念願の、単車が、手に入ったぞ！

スズキ、グラストラッカー

単気筒250ccバイク。スピードは出ないものの、軽くて取り回しがしやすいため手軽で、かつ丈夫ながらも単純な作りからカスタムの幅も広いストリート・トラッカー系バイク。
正直、ノーマークだった。これまで色々とグーバイクで単車を探していたけど、この手の所謂ストリート系バイクは全然食指が伸びていなかった。
なのに何故これを手に入れたか？答えは簡単。友人が安く譲ってくれるというからだ。

おいおい、不純な動機だなぁ？結局、単車なら何でも良いのかよお前はよぉ？という声が聞こえてきそうだけど、その通りだ。俺は、単車だったらなんでもいい！
というのも、俺の去年からのバイク熱は自分でも驚くべきもので、免許を取る際も、取ってからも色々と調べた。スクーターから250ccの現行SSタイプ、400ccの旧車名車にアメリカンバイク。現状安く手に入るバイクはどの車種で、どれくらいの値段なのか？調べていくうちにどんどん価値が変動していき、少し前まで15万円で買えたバイクがいつの間にか40万出さないと買えなくなっていたり、人気車種なんかは値段が落ちるどころかある程度走行距離が回っていても新車の値段を大幅に超える価格で売られていたり、それまでの自分の常識からは考えられなかった世界が垣間見えて面白かった。

面白かったんだけど、時間が経てば経つほど欲しい単車は値上がり、タマ数も減り、その度に安い値段のバイクを探し、そのバイクを買うとしてどういうバイクなのかを調べ倒すうちに乗りたくなって悶々とするキッズのような日々を送っていたんだけど、そんな俺を見透かすかの如く年始にこんな連絡が来た。

「グラストラッカーを譲ってもらうことになったんですが、買いません？」

渡りに船とは、まさにこのこと。
とはいえ、お金の工面に目処が立たず4月まで何も話を進めることが出来なかったんだけど、ようやく目処が立ったので現車確認。そして次の週には乗って帰ってきていた。スピード感大事。超大事。
で、乗って帰ってきた第一印象は「不思議」だった。何これ？教習車と全然違うし、いつも乗っているリード125とも全然違う！車体は大きいけどそこまで重たくない不思議な感覚と、ハンドル幅の広さから来る腕の使い方の違い。何よりびっくりしたのは「思った以上にスピードが伸びない」ということ。トップギアでフルスロットルでも幹線道路の右車線は時間帯によっては躊躇うレベル。正確にいえばスピードは出るんだけど、それ以上に振動が半端じゃなくなる。振動で手が痺れるというのは、こういうことを言うのかと初めて感じた。

それだけ「スピードを求めるバイクではない」ということを、まさに身をもって体感したし、だからといってグラストラッカーに魅力がないかと言われれば答えはNOだ。スピードがバイクの全てではない。マフラーから放たれる歯切れの良い音を聞きながら低速でギアを上げていく度に不思議な高揚感が身を包む。これでいい。これもバイクで、これがまた良い。

そんなことを感じながらも、通勤で乗って行ったりバイクに詳しい人に見せたりしながら直すべきところを教えてもらい、少しずつ自分色にどうやってチューンしていこうか考えている。
とりあえず、ブレーキパッドとクラッチワイヤーは摩耗しているので交換は必須として、乗っててやっぱり最高速はもう少し伸びて欲しいなという思いがあるので、スプロケットを交換してギア比を変えようかなとも思っている。
あとは外装がなかなかヤレているので、もう少し手入れをしようかな。磨くか、はたまた総取り替えか。
ハンドルもそのままだとオフロードバイク的な運転が要求され、それが自分的にイマイチ慣れないので角度調整して様子を見ている、場合によってはもう少し幅を狭くしてカフェレーサー的な感じにしても良いかもしれない。

と、書いてて色々出てくるんだけど、それこそがグラストラッカーの最高なポイントで、それは「カスタムベースとしての懐が深い」ということ。
カフェレーサースタイルのようにするもよし。フロントフォークを伸ばしてチョッパースタイルにするもよし。ローダウンしてボバーやアメリカンライクにするもよし。様々なパーツを駆使して、自分好みに染めていく。現に譲ってもらった車体も既に結構な手が入っていた。それはそれで良さもあるので、その良さを受け入れつつ、自分はどうするだろう？どうやって、このバイクと共に行くだろう？そんなことを考え始めたら、色々なバイクを調べている時とはまた違う楽しさを見出していて楽しいのだ。

そして、結構楽器にも通じるところがあって、カスタムや細かいパーツのこだわり、果ては車種の嗜好なんかも掘れば掘るほど楽器と共通点が多い。決定的に違うのはお金のかかり方。税金や車検点検もあるし、一つ一つのパーツを変えるのも失敗すると命に関わるという怖さがある。モノも大きいので環境が無ければ何台も多く手にしておけない。その分、手に入れた一台を大切に乗ろうと思える。まあ、俺はそこまで多くベースを持ってないけど。

と、そんなこんなで新しいバイクと共に色々とこれからに馳せている。バイクは良い。最近はバイクブームで乗る人も増えたというけど、俺はその中でも特にハマった人種なんじゃないかなと改めて思う今日この頃である。マジで多分近いうちに大型免許を取りに行くと思う。音楽ばっかやっていたけど、同じくらい楽しいと思えることを見つけたよ。去年から同じこと言ってんなこいつ。

で、ここからは音楽の話