どこにも食べに行けない。グルメ記事を発信する私が #今できること って何だろう。
実のところ、私は凄く困っている。
「何を打てば良いんだ・・・・」
もうかれこれ2時間はタイピング音を鳴らしておらず、
日に日に更新に向けての足取りは重たい。
そもそも、『水曜日のひかり』のコンセプトは、
どこかに食べに行く、もしくは買いに行き、その物にたどり着くまでの経緯から、食べ終わった後の余韻に感じたものを綴っていこう!というもの。
だがそれも、今世間を騒がす新型コロナウイルスによってままならなくなった。
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そういえば、今日でnoteを始めてから丁度半年になるらしい。
今朝ホームページを開いたらnoteさんから通知が来た。
うーむ、体感とは裏腹に時の流れは実にめまぐるしい。
思い返せば、あれは大学一年生の春だった。
*空きコマ にふらりと訪れた大学の図書館。雑誌コーナーで一際美味そうな料理写真が私を引き寄せた。それはプレジデント社から出版されている食の英知が詰まる『dancyu(ダンチュウ)』。人、食、言葉、写真、レイアウトにデザイン。自分の「好き」が凝縮されたこの雑誌に私は雷に打たれたような衝撃と運命を感じた。
*空きコマ…大学では1つひとつの90分の授業のことをコマと呼び、自ら履修した授業と授業の間に空白が生まれることで「空きコマ」と言う、空白の90分間が生まれる。簡単に言うと自由時間。なんでもできる。最高。
例)2限と4限を取っているが3限は空きコマ。
原則、雑誌類は1度に借りれるのは3冊まで。貸し出し期間は一週間だ。
毎週月曜日に三冊借りて、通学路のお共に一週間雑誌の隅から隅まで読み尽くす日々を送っていた。もし、電車内でかぶりつくようにdancyuを読む大学生がいたら間違いなく私だと思っていただいてかまわない。(笑)
そして月日は流れ、
バックナンバーまでもどんどん読み進めて行くうちに、いつからか「食事に携わる仕事、いや、「dancyu」に制作に携わりたい。」そう思うようになった。
目標が決まれば後は簡単だ。それに向かって尽力するのみ。
「dancyu」で力になりそうな勉強や実践を重ね、その一貫として始めたのがこの「水曜日のひかり」である。(もう一歩入り込んだ理由もあるがそれはまた今度お話したい。)
次はあそこの店を紹介しよう、ああでもあの店も捨てがたい…!!!!!!!
早くも食ライター気取りで来週の水曜日に紹介する店を探していた半年前の私に、こんな世界を予想できていたとは到底思えない。
全国に緊急事態宣言がでている今、外を出歩く人はまばら。萌ゆる自然が辛うじて、この閑散とした町並みの生気を保っているように感じる。
私はもう、最後に外食した日を思い出せない。
私のTwitterをフォローして下っている方々はご存じかと思うが、以前から自炊が趣味であることもあり、出歩くとしても家から徒歩二分のスーパーのみ。
オンライン受注を受け付けている商品を購入して記事にすることも考えたが、私のバイト先は早々に営業を取りやめたこともあって、今月の収入はゼロ。
ほほほ、きっついねぇ~~~~!!!!(笑えない)
緊急事態宣言が解除される予定の5月6日以降、以前と同じように働ける見込みなんてこれっぽっちも無い中で贅沢はできないのが現状だ。
このやるせない気持ちはなんだろう。
私は食から幸せを与えられ、何度生きようと前を向かせてもらっただろう。いざという時は何も力になることができないのが悔しくてたまらない。
直接的な「お金」でのサポートが出来ない私は、ニュースにもなった東京・銀座の歌舞伎座前で営業していた弁当店「木挽町辨松(こびきちょうべんまつ)」のように、無くなっていく姿をただ呆然とみることしかできないのだろうか――――――。
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西日で部屋がオレンジ色に染まるリビングで、テレビを付けると丁度夕方のニュース番組が始まった。
「今日も日本の感染者は391人、増えたのか、、、。」
コロナで持ちきりのニュース欄、世の中は本当に変ってしまった様だ。
今回の感染症に継承を鳴らし始めた2月末に比べ、今テレビに映っている渋谷の変りようは素晴らしい…!!!私は全力で讃えたい。
まぁもう少しはやくこの様な景色を拝みたかったが、変らない過去をとやかく言ってもしょうがない、か。
この調子だと1ヶ月後には感染者数も少しは減るんじゃ無いか?と淡い期待がこみ上げた、その時だった。
映し出されたのは、「水曜日のひかり」でも度々紹介している吉祥寺。
「えええええええええええええええ!?!?!?え?!ちょちょちょちょちょちょとっとすごい!!すっっごい密!!!!密すぎてほんと密!!!!!!!!!!!!???」
余りにも衝撃的な映像に椅子から前のめりになる。
し、渋谷よりも吉祥寺が賑やかなんてことある・・・・・!?
ソーシャルディスタンスなんて何のこと?と言わんばかりの距離感。吉祥寺のテイクアウト並びに小売店は儲かっている様だが、さすがにそうゆう問題ではない。
この異様な光景をみて、私はある1つの店が心配になった。
なんだろう、この胸ざわめきは・・・・・・・
その心配は売り上げに対してでは無い。
命に対してだった。
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「ある1つの店」とは、賑やかなアーケード街を抜けた先にある、とてもこじんまりした定食屋。昔懐かしい、いかにもな店構えもお気に入りだったが、なんと言ってもそこで働くおばあちゃんが好きだった。
背が小さくて、白い割烹着がいつも少し大きくみえた。
実はそのおばあちゃんは私のお父もお世話になり、二世代にわたって通い詰めている思い入れのある場所なのだ。この前説でもわかるように、直接年齢を聞いたことは無かったが、かなりお年を召していらっしゃることは言うまでも無い。
笑いジワがかわいいおばあちゃんがよそるお味噌汁はいつもひやひやしながら見守っていた。だって手がぷるぷる震えてるんだもの(笑)
いつも決まって頼んでいたのが鯖の味噌煮定食。
こってり、しっかり味の付いた鯖味噌を、こんもり盛られた白米にのせてワシワシかけこむのが好きだった。
それを見たおばあちゃんが「あんまり急ぐと喉詰まらせるよ~気おつけなさいな~」と言うのはお決まりの流れ。たくさん勉強した日には納豆を追加して食べた。
身がふわふわでとか、お米がたっているとか。脳が揺さぶられるような美味いじゃないが、毎日食べたい味は確かにあそこにあった。
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進学を機に、もうその店に3年は行っていない。
しかし、思い返すことは度々あった。
今度吉祥寺に行ったら。来月は。年が明けたら。
……
…
ずるずると先延ばしにしていたら、とうとう外出は自粛するものとなってしまった。
なんでもっとはやく行かなかったんだろう。
なんでもっとはやく、
なんで…
そんな後悔が、人で溢れる吉祥寺を移した映像を見ながらこみ上げてきた。
大好きだった「鯖の味噌煮定食」が食べられない異常に、大好きだったおばあちゃんにもう会えなくなってしまうかもしれない。
ああ、考えたくなくても頭によぎってしまう。
最悪を想定した可能性が怖くてたまらなかった。
確かに吉祥寺は良い街だ。街の雰囲気が最高だよね。
しかし、一度考えてみて欲しい、そのあなたが感じている吉祥寺の良さという物は、消して店が作っている訳では無い。
そこに暮らす「人」がつくっているのだ。
誰もが憧れる住みたい街から、「住みたかった街」としてしまうのはあまりにも残酷な話だとは思わないか。
世界はこれからどんどん変る。
それに私も順応していかなければならない。
生き方、考え方、幸せの在り方、将来の夢までも。
こうあるべき、なんて物は無い。
きっとこの変化には大なり小なり、失うものも多いだろう。
しかし、ほとんどの人にとってこんな現状は未体験、イレギュラーなのだ。どうしたらいいかわからなくなってしまうことの方が必然的。
そんな時は、一度立ち止まって考えてみるのはどうだろう。
幸いおうち時間はたくさんある。
時には家族や恋人、第三者の意見を交えながら気が済むまで考え抜こう。
いつだって文明を発展させてきたのはたくさんの話し合いの中からだ。
世の変化に基づいて、もしかしたら「水曜日のひかり」のコンセプトにも変更が必要かも知れない。
変ることは怖い。
うまくいくかわからないし、もしかしたらダメになってしまうかもしれない。
けれど、より良い未来に向かって1人から2人、2人から3人と変る姿勢を魅せれば怖さも少しは半減するかもしれない。
それは新しい社会の仕組みに対して、順応していく姿をどんな形であれみせていくことのように感じた。
今日行ったお店は「まるけん」でした。
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