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闘病から学んだ生きる力 ③

 泣くことしかできなかったところから一歩前進が泣かないと決めること。
 笑うことで閉ざした心も前進していくだろうか。。


感情はどこかへ

 泣かない
と決めた日。笑うと決めた日から。

何かを思えって考えれば、苦しくなってしまう。笑うには…どうすればいい?
考えたことなかった。笑い方もどう思って笑うのかも。思い出せないより、わからない。

 ただ決めたから微笑む。
と同時に私の中には聞くことも言うことも考えることもできなくなって、感情はなくなってどんどん消えていく。
ただ、自分に嘘をついて涙がでない代わりに心がなき続けてる。

中学3年冬


こんな状況でも、私にもやってくる。
中3の11月。大きな壁にぶち当たってから1ヶ月くらいした頃、中学の先生と話す。

『受験』
忘れてた。水泳で行くことしか考えてなかった高校。
そっか。受験はしないといかんのか。。

先生が話しだした
「○○高校も○○高校も推薦がきた高校全部先生が事情を説明して断っといたから。病気って。かわいそうに………行けるところ今からもう一度見つけないと。」

あ、、そうか競泳できなかったら能無し、用無しか
そう言われてるよな、言葉が出ん。


もう行かんでええやん。どうせ受験したとて、行けなくなるんやろし。

人と話すといろんな感情が出そうで
涙をこらえられなくなりそうで
聞こえないことにしたい。

そして何より聞こえる言葉が心を傷つける。
かわいそう?
この言葉が何より聞きたくない言葉だった。
私が病気になったことを知った人がこういうなら、、
『私が病気になったことを学校の誰にも言わないと約束してほしい』と母に頼んでもらった。

あかん……
今を生きよう。大切な人のために残りの時間笑って生きてみよう。
そう決めたのに
毎日眠ったまま明日がこなければいい
このまま死んでしまいたい
そう思ってしまう。
それしか考えられなくなってしまう。
前の私でいられないなら、もう消えてなくなってしまいたい。


病院では大量に薬がだされる。
検査は痛い。
ムキムキに鍛えあげられた私の体は飲まされる薬のせいらしい。
風船みたいにブヨブヨになっていく。
顔はみるみるうちに別人のように膨らんでいく。
これがステロイド。副腎皮質ホルモンだ。

もう誰にも会いたくない。

気づいたときにはもう泣くこともできなくなってしまってる。真っ暗ではなく、真っ白。何もかも今までしてきたことも全部この先も何も書くことも色を着けることもできない、ただ真っ白な紙切れみたいな私。

黙って見守る強さ

見た目も変わってしまった頃から
今度は合併症を起こさないために、と
食べないでって言われるものが増えた。
腎臓に負担をかけないように。
とはいえ、なに食べても美味しくないし
食べたくもないので、食べるな!はなんの苦痛もない。

こんな風になっていく私に特別優しくするでなく、以前の私と同じように接する母。
父は、あの泣いてた夜以外は普通だ。
明るく、楽しそうに話す。
泣かなくなってからだんだん感情をなくしてしまった私の様子。
親になったからわかる。
子どもが苦しんでる姿、何より苦しい。
何ができるか、考えただろう。

私が何かを感じるまで、
答えを見つけるまで
『黙って見守る。信じて見守る。』
父と母の強さである。

あ、、、
高校を決められない私に
『将来何がしたいか、何になりたいか、考えてみたら。それで進路決めていったら』
先生さ。。。

将来??
ほんまなんでそんな余計なこと言うん?
だからしゃべりたくないねん‼️

だったら決めたるわ!


『私のこと誰も知らん高校にする。水泳部あるとこはあかんのやろ?それやったら友達もいらんし、知らんとこいく。どうせどこ行ったって同じやし。』

これが私の決めた進路。
これも父と母は黙ってきいてくれた。

やりたいこともなりたいものも願っても叶わない。どうやっても掴めない。思っても仕方ない。
競泳できないって決まってるし、
スポーツはこの先できないねんし、
ちょっとは考えてみたけど、、
薬飲んで悪くなっていってる私に未来って
。。

学校行っても数時間。座ってるだけで体しんどい。こんなに自分以外の人が楽しそうに見えることなんて今までなかった。
人が羨ましいなんて思ったことなかった。
この感情捨ててしまいたい。

そんな時、
いつも他の子とは行動せず1人いる私のそばに何も聞かず一緒にいるK子。
『何かあったんや。言いたくなかったらいわんでいいねん。言いたくなったらいつでも言うてな』
なんでこんなん言うんやろ?
学校行けんとき、ノートがポストに入ってた。いつも彼女が届けてくれてたんや。

他人にありがとう。病気になってこれを知って初めて思えたプラスの感情やった。


強いままでいたい私は強がりで弱いだけやった。
いつも私が変わるんじゃない。
誰かの言葉や行動が私の心を少しだけ変えてくれる。言葉の力を少し知ったの。
だから相手を思って言葉を伝えたい今の私がいます。




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