ある日、お蕎麦屋さんで
9月最初の三連休明け、台風の気配をはらんだ晴天の火曜日
珍しく朝から洗濯と部屋の片付け(大掃除レベル 1週間後2年ぶりに遠方から友人が来てくれるので)を頑張っていたら、蕎麦が食べたい、あの新しくできた気になる蕎麦屋を覗いてみたい!
という衝動の波がきたので乗っかることにした。
当然のごとく片付け途中の部屋をほっぽらかして来てみたお蕎麦屋さんは
11時半の段階で駐車場は満杯のようで
何回も愛車を切り回しながら混み合った駐車場を出ようとしたら、無理やり停めさせてもらえてしまったので、軒先で順番を待つことになった。20分ほど。2つ前の女性2人組は待つ間国道を行き交う大型トラックに負けない大声でおしゃべりをつづけている。
後ろから来た白くて大きなワンボックスカーの男女は、なにやら不健全な話をしながら音を出してそれぞれ動画を見たりしている。スラムか?
どうやら車を停める前に順番待ちの名前を書いていたようで、先にお店に入って行った。
5分ほど待つと1人では申し訳ないくらい広いテーブル席に案内してもらえた。
好感の持てる若い女性店員さんだ。スラムではない。古民家を利用した落ち着いた雰囲気の蕎麦屋である。
冷たいかき揚げ蕎麦を待っている間、前を見ると私の前に1人で待っていた白髪のおじさんが蕎麦御膳にビールを嗜んでいる。理想的なおひとりさまの楽しみ方だ。国道沿いで駅までは歩いたら小一時間じゃすまないくらいの場所だ。お近くのかたなのかもしれない。
縁側の向こうに、先程まで私たちが待っていた軒先が見える。
テーブルの上には竹を切った手作り台の上に、これも竹の節付近を切って作ったっ思われるようじ入れ、七味入れ、塩が等間隔に並べられている。
余計な張り紙など全く無いところが素敵だ。
メニューもシンプル。蕎麦への期待が高まる。
程なくして運ばれて来たお蕎麦はとても美しく、こんもりと盛られ、2つのかき揚げ天には南天のような木の葉。
手を合わせてまずはつゆに浸さずお蕎麦をいただく。清涼な味と喉越し。
続いて地の小エビが入ったかき揚げをサクリッ。
何もつけずとも充分美味しい。期待通りか期待以上の美味しさだ。
待っている間は少し来たことを後悔仕掛けたが、良い店が出来たなぁ、美味しかったと大満足で店を後にした。
50歳らしい休日になった。
ここの蕎麦で年を越したいなぁ、などとあ 考えながら店を後にする時、お会計をしてくれた店主らしき女性から聞いたオープン日が、私の誕生日と1ヶ月違いで、少しだけ嬉しくなった。