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AIC生ブログ│畑で食べる野菜って、感動するくらいおいしい(byのな)

マイファームが運営する社会人向け週末農業学校「アグリイノベーション大学校(AIC)」の現役受講生が綴るブログシリーズ、今回はのなさんの第3回目です!

▼前回までの記事はこちら▼

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6月、新型コロナウィルスに伴う緊急事態宣言が明け、やっとAICの授業が開始になり畑にも行けるようになりました。
まずは土を耕すところからかな?と想像していたのですが、研修用の圃場で待っていたのは収穫期真っ盛りの野菜たちでした。
授業がない間も、いつでも再開できるようにスタッフさんたちが少人数で広大な畑を管理してくれていて、収穫しきれないほどの量と種類の春野菜が育っていたのです。

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キャベツ、レタス、そら豆、スナップエンドウ、トウモロコシ、ニンニク、タマネギ、ニンジン、ズッキーニ、ジャガイモ…などなど。しかもそれぞれ複数の品種が栽培されていました。

採れたて野菜のおいしさ

そこで私が初体験したのは、テレビでよく見る「畑で野菜をそのまま食べておいしさに感動する」という、まさにアレでした。

私はこれまでそういう番組を見ながら正直、
テレビだから大げさにリアクションしているのだろうな
それ、洗わなくて大丈夫?
と思っていました。

ですが畑でスタッフさんが突如目の前で「採れたてのスナップエンドウって、生で食べられるんですよ。ほら」と言って当然のように目の前でパクッ。そして「野中さんもぜひどうぞ」

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少し潔癖で普段は野菜を入念に洗ってから調理する私にとって、雨ざらしで虫もいる畑に生えているものをそのまま食べるのは、実は抵抗がありました。
しかも正直マメ類はそれほど好きな訳ではなく…。
ですが初対面のスタッフさんのお薦めに対してそんなことも言えず、少し戸惑いながらスナップエンドウを食べました。

すると、甘くてサックサクで瑞々しくて、今まで食べてきたものは何だったのかというくらい別次元でおいしかったんです。
しかも、土の上に立って太陽の下で採ってその場で食べると、この大地から育ったこの命を頂いているのだと、なんだかとても満ち足りた気分になりました。

成長度合いによって味が違う

続いて言われたのは、「大きさによって味が違うから、色々食べ比べてみてください」

店頭にいつも並んでいるあのサイズのものは、味と食感のバランスが良く、生で無限に食べられるおいしさです。
小さいものは、皮がとても柔らかく、食べ応えのある絹さやのような感じでした。

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大きいものは、皮は固いけれど中の豆を取り出してそれだけ食べると臭みが全くない甘いグリーンピースでした。

他にも、キュウリもサイズによって味や食感が違ってそれぞれ特徴があったり、ミニトマトは熟して少し割れているものの味が濃くて私は好きだと感じました。
それぞれの野菜によって、そして調理方法や好みによって収穫に適した時期は様々なのだと知りました。

野菜のおいしさに目覚める

野菜のおいしさと味の違いに興味を持ちすぎた私は、AICの3箇所の畑にそれぞれ行き、沢山の野菜を食べさせて貰いました。
そこで分かったのは、全く同じ品種の野菜でも、育てる時期や畑によって食感や味に驚くほどの差があるということです。
さらには、同じ人が同じ時期に育てた作物でも、少し場所が離れていたり畝の高さが違ったりすると味に違いが出ます。

私は食いしん坊でおいしいものを食べることが大好きではありますが、グルメという訳ではない普通のITエンジニアです。
そんな私が食べても、口に入れた瞬間にはっきり分かるレベルの差があります。

改めて考えると私はこれまでスーパーで買う野菜に対して味を意識することはなく、ただ単純にジャガイモはジャガイモの味、ピーマンはピーマンの味、というくらいに考えて、全てを「調味料味」にしていた気がします。

ですが畑で野菜を食べてその違いを知ったことで、例えば丸かじりする、食べやすい大きさに切る、サッと茹でる、じっくり焼く、塩を少量かける、ただそれだけで個性豊かなごちそうになることに気付きました。
食材に個性と力があると、調理はほとんど必要ありません。

野菜は鮮度が命

採りたての野菜のおいしさや鮮度の重要性が分かったことで逆に、収穫した瞬間からどんどん鮮度が落ちていくことも分かるようになりました。

畑から直接持ち帰った野菜を食卓に出すと、ものすごくおいしいと家族は喜んでくれます。
ですが、収穫のために刃物を入れた時のザクッという音、噛んだ瞬間のシャキッという歯応えは、収穫してから自宅に持ち帰った時点で少し落ちていて、畑で食べるあのおいしさには敵いません。

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採りたてのキュウリは切り口から水が滴り、トゲがチクチクして素手で持つには痛いほどです。
空芯菜は切った3分後にはもうシナッとしてしまいます。

私はこれまで家庭菜園に対して手間がかかってコスパが悪い、買った方が楽、と思っていましたが、最もおいしいタイミングまで畑で育った作物を収穫してその場で食べることがこれほど幸せなことなのだと知った今は、がぜん興味が沸いてきています。
自宅の庭で、自分で土づくりをして種を蒔いて世話をしながら成長を見守って育てた野菜を食べられるのは、ものすごく豊かなことだと思います。

栽培について学ぶ前に完成形の魅力を知ることができたので、このゴールに向けて勉強を進めていくことがとても楽しみになっています。

それと同時に、畑で食べる野菜がこれほどおいしいということを自分はどうして今まで知らなかったのか?という疑問が湧き、このおいしさを家庭や飲食店の食卓で感じるためにはどうすれば良いのか?とも考えるようになりました。

この疑問について、農場実習では種類別の収穫や袋詰めの方法、経営講義の方では販路開拓や流通の授業の中にヒントがある気がしています。

栽培方法だけでなく、これらの授業を通しておいしい野菜を作る方法とそれを届ける方法について、自分なりの答えを見つけて行きたいと思います。

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寄稿者:のなさん
IT業界一筋15年/でも農業に惹かれてます/1982年兵庫生まれ→韓国→香港→愛知→静岡→東京/調理するより食べるのが好き/引きこもり傾向ありのインドア派
➡Twitterはこちら
https://twitter.com/nonna2EG

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