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『残ったおもち』 №206【2分で読める】日々の暮らしにクスっとエッセイ

お正月が過ぎた休日のある日、家族で何気なくテレビを観ていたらお雑煮のあとの「残ったおもち」を使った簡単料理を紹介していた。
「へぇ、おいしそう~」
しかも家にある材料ばかりでOK。だけど、のんびりしたいのはテレビを一緒に観ている家族同様、ワタクシも同じ。さりげな~く席を立ちスルーして難を逃れた。

すると今時期のキーワードなのか呪いなのか。
別の番組でも「残ったおもち」を使った料理を「簡単だ~」「誰でもできる!」「すごくおいしい」と言う場面にしょっちゅう出くわすハメになる。

そのうち、やっぱり家族が禁断のあのセリフを言い出した。
「おいしそうだね~。お母さん、これ作って~!『残ったおもち』でできるんだって!」

ひょーっ! やっぱり言われた~! 簡単だったら誰が作ったっていいじゃーん。

そこで、ワタクシこう言い返した。
「残ったおもちか~、残念だけど、うちには無いんだよね~」

実はわが家はふだんからおもちを常備しており、朝食のローテーションにもガッツリと入っている超常連様。
特に子供たちに一番人気なのは「チョコもち」。おもちをレンチンして、板チョコをのせるだけなので、これ以上簡単なレシピは思いつかない。なので、それ以上の手間が加わったものはワタクシ「簡単」だとは認めたくないという屁理屈。

結論、わが家にはおもちはあるけど、「お正月に残ったおもち」というものはありませーん。

そうは言うものの後日、1つだけテレビで見て気になった「おもち入りオニオンスープ・グラタン風」を作って夕飯に出してみた。簡単とはいえ、結構時間もかけたし。たぶん家族は喜んでくれるだろう。

ところがそんな日に限って、超バタバタ。
「もうこんな時間! 早くお風呂入って寝なきゃ!」
「宿題、まだ済んでなーい」

子供たちが冬休みも終わり、日常に戻ったわが家。バタバタしているところに出したもんだから、味もへったくれもあったもんじゃない。

せっかく時間かけて作ったのにこの扱い。感想なしかーい!
なんだかな。
ちぇっ。


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まいまいまま(mymymama)
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