名を、君は③

優香

優香…

優香……

あ、彼、彼女は女の子なのか。
ボーイッシュ系か。
ソフトボール部とかバレー部にいる、ああいう系だ。OK。

ZOOMミーティングでは、名字しか出してなかったから、男の子だと勘違いするところだった。そうかそうか。

それにしても、あんなにかっこいい女の子がいるもんなんだなぁ。

呑気な私は甘いカフェオレを飲みながら、
マウスをスクロールした。

その後も企画・運営メンバーは週1で集まり、
相談会の内容を詰めたり、告知を行ったりして、
活動は本格的になってきた。

私はデザインをすることが好きだったため、
告知用のポスターやパンフレットをイラストレーターで制作した。
私の業務に対価は全く発生しないし、
たぶん誰もがここまでやるとは思っていなかったし、期待もしていなかっただろう。
ただ、私がやりたいからやる、そんな調子で意外と楽しく活動していた。

企画・運営メンバーは、お互いのことを、
名字さんと呼んでいる。
らなと私は友だちだったので、
今でもらな、はーちゃん呼びだが、
何となく皆んなが名字で呼び合うのでそれに合わせた。

成田さんは思っていた以上に明るく、
活動にも献身的に参加している。
誰にでも分け隔てなく接するルフィーや炭治郎のような主人公のようなだ。

また私は、成田さんが持つ影がとても大きい気もして、
またしても主人公要素満載だなと考えていた。