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歴史・人物伝~エピソード編㉕:武市瑞山「高い志も道半ばで弾圧された逸材」

土佐(高知県)を代表する幕末・維新の英傑と言えば、誰もが坂本龍馬を思い浮かべるでしょう。その龍馬が一目置いていた人物が武市瑞山です。武市は勤王の志士として名高く、自ら土佐勤王党を率いて活動していました。

武市は、藩論を尊王攘夷にまとめていくために、政敵である吉田東洋を暗殺するなど手段を選びませんでした。下級武士出身だったこともあり、藩の最高実力者・山内容堂は武市にいい感情は持っておらず、やがて弾圧に向かうのです。

武市は獄中で切腹し、志半ばで命を落としました。明治になって、木戸孝允が武市の切腹について容堂をなじりましたが、容堂は「藩命にしたがったまで」と語ったエピソードが残っています。木戸は武市を高く買っていたのでしょう。

武市の勤王の精神は今も引き継がれ、生家のあった場所には瑞山神社が建てられました。境内の一角には瑞山の墓もあり、横には妻の富が眠っています。二人の墓が並んでいる姿に、愛妻家だった瑞山の一面を垣間見たような気がしました。

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