経営における問題特定
私たちのお客様では、成果がグンっと変わることがあります。
もちろん、私が元キーエンスで、という理由で相談を受けているから・・・と思っていただいている方もいるようなのですが、
ご相談を受けることと、成果が出ることは違います。
なぜ成果が出るのか?
それは、すぐに成果がでる&中期的にも成果につながることを問題として特定して、解決しているからです。
これは私自身がとても重要視していることなのですが、
”間違った問題を、正しく解決しようとすることほど、無駄なことはない”
ということです。
つまり、”その問題って解決する価値あるの?”
ということです。
間違った問題って何?
という話なのですが、、例えば・・・
①日々断られ続けている営業パーソンのモチベーションが低いということから、モチベーションの問題にすること
②社長が何を考えているかがわからないという問題を、社長が自分の考えを伝えていないことが問題として考えること
③管理職のパワハラ(っぽいこと)を、パワハラのみを問題にすること
これを、上記の問題特定のまま解決するとどうなるか。
①は一時的にモチベーションが上がったのち、大半はお客様にさらに断られ、モチベーションがまた下がり、会社としても押し売り企業としての悪評がたちます。
②は基本的に何も起こりませんし、社長の時間がムダになっているので、次の事業や戦略を起こすのが遅くなります。
③は管理職が病みます。もしくは会社の業績がだいぶ落ちたうえで、パワハラはなくなりません(隠されるだけです)
え、、、
と思われるかもしれませんが、原因と結果の法則(プロセスと結果と言ってもいい)から考えれば、そうなるのが自明の理です。
もちろん確率論なので100%ではないです。①のモチベーションが上がった営業が、偶然素晴らしいお客様に当たり、熱さを売りに気にいってもらえた時には、そうならないかもしれません。
しかし、それは個人の奇跡の話で、組織で考えれば、10人も営業がいれば、ほぼ100%上記の通りになります。
じゃあすぐに成果がでる&中期的にも成果につながることを問題は何なの?
というと、
①はお客様が買いたいと言っていないことが問題です。
ここで、”誰も売れていない”のであれば、商品自体の問題の可能性も高いですが、おおよその組織では、トップセールスは売れて、ミドルセールス以下が売れないという状態になるので、営業の仕組みに問題があると特定できます。そうすると、営業の仕組みも分解すると、信頼構造・ニーズ構造・付加価値構造・意思決定構造・営業プロセス・ソリューション構造・改善構造と、いくつかの問題に絞れますので、そこに解決策を提供できれば、成果が上がります。
ここでポイントなのですが、お客様が商品価値を認め、喜んで買ってくれたら、営業担当はどうなるでしょうか?モチベーションあがりますよね。そして、モチベーションが上がると行動が増えます。行動が増えると、また・・・成果(お客様が商品価値を認め、喜んで買ってくれる)があがります。
・・・というスパイラルアップの構造になるわけです。これがすぐに成果がでて、中期的にも成果が出るということです。
②は、そもそも杞憂です。社員の人たちは、目の前の仕事に集中したくなかったり、やりたくなかったり、さぼりたい言い訳を、
社長が何を考えているかわからないから・・・と言っているだけです。
そもそも”社長が考えていること(未来を創る)”と”現場で実施しなければならない仕事(今やらなければならないこと)”は、違います。
もし一緒だったらその会社は進化しません。
では、問題は何なのか?問題は全然関係ないところにあります。
働きにくい仕事環境、本当は無駄だと思っているのに変わらない仕事、生産性の悪いシステム、仕事に集中できない阻害要素など、
会社の成果、組織の働きやすさを落とす全然別の問題が潜んでいます。
それらの問題について、”社長が悪い”とまでは言いづらいので、”社長が何を考えているかわからない”という微妙にオブラートに包まれた状態で表現されるのです。
これももちろん確率論です。基本的には杞憂な可能性が高いので、言葉をそのまま鵜呑みにせず、真の問題は何か?という意識で組織を見るようにするとよいと思います。
③は事業体にもよりますが、問題の特定としては、
管理職が、成果の出る教え方を知らない(教えられていない)ことが大きな問題です。
※③の問題特定の前提として、管理職は根はいい人という前提です。
私自身もコンサルタントとして、パワハラと呼ばれそうな指導をいくつか見聞きしてきたのですが、
ほぼすべて・・・指導に答えがないor答え通りにやっても成果が出ないという、、
そして、その指導が管理職本人は正しいと思っているというジレンマがあります。社員側からすると厳しい指導を受けるわ、指導されたとおりにやってもうまくいかないわで踏んだり蹴ったりです。
ではこの問題の解決策はパワハラ研修なのか?違いますね。もちろん対処療法としては、パワハラ研修は大事です。
しかしながら解決の本命策は、成果の出る指導ができ、指導された社員が成果を出せ、さらには成果の出る組織改革を会社としてできることです。
そうすると、社員も指導されること自体少なくなりますし、管理職もイライラしなくなりますし、会社としても業績が良くなります。
つまり、パワハラは個人ではなく、育成と組織構造の問題として捉える必要があります。
この問題特定を語ろうとすると、ここでは語りつくせないので、もし自社に問題が発生しているのであれば、ご相談ください。
とまあ、こんな感じで書いてきましたが、ポイントは問題特定です。
”間違った問題を、正しく解決しようとすることほど、無駄なことはない”
今、会社内で特定されている問題は、本当に核心に触れる問題ですか?
この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?