歴史・人物伝~エピソード編④:真田幸村「父が娘を気遣って送った最後の手紙」
2016年の大河ドラマ「真田丸」は、真田幸村(信繁)の生き様を三谷幸喜さんの脚色を交えながら描いたドラマで、毎週楽しみに見させてもらいました。とくに、父親の昌幸、兄で真田家を継いだ信之は、信州ゆかりの人物だったので余計興味深かったです。
長野県内で幸村が活躍した足跡はほとんどありません。そんな中で、中山道にある長久保宿(現長和町)の石合家に嫁いだ娘「すへ」の行く末を心配し、大坂夏の陣直前に娘婿の石合十蔵に宛てた手紙が残されていたことを知りました。
その複写を見せてもらいましたが、十蔵に「すへを頼む」と記した文面には、娘に対する愛情はもちろん、徳川に対して命懸けの戦いを挑むという決意が込められていた気がします。幸村にとって生涯最後の手紙だったかもしれません。
北陸新幹線の上田駅前には、武将姿の真田幸村の像があり、「真田丸」効果で人気のスポットになりました。勇猛果敢な武将というイメージが強い幸村ですが、「すへ」への手紙を読んでみると、その素顔は家族思いの穏やかな人物だったのかもしれません。
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