#314 俳句作りが盛り上がったとき(3年国語)
2023.4.12.
俳句は3年生の国語で扱われていると思うのだが、1年生から既に俳句を作って掲示してあったり、全校で取り組んでいる学校があったりと、様々な学年の作品を目にする機会がある。
実家ではよく「プレバト!」という番組を見ていて、夏井先生と梅沢富美男さんのやりとりにはいつも笑わされている。ジャニーズ陣の謎の活躍も驚きだ。
私自身は、俳句の基本を知っているだけで、いまだに俳句の良し悪しの詳しいところについては全く分からず、季語もいちいち確認しないと自信がない。
そんな、まあまあ身近な存在の俳句。だが、いざ子供たちに指導しようとすると、「何を書いていいのか全然分からない…」と言って固まっている子、例示したものとほぼ同じものを持って来る子、意味不明な作品が出来上がっている子などが出てくる。掲示してある作品のほとんどが「冬の日に」から始まっているとかも。
もちろん、指導書通りに指導しても感性豊かな作品は出てくるのかもしれないが、私はこれまで3年生でもそれ以外の学年でも「うーん、なんだかのびのびと作れていないなあ…」と感じることが多かった。
なので、試すあの手この手。
その中で、子供たちが一番意欲的に俳句作りをしていたときの授業について残しておこうと思う。
★俳句とは
俳句を作る上での基本ルールは2つである。
◆五・七・五の十七音のリズム
◆季語を入れる
教科書にもそう書いてあるのでそれはそうなのだが、こういうルールだよと教えるだけではなくて、「季節について自分が感じたことを表現した、世界一短い詩」だということを伝えたい。そう考えると非常に趣がある。エモい。
基本はあるが、季語が重なっていようが字余り字足らずだろうが、自分の想いを込めた作品ができたらまずはそれでよいのではないだろうか。
★一緒に作ってみよう
夏の俳句を作る。
先生の一番の夏の思い出は、これ!
なんじゃこりゃーーー!笑
これは、先生が1年担任をしていたときに、子供たちが登校中に見つけて私にプレゼントしてくれたたくさんのセミの抜け殻を、行列にして木にくっつけたいたずらの写真だよ。
夏休みの暑い日にこのいたずらを仕掛けて、プールに来たみんなが見つけて木の周りに集まって驚いて大騒ぎ…。
これが先生の一番の夏の思い出なんだけど、これを五・七・五で表すとしたらどんな俳句ができそうかな?
パッと4〜5人手が挙がる。この、思いついた瞬間に反射的に手を挙げられちゃう3年生ってすごい。最後までまとまっていなくても挙げちゃったりするし。
「夏休み セミの抜け殻 大行列」
おお〜!すごい。セミの抜け殻って、ちょうど7文字だね。大行列はひらがなで書くと7文字あるけれど、5文字分の音に入るからオッケー。もしできるなら、夏休みもセミの抜け殻も夏の季語で重なっているから、他の言葉にしてもいいよね。
「○○○○○ セミの抜け殻 大行列」の○に、季語じゃない5文字を入れるなら何がいいかなあ?
「離陸待ち セミの抜け殻 大行列」
「押さないで セミの抜け殻 大行列」
「人気の木 セミの抜け殻 大行列」
面白い〜!
他にはどうだろう?
「木の周り セミも子供も 大さわぎ」とかもいいよね。
「ミンミンミ ミーンミンミン ミミミミン」ってだめ?笑
「暑すぎて セミもプールに 並んでる」
「12この セミの抜け殻 ぼくにくれ」
いいね、いいね!
すごい、1枚の写真からいろんな俳句ができたね。似たような俳句でも、言い方が少し違うと印象が変わるね。いろんな言葉を組み合わせたりちょっと変えたりして、お気に入りを探すといいよね。
でもこれは、先生の夏の思い出。みんなはどんなときに夏を感じるかな?思い浮かべてみよう。そこから、今みたいに五七五を考えていくよ。
※夏の季語になりそうなものを挙げさせたりして板書する。
★NGワード
さてここで、NGワード。
「楽しいな」「うれしいな」「きれいだな」は使わずに作ってみよう。楽しいなって使いたかったら、その気持ちが伝わるような別の言葉を探してみよう。
こうして個別作業の時間に。
カブトムシ 木のみつをすう あまいかな
今年はね さいこうきおん 三十度
おうちでね シロップかけた かき氷
夏休み 野球たいへん きついなあ
まなつの日 おふろあがりに ひえアイス
つぎのひも かいすいよくに いきたいね
プールの時 バシャンバシャンと 遊ぶ音
夏休み しゅくだいわすれ さいしゅう日
出来上がった作品を、にやにや笑いながら掲示する放課後。それぞれの個性が感じられる、素敵な作品が出来上がったなあ。
皆さんの俳句指導アイデアもぜひ教えていただきたい!
※授業内のやりとりの俳句は覚えていないので、適当なフィクションです。