【練習内容公開】24歳社会人が約3ヶ月イラストを練習しました【成長記録】
はじめに
イラスト練習を初めて約3ヶ月が経ちました。人に見せられるくらいの絵にはなったのかなと思ったので「何を考え何を実行してきたのか」自分用に残そうと思います。
何かの縁でこのnoteに遭遇したイラスト初心者の方の参考になれば嬉しい限りです。
自己紹介
この手の記事や動画にありがちなのが練習している人間がどういう環境で育ってきたのか記されていないこと。画家の子供であれば圧倒的に成長すると思いますし、漫画家だと言われれば何の参考にもなりません。
ということで僕のお絵かきに関するプロフィールを赤裸々(?)に公開します。
・いたって普通の家庭で育ち普通に高校、大学へと進学
・大学は理工学部で絵や芸術とは無縁な学生生活を過ごす
・家族含め親戚に絵が得意な人間は聞いたことがない
・友人にクリエイターがいるわけでもない
・小学校、中学校、高校と美術の成績は常に最高評価だった
・漫画が大好き
・別に美術館・博物館とかは好きではない
少し絵が得意な普通の社会人♂というのがおわかりいただけたでしょうか。
イラスト練習のきっかけ
イラスト練習のきっかけははっきり言って自己満足です。
昔から妄想をふくらませるのが大好きで、自分が思い描いていることを目に見える形にできたら絶対幸せだろうなーと思っていました。
なまじ美術の成績も良かったので漫画とかも描いてみたいなーとか考えちゃったりして。高校生の時くらいからずっと頭の片隅で絵の練習をしてみたいと思っていました。
...思い続けた結果24歳になっていました。
そんな時、幸か不幸かコロナの流行により会社は完全在宅ワークとなります。今まで通勤で使っていた時間を有効に使えないかと考えた時、そうだ絵を練習しようと思い立ち練習をはじめました。
意識したこと3つ
1.続ける
2.本質を捉える
3.実行→改善を繰り返す(いわゆるPDCAの徹底)
1.続ける
1番難しいのが継続するということ。本当に苦手。やらないことには上手くならないので、「やりたい時にやる>一生やらない」という考えのもと続けることを最優先事項として置きました。
・仕事で疲れていたら無理に練習する必要はない
・ゲーム廃人なのでゲームが最優先で構わない(みんな大好きApexマン)
・やる気がある時に集中してやれば良い
こんな感じで絵を描くのが嫌にならないようにルールを設けていました。大分舐めた考え方だというのは重々承知しています。絵が嫌いになることを一番避けたかったので許してください。
練習時間が取れない代わりに後述する2と3を徹底してやっていました。
2.本質を見失わない
この考えは仕事や普段の生活で僕がかなり意識していることです。本当に解決すべきことは何なのか、その練習は何に繋がるのかを必ず考えていました。
逆に本質からブレるとどんなに練習しても上達せず時間の無駄になってしまうので、本当に意味のある練習なのか吟味してから練習をしていました。
よくあるのが「毎日絵を1つ仕上げる」という練習。数をこなすことは否定しません。実際大事だと思います。
ただ、「何を改善するのか」「何を目的に描いているのか」を意識せず、どんなに低いクオリティでも良いから絵を書き上げるという行為そのものが目標になってしまっている方をnoteやブログで見かけます。
これだとただただ下手くそな絵が量産されていきます。
「〇〇を良くするために、XXを意識して毎日絵を1つ描き上げる」が正かなと。
3.実行→改善を繰り返す(いわゆるPDCAの徹底)
要するに練習したら振り返って悪いとこ見つけようってことです。おそらくほとんどのイラスト初心者は自分が描いた絵を見直すのが苦痛だと思います。
なぜなら下手くそだから。
絵の良いところは見ればおかしいところがわかる点。もちろん最初は目の位置が変、顔がでかいといった大きい部分にしか気づきません。それで大丈夫です。
何事でもそうだと思いますが1できるようになると、問題の解像度が上がって10見えるようになり、10できると100が見えてきます。
なので最初の1となる部分ができるようになれば後の100に繋がると思ってやっていました。
少し話が逸れましたが下記を繰り返し、
1.絵を描く
2.振り返る
3.駄目な部分をリストアップ
4.必要な練習の洗い出し
5.絵を描く
一貫して、「駄目な部分を細分化→1個1個潰す→自然と同時にできるようにする」といった進め方をしていました。
※このやり方が必ずしも読んでいる方にとって最適であるという保証はありません。あくまでも僕自身を最も知っている僕が選んだ練習方法です。
練習時間について
先にも述べた通り続けることを最優先にしていたので、読んでくださっている方が思っているほど練習していないと思います。
平均練習時間
最初の1ヶ月:平日1時間、休日2時間
2ヶ月目以降:平日40分、休日3時間
休日は日によります。やる気がある時は4,5時間くらいやっていました。
タイトルには3ヶ月と書きましたが全く練習しない日もあったので実質2.5ヶ月くらいかもですね。
1日目〜10日目(1ヶ月目〜)
全てについて解説するのは難しいので細かい部分は画像内にあるテキストを見ていただければと思います。
いよいよ練習初日。まずは自分ができないことを知るために模写を行いました。
この時初めてpixivに登録し、そこから惹かれた絵を選ぶことにしました。
参考にさせていただいたイラストレーター様とイラスト
necoさん参考にさせていただいたイラスト
※元絵と違いすぎて本当に失礼でしかないので問題があればすぐに消したいと思います。
描いた後は元絵と見比べてひたすら駄目な点を書き出し。
この駄目な点や気づいた点の書き出しは以降どんな練習でもやっています。noteでは全てについて書ききれませんが、書き出した内容を意識して先の練習に取り組んでいると思ってください。
リストアップしてみて思ったのが、全てのパーツに問題はあるが全体的な違和感の根源は体のバランスにあることだと仮定しました。そこでまずは人体の構造を理解することにしました。
具体的にはポーズマニアックスというサイトやそれに似たサイトでランダム表示されるあらゆる筋肉マンたちを模写。いわゆるクロッキーというやつ。
模写といっても精密に描くのではなく、「体の作りや流れを理解する」ことを目的に1つあたり10分くらいかけて描いていました。クロッキーというには遅いですが自分に合ってればOKというスタンス。
最初はこのレベルで3体描くのが精一杯でした。右下の日付を見ていただければわかるのですがすでに1日サボっていますw
5日ほど練習すると40分でこれくらいの量をかけるようになっていました。構造の理解度が増したので手が止まる時間が少なくなったからだと思われます。
知ってる場所にはすぐ行けるけど知らない場所には調べながら行くようなイメージ(?)
今振り返ると人体の構造理解は僕の中で一番楽しい練習でした。「ここがこういう風に繋がるのか」と感動しながら描いていたのを覚えています。さながら生物学者。
構造を理解することで人体を立体(面の組み合わせ)で捉えるという考えを持てたので、どんなポーズでもとっかかりやすくなりました。
人体の構造を学んだ後にもう一度同じイラストの模写を行いました。骨格の下書きから描いたのを覚えています。
もちろん元絵と比べるのもおこがましいレベルですが、最初に比べ全体的にバランスが取れているのがわかります。そして問題点も最初に比べ具体的になっています。
クロッキーを描くのにも慣れてきたので90sドローイングで毎日15体ずつを描き最初の約10日は終えました。
模写について
答えの絵があるので自分が描いた絵と比較し、何が出来て、何ができていないのかを把握しやすいです。初心者のうちはオリジナルの絵だと客観的に見るのが難しい気がします。
また、模写をする時は全力で描けば描くほど得られる効果は大きいと考えています。
11日目〜20日目
2回目の模写で問題点として上げた手と足の練習を集中的に行うことに。いきなり細かい部分まで描くのは不可能だと知っているのでアタリのとり方を理解することに徹しました。
この時から「知らないものに挑むときはまず構造から」が僕の黄金ルールになります。
(実はここでアタリの存在を知ります...。遅い。)
描き方はYouTubeの動画や記事の中から自分に合っているやり方をピックして参考にしていました。
正直情報が溢れているので「自分で考えるよりはマシなので誰のやり方でも技術は上がるという前提のもと、参考にする練習方法をすぐに決めて練習する」というのが大事な気がします。
やり方が間違ってそうであればすぐに切り替えましょう。迷うよりは、この練習方法が一番だろう!という仮説を立てて即実行→別の仮説を立てる→切り替えるをぱっぱと行った方が正解にたどり着くスピードは早いはずです。
・・・
手と足の描き方は理解したのでいよいよ顔の練習に入ります。
が、ここで挫折します。顔が全く描けない...。というかアタリを描くのが難しい。なんでみんなさらっとアタリかけるの...?
体の部位は描けるようになったのに肝心の顔が描けなかったらイラスト描けないじゃんと絶望していました。事実、クロッキー帳にも「絶望」と書かれていましたw
ここで顔が描けないという問題をもう少し分解して「目を入れると顔が描けない」のではと考えました。
目を黒目だけにして顔を書いてみるとあら不思議、良い感じになりました。(この後横顔で苦戦することをまだ誰も知らない)
翌日角度別の目の練習をしました。
顔の練習をするときはこの方の画像を見ながらやっていました。他にも初心者がほしい!と思えるような情報を発信されています。
また、ちょうどこの時期にこちらのnoteを見つけます。100日間の過程をかなり詳しく書かれていて大変勉強になる内容でした。
このnoteをきっかけに僕も3ヶ月を目処に頑張ってみることにしました。
ある時から吸収力が高くなった
絵の練習において"構造を理解する"というのがとても大事だと思いました。構造を理解し単純化を行い、大きなパーツを組み立てる。あとは組み立てられたパーツに肉付けを行えば勝手に出来上がります。
単純化されることで何から描けば良いかわからないという状態を回避でき、ストレスなく絵を組み立てられるようなイメージです。
21日目〜30日目
ここまで体・手・足・顔と主要なパーツに関してはある程度描けるようになってきました。ここから髪の毛の練習を行います。
ただ髪の毛は僕が最も苦手とするパーツで今でも苦労しながら描いています。
後から気づくのですが、最初うちは(あくまでも僕が)思っている以上に髪の毛はゆっくり丁寧に描いた方が良いということ。
皆さんシャッシャッと描いていますが、僕がやるとどうしても変な髪型だったり、硬い髪質、線が多すぎる髪になってしまいました。
デジタルで最後に描いた絵に関しては、髪の毛だけに数時間費やしてようやく思い描いた髪型になるという感じ。1本1本どこにどう線を引くのか考え、理想の線が引けるまで何度も描き直していました。
自分の考えで正解にたどり着く術を見つけてからは「どういう線(髪型)が自然なのか」を理解できたので、前よりも少し早く描けるようになりました(良かった)。
・・・
さあ、ここまでで一通りのパーツの描き方を学びました。ここからは「模写→振り返り→駄目な点を練習→模写」の日々です。この時心がけたのがテーマを持って描くこと。
目的もなく絵を描くのは一番無駄な作業なので、特に何を意識すべきか(テーマ)を設定していました。
どうせ模写するなら楽しく、ということで僕が大好きなゲーム『グノーシア』の立ち絵を模写することに。
▲なぜペンで描いた...?
この頃になると大分細かい点まで見えてくるようになっています。
(どこかのタイミングでシャーペンに切り替えたので字も上手くなってます)
↓気になった部分をひたすら練習(横顔本当に苦労しました)
各パーツごとの練習にはPinterestというアプリで資料となるものを探していました。かなり便利です!
30日目〜41日目(2ヶ月目〜)
社会人の力を利用しペンタブよりお高めの液タブを購入しました。使うのはまだ先です。
この時期も「模写→振り返り」を行っていました。
オリジナルイラスト(自分が思い描いたイラスト)を描けるようになるのが一番の目的でしたので、液タブが来る前に1からキャラクターを描いてみました。
最高にダサい...。
もちろん自分が描いたキャラだから愛着はあるのだけど。
この時期は液タブが来る楽しみからか、ふわふわして全然練習していなかった記憶があります。
41日目〜50日目
オリジナルキャラが最高にダサかったのでその要因を探ることにしました。結論「服だな」ということに。そういえば練習していなかった。
ここから集中して服を模写します。服の模写の目的は「そもそもの構造を知る」「しわの描き方を理解する」です。この時、人体のアタリから描くことで服と体の関係も理解できたので良い練習になりました。
参考にしたのはWEARというアプリ。服を来ている人間の練習には持ってこいです。雑誌を購入する必要もなし!
51日目〜60日目
大体このくらいの時期にデジタルイラストに移行します。ソフトは「CLIP STUDIO PAINT」。
日数はかかっても良いので必ず全力で1枚のオリジナルイラストを仕上げることをルールにしました。
いざデビュー戦!
...可愛いかも!もちろん上手いわけではないのですが魂込めて描いたせいかすごく可愛く見えてしかたなかったです。
この時、右も左も分からない状態だったので塗り方はディープブリザード先生のはじめてのクリスタシリーズの動画を参考にしていました。この動画がなければ即描くのをやめていたレベル。
ここから2枚ほど描くのですが、レイヤーの効果やブラシの使い方などのデジタルならではの機能を使いこなせていない感がありました。というか全然知りませんでした。
60日目〜70日目(3ヶ月目〜)
単なる塗り絵状態を脱するべく
・レイヤー効果
・ブラシの使い方
・塗る時のテクニック
・仕上げのテクニック
などのデジタルイラストの描き方を勉強しました。
また、この時期から休憩時間や寝る前にメイキング動画や添削動画を見ていました。
メイキング動画・・・プロの方がどのように絵を完成させているのか研究。作業工程はもちろん、使っているペンやブラシなどの細かい部分まで観察していました。
添削動画・・・自分が描かない時の学び用。自分だったらどう添削するかという視点で見ていました。プロの方の添削と答え合わせをすることで描かずとも自分自身の学びになります。
ゲームでもそうなのですが、体力的に自分がプレイできない時は上手なプレイヤーの生配信をそのプレイヤーになったつもりで見ています。要するに手は動かせなくても頭だけ動かし、自分の考えが正解なのか不正解なのかを振り分けるような作業をしています。(もちろんまったり見るのもすち)
参考にしたのはさいとうなおき先生の添削動画。ガチデュエマ勢だったのでYouTubeで見つけた時本当に声が出ました...。添削以外にもためになる動画ばかりです。
・・・
結果、少しデジタル絵っぽくなりました。
71日目〜80日目
この時期は学んだことをイラストに反映させることを意識していて描いていました。
また、この時にラフをしっかり描くことが意外と大事なのでは?と思い始めます。
意識の問題かもしれませんが、僕は線画=下書きのイメージを持っていたせいか不十分なラフで済ませていたため線画の時に困りました。準備段階のラフで完成形に近い状態まで描き上げることで、スムーズに作業工程に入れます。
この期間に書いたのは2枚。
表現方法について
やはり動画や記事を見ているだけでは身に付きません。実際に手と頭を使って色々試すことで、自分なりの使い方が見え、応用することができるのだと思います。
ただただ動画で見た内容を覚えるだけの練習をするとそれしかできなくなります。実際この時期は見たことしか出来ずつまずきました。
ベクターレイヤーについて
線を調整したり、消す時に便利なベクターレイヤー。この存在を知った時はかなり驚きました。最初はウキウキで描いていましたがどうも僕には使いにくかったです。
たぶん使い方をマスターしていないからだと思いますが、線を重ねたり消したりするとカクつくんですよね。今はラスターレイヤーで描いています。
81日目〜90日目
いよいよ最後の10日間。
ここからは卒業制作と称して今まで以上に全力で絵を描くことにしました。
最後はこれまでと違い、今できる技術だけで表現するのではなく、自分がやりたい表現を実現させるために必要な技術を研究し取り入れながら描くことを意識しました。
ひたすらpixivでプロの方の絵を見てましたね。
・・・
そして最後に描いたイラストがこちら。うん、OK。
感想
久々に努力をしたなって思いました。
何かを続けて上達するって社会人になってから、いや、なんなら大学生になってから全くなかったなと思いました。(あ、ゲームがあったわ)
今回絵を練習してみて、ちょっぴり自分に自信が持てたのは確実に後の人生に活きると思います。また、練習の過程で自分という人間がどういう考えを持っているのか向き合えたのも良かったですね。
練習していて個人的に良かったなと思った点をまとめておきます。
・必ず振り返りをした
・苦手意識のあるパーツもできるまで続けた
・全てのイラストを全力で描いた
・できないことの細分化
・やりたい時だけやるスタイル
・考えながら動画や記事を見ていた
・描いた絵は友人・母親に見せていた
・他の人の絵をよく見ていた
・特に気になったものは本をじっくり読んで勉強した
気にしたこと
自分の絵柄って何?
これは初心者なら誰もが思うのではないでしょうか。有名な作家さんは見ただけで誰の絵かわかりますよね。なぜなら絵柄に個性があるから。
絵の練習をしていると果たして自分の絵に個性はあるのか?ありふれた絵しか描けないのでは?なんて考えちゃうと思います。僕もそうでした。
結局自分らしさがない絵なんてつまらないので、練習してて意味あるのかななんて考えて練習をやめた時期もありました。
偉そうですが同じ悩みを持つ方に向けて僕なりの回答を残そうと思います。
まだまだ描き足りない
これだと思います。もっともっと書いていろんな絵が描けるようになった時気づいたら自分の絵柄に個性が生まれているはずです。
今後について
イラスト作成は続けたいと思います。まだまだ自分が描きたいものはあるし、試してみたいこともたくさんあります。
自分の成長のためにも、このnoteを公開して以降に描いたイラストはTwitterで公開したいと思います。
これまでの成長過程について全て動画にあげることも検討しています。要望等あればお気軽にコメントくださいな。
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