#291 「先生のマイプロジェクト フォーラム2023」に参加してみた
2023.3.13.
いつどこで知って申し込みをしたのかあまり覚えていなかったのだが、自分のスケジュールアプリに「3/12(日)19:00〜先生のマイプロジェクトZOOM」と表示されていた。
そもそもこの講演、「先生の幸せ研究所」というところがやっているもののようだ。
自分の中での最近の柱は「子供への教育」と「先生たちが楽しく働くこと」の2つ。特に働き方については、退職してから考えさせられることが多かったので、この講演会がアンテナに引っ掛かったのかもしれない。
日曜19時、パソコンの前でスタンバイ。
ZOOMで、参加者は200人を超えるくらいだっただろうか。発表者が多いのでスタッフ側も多いのかもしれないが、中学生、高校生、教職に進むか迷っている人、現役の教員(若手も中堅もベテランも管理職も)、教育関連企業の人、教育委員会、文科省、保護者…とにかく参加者は様々。
まず、これだけ多岐にわたる大勢の人が、これからの教育や学校、先生たちの働き方について興味や問題意識をもっているということがすごい!
当日のスケジュールはこんな感じ。
トークセッション
ファシリテーター含め4名の方が話す。テーマはまず「これからの子供の学び方」と「これからの大人の学び方」。
大日向小学校のカリキュラムマネージャー青山さんが、自己紹介の中で、10年ほど学校現場で働いてきた感想に「子供も大人も何だか苦しいなあ」という言葉を使われていて、ものすごく共感。
一斉指導の限界。一方的な指導からの脱却が必要。
そしてこれからの子供たちの学び方を考えるにあたって、「先生も保護者もこれまでそんな教育を受けてきていない」のだ。そうよね。確かに。そして、そこを切り開いていこうという人がこれだけたくさんいるという…大変なことでもあるけれど、心強くもなる状況を再認識した。
ルーム④「私にもできる!プロジェクト型業務改善」
埼玉大学附属小学校の事例紹介。
働き方改革・業務改善は上からこうしろと言われるものではなく、みんなで作り上げていくもの…という話。
先生たちが考えたプロジェクトが面白かった!
特に、フレキシブルな働き方PJは、それできたらいいよね!と共感、共感。
面白い実践事例だった。先生たちが自分たちで考えている活動だということが素敵。
ルーム①「子供に委ねる学び」
実はこの発表の方も同じく埼玉大学附属小学校の方だった。
これまで、子供が主体とか言いつつも結局は教師の思った方向に導いて授業を進めてきたが、「本当に子供に委ねてみたらどうなったか」という実践報告。
子供たちには課題・時間・方法・相手を委ねる。
教員は教材研究・児童理解・環境整備を行う。
1年生の「たぬきの糸車」がどうなったかというと…
たぬきの生息地について調べた子(だったかな?)、同じ恩返し系の「鶴の恩返し」と比べて同じところや違うところをまとめた子、紙を使って糸車作りに挑戦する子…などなど。本当に子供のやることが多彩!
特に紙を使って糸車作りをしていた子たちとか、それでいいのか?という物議を醸した発表だった。それは難しい問題…。
印象的だったのは、「何も思いつかなかったりやらなかったりする子はどうするのか」という質問に対する、「子供たちは好きなことをやっているので、逆に何もしていないという子が全くいない」という回答。なるほどなー!
ルーム①「自由進度学習の理論」
最初のトークセッションで話をされていた、大日向小学校でカリキュラムマネジメントをしている青山さんのトークルーム。
自由進度学習を取り入れていくステップ。
①宿題→②基礎学習(漢字とか)→③算数→④国語→⑤時間割
じ…時間割???
自由進度学習のカリキュラムを作るとき、はじめは何を学ぶかからスタートし、何やらかんやらあって(このスライドもう一度見たい!)、最後から2番目にようやく教材を決めるというのが出てきていた。ここが、私が教科書ありきで進めている部分とだいぶ違う設計の仕方。そもそも教材を決めるというターンがない。だって、教科書にあるから…。(それじゃダメだって)
単元を自由進度でやっているときは、子供たちはすごろくのようなものを頼りに学習を進めていく。すごろくのようなものとは、単元計画のマップ版。
算数や国語…と範囲を広げていくと、例えば算国社でそれぞれのペースで学習を進めていて、それぞれにかける時間も子供によって異なる。なので、結果的にそれぞれ時間割も変わってくる、という。
写真では壁に、子供それぞれの時間割が貼られていた。(でもその人数が6人とかで、すごく少なかった!!!)
さて、自由進度学習の結果、どんなことが起きたか。
子供たちが勉強するようになった。学力が上がった。
「何が分からないのか」「分かるようになった」という認識を子供がもてるようになった。そうね、一斉指導だと分からないことがあっても勝手に学習が進んでいくもんね。もはや分からないという認識すらもっていない子もいそう。
とある女の子、最初は答えを写すような子だったが、自由進度学習に慣れてからはテスト前にここが心配だから数字を変えて問題を出してほしいと言ってきたり、そのテストが95点だったから100点が取りたい、でも同じテストだと取れて当たり前だから別のテストがやりたいと言い、保護者にも断って全員でもう1種類単元テストを買ったという話とか。
青山さんの話の中で印象的だった言葉は…
「子供ってすごいな!って思う。」と「自分が今1週間くらい休んでも普通に単元学習が進められる(4年生)」という言葉。
何それ、すごーーーーい!
自由進度学習、私も6年生担任のときに時々やってみていたが、それよりももっともっと効果的にできるものなんだという話を聞いて衝撃的だった。
感想
発表していた方々の実践はどれもこれも素晴らしかった。でも今のところ「ほんの一部のスペシャリストのやっていること」という感じだし、それをやろうとしてやり方を一歩間違えると全く機能しないこともあるだろう。
だって、教科書も指導書もそんな風になっていないから!
誰かここからニュースタンダードを作って、みんなが効果的な教育ができるようにしてくれよう!
考えたこと①
図工で自由進度学習をするとなると?
…各自が作っているから一見自由進度っぽいけれど、少なくとも私の授業は違う。教師主導な面が強いし。でも今これ考え始めたら沼。
考えたこと②
私にできることは…こういうことを考えている人たちのことや考えをシェアする広める伝える(まさに今記事を書いているように)ことなんじゃない?
はー!
月曜日から3000文字頑張ってしまった。でも、それだけ考えさせれることがたくさんあったイベントだったのだと思う。
さて、明日の授業…
この記事が参加している募集
この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?