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一度切れた縁は無理に戻さない。
私が若い頃、居酒屋に1人でふらっと入っては酒場で知り合う人とその場限りの会話を楽しんで帰るといった、おっさんのようなことを楽しんでいた。
下手したら親子以上に年の差があるおじさんと、居酒屋のカウンターで肩を並べて酒を飲む。
たぶん、今の若者は最も嫌うであろう行いを当時の私は率先して楽しんでいた。
年上のおじさんから聞く話が、若い頃の私にとっては刺激になった。
そんな中で今でも印象に残ってる話がタイトルにある通り。
「一度切れた縁は無理に戻すな」という話だった。
縁というのは不思議なもので、今の自分や今後の自分にとって重要な人物とは何があっても繋がりが生まれる。
私はこれを身を以て体験している。
一つ、過去の事例を出しておきたい。
小学校、中学校と同じチームでサッカーをしていた2つ下の後輩とは、私が中学を卒業してからすっかり疎遠になっていた。
そんな彼と、私が20歳過ぎの頃に、地元から遠く離れた大阪の地で偶然の再会をした。
私は仕事、彼は大学の友だちと旅行で来ていた。
そのときは少し立ち話をして別れたんだけど、それから数カ月後、今度は地元の居酒屋で再会した。
私の従兄弟が入っている社会人サッカーチームに入らないかと打診されていた居酒屋でのこと。
私はサッカーできる場所を探していたので、二つ返事で加入を了承。それからはお互いの近況報告などをしつつ、楽しく酒を飲んでいた。
そこに、あの後輩が偶然現れたのだ。
彼は酒が飲めないが、その日も大学の友だちとたまたま居酒屋に来て、私と再会した。
ごく自然な流れで従兄弟に紹介し、彼も同じチームでサッカーをしていたことを伝え、何となく流れで社会人サッカーチームに誘ってみた。
すると、彼もちょうどサッカーできる場所を探していたらしい。
いろんな偶然が重なって、数年の歳月を経てまた彼と一緒にサッカーができたことが、私はとても嬉しかった。
これまでの話は、すべてノンフィクションであり、実際に起きたことを事実として記載している。
こういった体験を持ってるからこそ、私は縁というものを信じている。
結局、後輩とは数年一緒にプレーした後、再び疎遠になってしまって以降は会っていない。
あのときの私にとっては後輩との縁が必要で、今はそういう関係ではないということなのだと思っている。
それと同じように、かつては関係があった人と、今は疎遠になっているというようなことは誰しも経験があるはずだ。
不思議なもので、今の自分や、今後の自分の人生を左右するような縁というのは自然と繋がっていく。
無理に関係を戻そうとしたり離れようとすると、取り返しがつかないほどにこじれていく。
昔、居酒屋でおじさんに言われたことが今でも胸に残ってる。
「一度切れた縁は無理に戻すな」
私はこれからもこの言葉を信じて、今の自分にでこることをまっとうしながら縁を大切にしていきたい。