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#263 授業実践記録/自画像(6年図工)・前半

2023.1.28.
まだ途中段階ではあるものの、この6年生の自画像については考えさせられることが多々あり、今のところの実践記録を残しておくことにする。

「専門知識ゼロの新米図工専科が6年生の自画像を完成させるために悪戦苦闘している記録」である。


前提として

実はこの課題、2学期から引き継いだものである。子供たちは一度、練習で自画像を描いている。

とりあえず挑戦してみた結果、
◆マスクしたままの子…自分の顔を見る見られるのが恥ずかしい
◆下書きされた輪郭をなぞっている子…大きく描くのが難しい、輪郭が描けない
◆八つ切画用紙…大きく描くのが難しい
◆色鉛筆の子がほとんどで絵の具の子が混在…絵の具持ってきていない、絵の具が面倒
という作品が出来上がっていた。

この自画像は3月上旬の謝恩会で体育館の装飾にもなる予定だ。本番は四つ切画用紙に絵の具でいきたい。

さて、これをどうしたらいいのか…


初回の授業に向けて気を付けたいポイント

一番の心配は練習から本番という見通しが立っていなかった子が「1回描いているものをどうしてまた描かなきゃいけないんだ」という気持ちになることだ。

担任の予想によると…
◆1組→2学期にやったことは結構忘れてるのではないか。だからあっけらかんと今日から本番描くよーとなっても大丈夫では?(そんなことある?)
◆2組→多かれ少なかれ不満は出るだろうが、どうにかしてやらせてくれ。

これ、私の図工専科としての出会いの授業でもあるんだけどなあ…。大丈夫かな。

つまり、初回で気を付けたいポイントは
①描こうという気持ちをもってもらうこと
②描き方の指導

かなと考えた。



①共感作戦

私には②の武器はあまりないので、まずは子供たちに描けと言うよりも自分もやってみようと思い、冬休み大人の自由研究「自画像を描いてみよう」を決行。

my絵の具
難しい…!

自分の顔をまじまじと見つめるのは恥ずかしいという気持ちと、思ったように描けないというもどかしさはよく分かった。私はもともと絵は好きな方なので、その私でこう思うのだ。いわんや苦手な人をや。



②16分割作戦

顔を描くということ自体難しいのに、それを四つ切画用紙に大きく描くなんてさらに大変なことである。

そこで、仕事のできるY先生(↓)から教えていただいた16分割戦法を実践してみる。

モザイクのせいで分かりづらい

毛筆書写で半紙を折るのと似ている。画用紙を16分割し、自分の顔写真も16分割し、同じ位置の枠に同じパーツを当てはめていくと、紙に対してちょうどいい大きさの顔が描けるという寸法だ。

自分で自画像を描いてみたときもこの方法を試してみた。大きさで困るということがなくてよい!これでいこう!



いざ!初回授業の流れ

ドキドキの初授業である。実はこの6年生、3年生の時に半分は担任していた子たちだ。顔と名前が若干危うい子がいるとはいえ(成長して顔変わるしマスクしてるし私もちょっと忘れてるし)、知っている子たちというのはひとつ安心材料でもある。
実際、授業が始まる前でも図工室の扉の窓から手を振ってくれる子がいた。男子も女子も。

時間割は1、2時間目が1組、3、4時間目は2組となっている。考えた授業の流れはこんな感じ。

①あいさつ・出欠確認

②自己紹介…は、お久しぶりです程度。

③図工の授業では
これはどのクラスの初回授業でもやったもの。

考えて、工夫して、いろんな顔が見られますように

④なぜ自画像を描くのか
ここからは今日からの学習について。担任からは何も話していないと思われるので、「自画像をやるよ」という瞬間が一番ドキドキである。
2学期に小さめの画用紙で練習したから大きい方に本番描くよ、でもよいかもしれないが、少しは意義について触れておきたい。

(ここからはパワポと語り)

ネットから引っ張ってきた有名画家たちの自画像(岸田劉生、ピカソ、レンブラント、ゴッホの有名なやつと晩年のやつ)を提示。

なぜいろんな人が自画像を残していると思う?

ゴッホのように、同じ人でも描いたタイミングによって人の雰囲気が違う。同じ時期でも、その時の気持ちによって絵も変わったりするよね。

自画像には「今の自分を見つめる」という側面があると思う。だからこそ、小学校を卒業するこのときに今の自分を見つめて「今しか描けない自分」を残しておくんだよ。

2学期にみんなが描いたものを見せてもらったよ。特徴を捉えて描けている人がたくさんいた。で、今回はこれを謝恩会でお家の人たちにも見てもらいたいのね。だから、あの画用紙では小さすぎるし、色鉛筆だと薄くて見えない。だから、本番は四つ切画用紙・絵の具でいくよ!

喋りすぎだなあ!でも、伝われー!

⑤こんな自画像は嫌だ

初手な感じ
これはマスク回避の布石
これはおふざけ
これは結構いる

⑥先生も描いてみたよ
ここで16分割戦法を紹介しながら、自分がやってみた様子をタイムラプスで撮ったものを見せる。2日間に分けて撮ったが、1日目の終わりに感じたことを挟んだ。これは振り返りの書き方の例になったらいいなということで。
で、最後に恐る恐る大失敗の私の絵(実物)も見せて、何がいけなかったのか…とちょっと聞いてみよう。

⑦みんなも描いてみよう!
・見本は写真の出力、手鏡、自分のタブレットから抵抗のないものを選んでもらう。
・16分割戦法(だったら写真がいいんだけど…)
・写真の出力は教員用タブレットでしかできないので、3台準備。



ということで、実際授業する前に考えていたことはこんな感じ。
2300文字も書いてしまった。。。

やってみての話は今後、後半篇で!!!



#教員エッセイ
#自画像
#新米図工専科

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