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2分で読める子育てエッセイ NO. 6(だんなの場合)『援軍が来ません』

2日目の休日、散らかったリビングにいる嫁の機嫌が悪い。
八つ当たりされる前に、子供達を連れてドライブに逃げ込むことにした。
『助かる。家事がたまっているから、私、家に居ていい?』
思った通りの嫁の返事。機嫌取りは、まずまずである。

子供達を連れて出掛けるとすぐに娘が言った。
『いつもの自動販売機のアイス、食べたい。』
よしよし1個200円のアイスだったら3人でも600円。許容範囲の金額だ。喜んでおごってやろう。

目的地でアイスを食べていると娘が言った。
『ここ、本屋さんだよね。この間買ってもらった本の二巻が出ているだって。』
『そう?どんなお話しだった?』
ちょっと心が痛むが、ここはまだ本屋の外だ。まだ何とかなる。お茶を濁す作戦にでた。
そこに息子が寄って来て手の中の物をみせてこう言った。
『こっちは、自分で買うよ。だから本屋さんに行こう。』
息子よ、100円しか持ってないじゃないか。残りはどうする気だ。

家に帰って、色々あれこれ買わされた経緯を嫁に訴えた。
嫁は、家事が片付いたとお礼を述べたあと、笑いながら私の話を聞いていた。
笑い事ではない!!頼む!!今日の出費をいくらか頂戴!!
『わかった、わかった。』
そう言って、チャリンと600円を私の手に握らせた。
『アイス代ね。あとは自己責任ってことで、小遣いからよろしく。』

そんな、家の平和のためにこんなに頑張ったのに。これだけ?
殿!!援軍の諭吉が来ません!!
今月の味方は、あと20日を残し、もう野口英世しかいない。

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