自信満々に食卓に出てきた母親の特製餃子。でもそのオチが最高だった(爆笑)
今思い返しても、あれは笑えてくる。
事件が起きたのは今から3年前。
2017年 9月、蝉の声も落ち着きを見せそろそろ夏が終わるかなと思いきや、暑さだけは1万馬力。すこぶる蒸し暑い夏の夜の事だった。
「あっっつ・・・」
ちょうどエアコンが壊れていて、背中から扇風機、首には保冷剤、左手にはうちわを持ちながら私は学校の宿題に取り組んでいた。
拭っても垂れてくる汗はうっとおしい。
ただでさえ苦手な数学が象形文字のように見えてくれるのはどう考えたってこの熱帯夜のせいだ。
―
集中力もつかの間、象形文字の解読を辞め、私はリビングへとエスケープ。しかしこの部屋こそ終わっていた。
ぁあ〜~・・・キッチンからの熱気でサウナ化してる。。。
こんな暑い日になにを調理してるのか、、もう氷を投げ入れた素麺でいいと半派呆れながら冷蔵庫を開けた。
だが、
暑い時に飲む
ゴクッゴクッゴクッ…
「っはーー・・・・・・!!!!!!!」
麦茶は格別だ。
―
パチッパチパチジュゥゥ〜バチパチジュゥゥ~…
随分長いこと火に向かっていたのか、タコのように顔を赤くしたお母さんが「ふぅ~~~!!!焼けた焼けた、ねえひかり食器棚から大皿出してくれる?」と話しかけてきた。
私は2杯目の麦茶を飲みながら「んっ」と差し出した。
よ、いせっ!!!!!!、
お母さんの声と同時に裏返したフライパン。
盛り付けられたのは、控えめに言って私の大好物だった。
「うわ〜!!!今日餃子!?最高!!最高!!最ッッッッ高!!!(ドタドタドタ)」
いくつになっても好きな物が出てくると、思わずその場でドタバタ足踏みをしてしまう癖は直らない。
え?もう氷を投げ入れた素麺でいいんじゃなかったのかって?
そんなの全文撤回だ(ちょろい)
・・・・・・ん、待てよ???
いつもと違うような、謎の違和感はなんだろう。
見た目からして今日の餃子はやたらと美味そう。
頭に?を浮かべる私に気づいたのか、お母さんは
「今日の餃子美味しそうでしょ!いつもと作り方変えてみたんだよねー♪」
と言った。
いつも我が家が愛用しているのはモラ○ボンの餃子の皮。それに比べ、今目の前にある餃子は皮まで手作りしてるかのような、そんなプリッとした肉厚加減、、、あれはどう考えたってもちもち食感に違いない(断言)
た、たまらァん・・・/////(ジュユリ)
急ぎ足でテーブルセッティングを済ませ、一番乗りでたくさんの餃子が並べられた大皿へ箸を伸ばした、その時だった。
ズシッッッ!!!!!!!!!!!!!!!!!
なっ、なんだこの重みは・・・!!?!!
箸越しから伝わる身のギッシリ感・・・!!!(あっまずい、最高すぎて涙出てくる)皮を含め王将餃子の2倍はゆうにあるだろう。
まずは1口目。
我が家のリニューアルされた餃子を楽しむべく、何も付けず口へと運んだ。
ゴクリ…
パクッッ…
「え、美味い。(真顔)」
にわか信じがたい絶品ぶりに、私は1口目を飲み込む前にもう1回かぶりついた。
ガブッッッ!!
「おかああああさん!!!!!これ!!!!やっぱり美味いわ!!!」
うまいうまいうまいうまい!!!なにこれどうなってんだ!?!??!!
私はあまりの美味しさに体温がグングングン上がっていくのがわかった。
こっこれが家庭クオリティーだと・・・???
ハッ!信じ難いがすぎる!!!!!/////////
だってこんなにも大振りなサイズ感なのに、見た目からは想像できないほどに繊細な味付け。そして全体のバランスの良さが桁外れ!!!!!!!
ハグッ(三口目)
ん~〜//////////皮のモチモチも想像通り、いや想像以上!!!!!!!!!!!!
餃子のタネを覗き込むと繊細さの答えが見えた。
比率は肉3に対して野菜7。
あっさり、だけどコクがある。
そう!!!!
そのコクはお!!!野!!!菜!!!!!(拍手)(喝采)(雨あられ)
野菜の甘味は調味料ではかえがたいことを痛感させられる・・・・!!!!
ゴックン。。
これはまさに、
口が欲するうまさ…!!!!!!!!
中華料理の難点は意外と油がたくさん使われていることもあって食べたくとも後半になると体が受け付けなくところだと思っている。もう一つは日本人になじみの無い香辛料やキツいニンニクが、パンチはあれど2、3個で満足してしまうところ。
だけれどもこの餃子は何なんだ!!!!!!!(怒)
簡潔にまとめると、食べやすいのに癖になるのだ!!!
↑このセンテンスに魔性すら感じざるを得ない…。
ああ……私はこの餃子を食べるために生きてきたのね・・・(ジーザス)
生まれてきたことにすら感謝できるこの餃子、私は何かを確信した。
「お母さん、これ自分で作ってないでしょ?」
一瞬、にぎやかな食卓の空気が止まるのを感じた。
「なっ、なんでそんなこと言うのよ〜!ひかり暑さで頭おかしくなっちゃったんじゃないの?ね、ねぇ!お父さん!はは!ははは!」
なんて嘘のつけない母親なんだろうか。
そして追い打ちをかけるように、
「すまんが、お父さんもひかりに同感だ。むしろ私はこの味に覚えがある。」
家族の疑いの目が、一斉にお母さんに向けられた。
もう誤魔化せないとおもったのか、体を小さくさせながら本当のことを少しずつ話し始めた。
本当は自作の餃子ではなく、吉祥寺でテイクアウトした生餃子こと。
買ってきたものだったが言うタイミングをみうしなってしまったこと。
「嘘ついてごめんなさい~~~~泣!!!」
「まったく、へんなところで意地張るからだよ!仕方が無い、お母さんの餃子1個で許してあげるっっっっっっ!!!!」
ひょいっと盗んだ餃子、「ああああー!!!」とお母さんが叫んでいたが、私は「!?この餃子、冷めてもめちゃくちゃうまいな!!!」と感じていたのを覚えている。
―
それにしても、
こんな名店の餃子を自分が作ったかのように食卓に出せるお母さんもなかなかの強者だ(笑)
一目瞭然、いや1口瞭然か。
ほんとうに美味いものは店名やランキングを伏せていても伝わるものなのだ。
―
昨日ついに緊急事態宣言が発令された。
不要不急の外出が禁止されている今、テイクアウトが大きな注目を浴びている。そこで、テイクアウトによって起きた我が家の餃子事件を思い出したのだ。自粛ムードが高まる今、外へ買い出しに行くことすら怖く感じてしまうだろう。だが、ここで朗報だ。この店はテイクアウトだけでなく地方発送も承っている…!!!!!!!!!!
先の見えない暗闇のなか、絶品餃子を食卓に並べ、「美味しい」という幸せの光を灯そう。
そして、
生きれている幸せを感じよう。
今日行ったお店は「みんみん 吉祥寺でした。」
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