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脳卒中者の体幹能力および歩行バランスに対する課題指向型トレーニングの効果

こんにちは!
理学療法士をしているyukiです。


では、本日紹介する論文はこちら↓


この論文について
掲載雑誌:Journal of Physical Therapy Science
Impact Factor:0.812


はじめに

脳卒中はハンディキャップの主要な原因であり(Dean et al. 2000)、
通常は運動麻痺や筋力低下、バランス能力低下や可動域の低下が見られる(Shumway- Cook et al. et al. 1988)。

脳卒中患者のバランス能力低下に伴う変化↓

・姿勢の揺れ
・非対称性の力の生成
・非麻痺側への重心移動

                  を促すことになる(Eng et al. 2002)。


バランスや歩行などの機能的な能力は体幹のリハビリテーションと強い相関性を示す。
体幹制御は、脳卒中後の日常生活動作の重要な早期予測因子として特定されている(Verheyden et al. 2006)。

体幹筋の活性化は、歩行速度および機能的独立性と関係性が証明されている(Tsuji et al. 2003)。

以前の研究では、上下肢麻痺に関する研究がほとんどであり、四肢に対するリハビリテーションと比較して、体幹機能の回復は脳卒中リハビリテーションの研究でほとんど触れられていない領域である(Van et al. 2001、Van et al. 2004)。

デイビスらは、選択的な体幹制御の喪失により、呼吸、発話、バランス、歩行、および上肢や手の機能に制限が出ることを関連づけている(Hsieh et al. 2002)。

リハビリテーションアプローチの1つであるタスク指向型のトレーニングは、目標指向の機能的な動きの練習が自然環境下で実施される。

タスク指向型トレーニングの特徴(論文記載)
・患者が運動の問題を解決するために最適な制御戦略を導き出すために様々な実践が含まれている(Thielman et al. 2004)。

・代償的な動きを制限し、適応的な動きを増やすために、多くの種類の動きが訓練される(Carr et al. 2003)。

筋骨格系および神経筋系に関連する特定の機能的タスクに焦点を当てた方法である(Yang et al. 2006)。

・歩行および歩行関連の課題は、機能的アプローチを使用して実践される。

集中的な課題指向の実践が、脳卒中の人々の歩行能力において従来の理学療法よりも大きな改善をもたらすという証拠が増えている(Salback et al. 2004)。

・課題指向型トレーニングは、他のトレーニング介入より、バランス、可動性、パフォーマンスを改善する(Lee et al. 2009)。



本研究の目的

脳卒中後の機能改善のための効果的なトレーニング方法を提案するため、
”体幹制御能力、バランス、歩行に対する課題指向トレーニングの効果”を調べる。


対象と方法

研究デザイン:ランダム化比較試験
対象者:脳卒中患者20名
対象者属性
適応基準
・見守りや介助なしで、10m歩行が自立しているもの(装具の有無は問わない)
・MMSEで20以上
・インフォームドコンセントにより同意が得られたもの
除外基準
・関節運動に伴い筋骨格系の痛みまたは骨折がある方

介入内容
両群ともに60分/日、5日/週、4週間の通常の理学療法を受けた。
通常リハでは、関節可動域訓練、筋力増強訓練、バランス訓練で構成

介入群はさらに60分/日、3日/週、4週間の課題指向型の訓練に参加。
課題指向型訓練は下肢強化、歩行バランス、歩行速度、距離を段階的に強化される下記の10つの課題で構成

課題指向型訓練の項目
1. ステップアップ訓練
2. バランスボード
3. ボールを蹴る課題
4. 起立・歩行訓練
5. 障害物コース歩行
6. トレッドミル
7. 歩行(物を運ぶ)
8. 早歩き
9. 後方への歩行
10. 階段昇降

5分間のウォーミングアップ後に実施。各訓練は5分ずつ実施。

評価項目
・体幹障害スケール(TIS)(Verheyden et al. 2007)
・Berg Barance Scale(BBS)(Blum et al. 2008)
・Timed up & go test(TUG)(Morris et al. 2001)
・10m歩行テスト

統計解析
・SPSS.バージョン12を使用
・正規性の検定(Kolmogorov-Smirnov)
・対応のあるt検定
・有意水準は0.05とした。

結果

介入群(群内比較)

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3,646字

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