい自分でいられる。



この10年間、様々な形で被災された方、
悲しい想いをされた方に、
心からお見舞いを申し上げます。

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