打楽器が主役! エピックパーカッションの作曲TIPS【DTM】
アノニマスDTM編集部でございます。
今回は映画の予告などで使われるエピック音楽、EPIC PERCUSSION(エピックパーカッション)のTIPSをご紹介します。
こちらは「夜のジャングル」をテーマに筆者が制作したエピックパーカッションのBGMです。獲物を追いかける獣、決戦前夜のような、緊張感のある演出を可能にするのがエピックの醍醐味です。
そもそもエピックとは…
エピックは一言で片付けるなら壮大な音楽です。元々は映画の広告用に使われることが一般的でしたが、アーティストによる音楽ジャンルのクロスオーバー(融合)や、インターネットの普及により一般人が手軽に音楽を聴けるようになってからは、エピックも一つの音楽ジャンルとして確立していきました。
従来のエピックはオーケストレーションが主流でしたが、近年は電子楽器のサウンドも多く使われており、洋画のエピックは特に迫力があります。
最近の映画で言うと、ウィル・スミス主演のDEADSHOTに使われているエピックは、パーカッションとサウンドエフェクトを中心に構成されており、カッコ良くも壮大な演出となっています。
エピックはシーンに応じてサウンドが使い分けられることが多く、例えばシーンの切り替わり、いわゆるトランジションではドーン!とかバン!みたいなサウンドエフェクトがよく使われます。
似たようなジャンルでシネマがあります。同義語と捉える人もいますが、筆者なりの解釈は、シネマはゆるやかなテンポのオーケストレーションが多く、映画で言えば運命の再会など、劇中の重要なシーンで視聴者の感情に訴えかけるために使われることが多い印象です。
エピックパーカッションはその名の通り、パーカッションが主役です。110〜125BPM程度のややアップテンポな曲が多いです。
前述の通り、従来のエピックパーカッションはオーケストレーションのサウンドも多いですが、DEADSHOTのようにメロディックな要素を極力省き、電子音や民族楽器を取り入れたものも多いです。
使用したソフト音源
BGMの構成要素です。トラック数はステムを含め34本。使用したソフト音源の中では、Meteorのトラック数が一番多いです。
Meteorは高品質で迫力のあるサウンドエフェクトが多数収録されているだけでなく、メロディーで使える楽器も揃っていて、シネマ・エピック系の楽曲制作には重宝するソフト音源です。
WEST AFRICAはNative Instruments(以下NI)からリリースされている西アフリカの民族楽器を収録したソフト音源です。今までは旧KOMPLETE SELECTにバンドルされていましたが、現在はSpotlight Collectionの単体、もしくはKOMPLETE STANDARDを購入しないと使えません。
WEST AFRICAはNI公式サイトで現在99,00 €で販売しています。
EASTWESTのHOLLYWOOD ORCHESTRA(現Opus Edition)は、Diamondを購入すると弦、金管、木管、パーカッションと、オーケストラ音源を網羅して使用することが出来ます。
他のオーケストラ音源ではViennaやSpitfireなども有名ですが、EASTWESTの音は非常にドライなので、音作りに時間をかけたい人に向いています。特にパーカッションはEQを少しいじっただけで様変わりするほど音の感度が高いです。今回のBGM制作では、パーカッションのみ使用しています。
過去記事もよろしければご参照ください。
Superior Drummer 3(以下SD3)は以前にも紹介しましたが、生ドラム音源中、一番おすすめです。プリセットが優秀すぎるので、音作りはほぼ必要ないぐらいクオリティーが高いです。今回のBGM制作では、コンプが強めのメタル系ドラムのプリセットを使用しています。
以上のソフト音源に加え、シンセベース、アンビエント、ビートのサンプル音源を使って制作しました。
それでは、BGM制作の工程を通して、エピックパーカッションに関する作曲のコツや特に重要な点を紹介していきます。
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