歴史・人物伝~エピソード編㉔:小松帯刀「英傑の陰に隠れがちな本当の功労者」
2008年の大河ドラマ「篤姫」は、天璋院篤姫の生涯を描いた作品でしたが、篤姫とともにクローズアップされたのが薩摩藩家老の小松帯刀でした。ドラマをきっかけに帯刀の知名度と評価が一気に高まったのです。
帯刀は、同じ鹿児島の英雄・西郷隆盛や明治政府の中心人物・大久保利通の陰に隠れがちでしたが、私は以前から「帯刀の働きは西郷や大久保に匹敵する」と思っていました。それは、当時薩摩藩の最高権力者だった島津久光の側近だったからです。
西郷は久光とそりが合わず、大久保も下級武士だったのに対し、帯刀は家老として島津家を支えていました。藩論を代弁できる立場であり、坂本龍馬とも昵懇だった帯刀が、薩長同盟締結に一役買ったことは間違いありません。
帯刀にとって残念だったのは、明治になってすぐに亡くなってしまったことです。彼が元気で活躍していれば、西郷と大久保が激突した明治6年政変も、その後の西南の役もなかったのではないか、と私は思っています。
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