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アルフレッド・シスレー / メトロポリタン美術館
過去の価値を取り戻すタイミング(仮)
ある写真家がYoutubeチャンネルで、過去の自作を振り返り、当時の思いやこれまでのキャリアを振り返るという旨の動画を配信していた。
青臭い反骨精神だったけど、それが原動力になっていたと語る。
職場、家庭それぞれの価値観に合わせた「自分」として立ち振る舞い、日々を過ごす。そんな中で、自分は何を大切にしているのか、なにに価値を見出し、評価し、愛していたのか。忘れてしまった。いや、たまに思い出す。「これ、いいな」と感じる瞬間は確かにある。ただ、それを検索窓に打ち込み、動画や記事に目を落とすところで時間切れなのだ。朝が来る。夜が来る。決められたスケジュールやタスクが迫る。追い立てられて走ることしかしていない。どの道を走るかは、道が教えてくれる。けれど、道端に咲いた花や、通り過ぎる景色、石ころの模様が何だったかを道は教えてくれないのだ。