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BOSS LSー2レビュー。スイッチャーは投げ捨てた。

2021年9月

BOSS LS−2を買った。

BOSS LS−2ラインセレクター。説明不要が過ぎるBOSSのロングセラーエフェクター。厳密にはエフェクターではないんだけどね、簡単に言うと「エフェクターを管理するためのもの」で、これを使って同時に2つ以上のエフェクターをオンオフ出来るようになるという便利アイテム。

とはいえ、2020年代のテクノロジーでそんな機能はほぼ化石。今ではもっと便利なスイッチャーというものが昔とは比べ物にならないほど安価で売られている。2年前から俺も導入していた。

要するに複数のエフェクターをまとめて一括でオンオフしたり、曲ごとに必要なエフェクターだけをオンオフ出来るようにプログラミングしたりと演奏中に煩雑な操作をしなくても済むように、ライブをより楽にこなせるようにシステムを組むための最重要アイテム。一昔前はこれをエフェクターボードに組み込むのがミュージシャンのステイタスみたいになってたとかそうじゃないとか。

俺は正直、このスイッチャーが嫌いだった。
なぜならデカい、重い、価格が高い、パッチケーブルの量も多く使わなきゃいけなくなる。ミュージシャンのステイタスたる所以はその莫大な導入コストと、システムを組むための機材の知識、そしてスイッチャーを組み込める大きさのボード、それを運搬する手段。
そんなさまざまな要素が重なって10年くらい前は「人気ミュージシャンの機材アップグレードの指標」のような感じだった。俺はそう解釈している。

で、そのスイッチャーをなんとかしてライブハウスで燻っているバンドマンにも広められないか?という思惑があってなのか、ここ数年で小さく、軽く、安価で購入できるものが増えた。俺はそれを買って導入した。嫌いであっても、使ったことの無いものを批判は出来ない。してはいけないと思ったから。

で、買ったはいいんだけど当時2020年2月。ライブで一回使ったきりでそれ以降皆さんご存知の緊急事態により以降のライブの予定が全て断ち消えた。スイッチャーに慣れようにもそれが出来なくなってしまった。

そんな状態で時は流れて2021年、久々のライブで俺はスイッチャーの踏み間違えを多発させた。演奏カンは数度のスタジオリハで取り戻せてもエフェクターの操作カンは取り戻せなかった。というか、そもそも導入してロクに使ってもいないものにカンも何もあったもんじゃない。

で、8月と10月にライブやってその2回とも結構大事な場面で踏み間違いをして変な雰囲気になった。久々のライブで気負っていたのもあって、だいぶ凹んだ。
一度ならまだしも、二度やらかした以上はもうダメだ。そう思って俺はスイッチャーをボードから外し、冒頭のLS−2で新たにエフェクターボードを組み直した。しかも

2個も買って。

これ、ちょっと機材に詳しい人なら分かるんだけど、かなり回りくどいセッティングしてて、こういうのをスマートに仕上げる事が出来るのがスイッチャーなんだけど、そうは言ってもライブでミスしてちゃどうしようもない。
完全に自分自身の向き不向きでもあるんだけど、俺にはこっちの方が性に合っている。ライブ中、どのスイッチを踏むとどうなるかなんて細かく考えたくなかった。最小限の操作で、大きな効果を生み出したかった。
そもそも落ち着いて演奏することが出来ない性分に加えて、バンドで求められるテクニックが中々に高い。その上でスイッチャーの番手を記憶して操作するなんて俺には出来なかった。それだけの話。

もちろん、スイッチャーの利便性は使ってみて実感した。ちょっとボードの構成を考えるのが面倒だけど、一度組んでしまえば基本的にエフェクターの操作はスイッチャーでしかしなくていいこと。より高価で複雑な操作が可能なプログラマブルスイッチャーならもっとそれが便利で楽になる。
しかし、それが俺には複雑な操作に思えてしまった。慣れもあるんだろうけど、今となってはライブの機会も少ないから慣れようがない。だったらひとまずはラインセレクターでライブをこなしていこう。そう思った。

現状、上の写真が俺のライブで使うエフェクターボードなんだけど、結構これで不満は無い。ここ数年で芽生えた俺の遊び心は充分に表現出来るし、上段真ん中のLine6 M9というマルチエフェクターで必要な空間系エフェクトは賄える。
一つだけ欲を言うと電源で、端子の数が足りない。LS−2の電力供給機能を駆使してギリギリで間に合わせているので、ここからアップグレードするとすればパワーサプライかな。
去年発売されたFenderのEngine Roomというサプライが、最大12個供給できてフルアイソレート(現在使用しているキクタニのサプライは最大10個でアイソレートされていない。充電式なのは最高!)とのことなので、ライブの予定が多くなったら買い替えを検討しようと思う。

まあ、ライブの予定なんて今の所ひとつもないんだけどね!!!!

今年は、去年以上に粛々とした1年になりそう。

どちらにしろ、LS−2は操作も手軽で電源供給も可能。ロングセラーたる所以がある最高のエフェクターだ。中古を漁ればそれほど価格も高くないし、少しエフェクターが増えて操作が煩雑になってきたと思った人には超おすすめの1台!!

あ?音質?音痩せして使えない?

知るか!!そんなとこ誰も気にしてねえわ!!


次回
MIDLAND BT MESH Rレビュー。ヘルメットインカムはバイク乗りに必須。



以下はマガジン購読者向けの、俺のエフェクターにまつわる裏話的なもの。

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みゆきさんの内面。ちょっと言いづらい話とか(特定の何かを貶める内容はありません)

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