自分とデートする日が好き
土曜日は自分とデートする日になりつつある。
誰かと一緒にいるのと同じくらい、1人の時間が好きだ。2皿頼んで分けっこするのも好きだけど、メニューを一通り眺めて1番食べたいものをまるごと食べるのもまた喜び。
昔から、だれか時間とひとり時間のバランスをとって自分を調節している気がする。
だれか時間の度が過ぎると自分の巣に帰りたい(涙)となるし、ひとり時間の度が過ぎると独り時間になってだんだんさみしくなってくるので、サジ加減が大事だなぁと思う。
先週はだれか時間が多かったので、今週はひとり時間を多くとった。来週はイベントに参加するなり友達とカフェに行くなどして、だれか時間を多めに作っていきたいと思っている。
遥か昔から、自分とデートするのが得意だった。
小さい頃から絵を描くなり包装紙でリボンを作るなりして、友達と遊ぶのと同じくらいひとり遊びを堪能してきた。
大学時代は図書館の夕暮れが見える席でTOEFLの勉強をして、食堂で唐揚げ丼を食べて、銭湯に行って番台のおじいちゃんと世間話をした後に日替わり風呂にどっぷり浸かって、レトロなマッサージ機に座ってコーヒー牛乳を飲んで、部屋を真っ暗にしてゲオで借りたDVDで洋画鑑賞(通称おうちシアター)して1日を締める…というのがお気に入りの過ごし方だった。
メルボルンに来る前の東京生活では、17時ごろに音楽を聴きながら岩盤浴に行って『7時間コース』をキメるのが定番ひとりデートコースだった。石の上でキングダムを読み耽り、1冊読み終えるごとにウォータークーラで冷たい水を飲んで、石に満足したらハンモックに移動。岩盤浴の後は温泉にゆっくり浸かって、上がったらまた少しキングダムを読んで、0時頃に帰宅して即夢の世界にダイブ…というコースは本当に幸だった。
じゃあ、メルボルンではどんな感じで自分とデートをしているのか?
メルボルンでもしっかり定番コースが出来上がったので、今日はそれについて記録したい。
まず、土曜日はフィッツロイマーケットに行く。フィッツロイという古着と家具とレコードが集中しているエリアで開催されるビンテージマーケットで、それが週の楽しみになりつつある。
毎回内容が違って、一度売れてしまえば2度と巡り会えないかもしれない。そんな、縁と運とフィーリングが全てなマーケットだ。
フィッツロイマーケットは、お洒落な人のクローゼットをはしごしている感じでとにかく刺激的で楽しい。ファッショナブルなおばあちゃんの売り場が特に好き。形やデザインがタイムスリップしないと手に入らないであろうレアものばかり。
来場者も、この日のために気合を入れておめかししてくる。ファッジの街角スナップの人たちが雑誌から飛び出してきたみたいで、その人たちをウォッチングしてファッションの修行をするというのも、この課外学習には含まれている。
マーケットを見終えた後は街を散歩する。気になったお店があればふらりと入る。今日は気になったお店が多い日だった。
まず『BOOK STORE』と可愛いフォントで書かれた古本屋さんに吸い込まれた。窓際の本の置き方が好みだった。
数十メートル歩くと『普段なら入らなさそうだけどなんか気になるお店』を見つけた。入ると店主が笑顔でハローと声をかけてくれた。そこで私は海色のグラスに一目惚れすることになる。太陽の光にキラキラと煌めくグラスを素通りすることはできなかった。
どうやらパキスタンの一族が大昔から製作している手作りグラスらしく、シルクロードを経て市場へ出回っているらしい。
海色のグラスは、よく見るとひとつひとつ全然違う。気泡の数、高さ、形、縁の丸さ加減…なにひとつとして同じものがないというのも気に入った。
15分くらいお気に入りの形を探しもとめてようやく購入。水を飲むという行為が幸せになりそうな予感がする。このグラスはボンゴレパスタと相性抜群に違いない。ティムとお揃いで2つゲット!
その後は休憩するためにカフェに行った。
今日はたまたま通りかかったカフェにビビッと来た。自分とデートする日は、とにかくビビッとくるものを選び尽くす。そうやって、直感のセンサーを研ぐようにしている。
フレンチクレープのお店で、カンカン帽を被った爽やかなフレンチ兄さんがご機嫌で接客していて、ルンルン気分をおすそ分けしてもらった。
どうやって食べるのかイマイチよく分からなかったけど、スモークサーモンのクレープすごくおいしかったな。
パイナップルのノートに日記を書きながら完食。
その後は大好きな古着屋さんに行った。
最近どうしようもなく古着が好きだ。見たこともない柄や形が新鮮で、遊び心や個性がキュートで、まっさらよりもちょっとシワがあって色褪せているくらいがかっこよく見えるフェーズに入っている。笑
この日は赤いスカーフにひとめぼれ。首に巻いても、ヘアアクセサリーにしても、カバンにむすんでも可愛い3WAY。キュン。
この時点で心が満たされたので帰宅。
喉が渇いたのでさっそく海色のグラスに水を注ぐと、そこには小さな海があった。
今日の夜は、きのこの和風パスタが食べたい。この記事を投稿した後に、YouTubeを流しながら作るでしょう。
あいにく終わらせないといけない仕事があるけど、お芋があるのではちみつのスイートポテトでも作って気分を上げようと思う。
自分とのデートはこれにて終了。
明日はティムとデートに行く。
デジタルアート美術館でダヴィンチ展が開催されているらしいのでそこに行きたい。
あとメニューのないレストランというのがあるらしくて(これ食べたいと言って作ってくれるシステムらしい)、おもしろそうだから行ってくる。もう頼むものは決めている。