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歴史・人物伝~新選組上洛編番外コラム:芹沢鴨かがり火事件と演出

浪士組上洛中の本庄宿で、芹沢鴨が宿割りを忘れられたことに腹を立て、宿場の真ん中で大きなかがり火を焚くという事件は、新選組のドラマでは必ず登場するエピソードとなっています。

宿割りを担当していたのは近藤勇と池田徳太郎で、立腹する芹沢に対し、平身低頭で謝り、何とかその場を収めて宿に入ってもらったのです(ここでも名札の「三番組」が気に入らないと怒るのですが・・・)

大河ドラマ「新選組!」では、単身謝りに来た近藤に対し、芹沢は頑としてかがり火を消そうとしません。近藤は「消していただくまで、ここを動きません」とかがり火の間近に正座し、芹沢を見据えるのです。

燃え盛る炎の前での両者の我慢比べとなりましたが、近藤の胆力を見定めた芹沢が折れ、かがり火は消されました。芹沢と近藤の運命の出会いであり、後にドラマの伏線になっていくのです。

かがり火事件は、永倉新八の「新選組顛末記」で紹介されていますが、当時の他の史料で事件を記載したものはありません。ただ、永倉の創作や思い違いだと決めつけてしまうのも、どうかと思います。

ちなみに「新選組顛末記」では、同行していた幕臣の山岡鉄太郎が「職を辞して江戸に帰る」と言い出したため、芹沢が山岡のご機嫌を損ねないよう、以後はおとなしく従ったと記しています。

※「思い入れ歴史・人物伝」は6月から木曜日に掲載します

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マイケルオズ@日々挑戦する還暦兄さん(フリーランスライター)
noteでは連載コラム、エッセイをほぼ毎日書いています。フリーランスのライターとして活動中ですが、お仕事が・・・ご支援よろしくお願いいたします!