自閉スペクトラム症の共同注意力と知能について
今回参考にした論文はこちら↓
雑誌名:Autism Research
Impact Factor: 4.633
※内容には個人の解釈と見解が含まれます。ご理解の上ご覧ください。
ASDにおける共同注意と知能について
自閉スペクトラム症(以下,ASD)は、社会的相互作用、コミュニケーション、社会的な想像力の障害が特徴的な所見とされている。
更に、言語機能の低下、知能の低下も見られ、成人になってからも何らかの社会的サポートを必要とする場合が多い。
定型発達児において共同注意は、生後3〜6ヶ月までに観察されることが示唆されている。生後約9ヶ月で安定的に可能になり、生後3歳までの間発達し続けるスキルである。
この共同注意は、言語習得、社会的スキル、コミュニケーションにも関連していると考えられている。
一部の研究では、共同注意が治療的介入の標的となっており、介入により共同注意行動を改善させて、副次的な効果をもたらすとされている。
別の研究では、ASD児に対して共同注意に関する介入を行った後に、自発言語を増加させたことを報告している↓
これらの結果はASD児に対する共同注意を対象とした早期介入の有益な効果に取り組む理論的な根拠となる。
更に、知能レベルに応じてこれらASD児の共同注意に違いがあるかを研究した結果では、
共同注意力と知能の間には相関関係があることが示唆された結果となった。
いわゆる、知能が低い場合は共同注意力が低く、知能が高い場合は共同注意力も高くなる可能性があるということになる。
今回の研究では、重度の知的な障害がないASDを対象に知能と共同注意の関係、そして、知能のどういった要素共同注意と関係しているかを検証した内容となっている。
では、結果を確認していく↓
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