イチローから学ぶ超一流の教訓
ついにイチローが引退を表明しました。
昨シーズンより特別補佐として、練習には帯同するものの試合には出場しないということで引退は覚悟していたファンも多いと思います。が、わかってはいても、日米で次々と金字塔を打ち立て、WBSでのリーダーとしてチームを引っ張った姿を思うと、50歳までやって欲しかったです。さすがに込み上げるものがありますね(次はカズか...なんて思ったり)。
試合後に会見に臨んだイチローの言葉には、超一流である理由が、ぎっしりと詰まっていたので、会見を振り返りながら仕事に活かすためのポイントを説明したいと思います。
■教訓1: 自身と向き合い、謙虚であり続ける
――決断に後悔や思い残すことは。
もちろん、もっとできたことはあると思いますけど、結果を残すために、自分なりに重ねてきたこと。人よりも頑張ったということはとても言えないですが、そんなことは全く無いですけども、自分なりに頑張ってきたということは、はっきり言えるので。
イチローは、ドラフト1位で入ったわけでも、入団1年目から活躍したわけではありません。そんなイチローが、人よりどれだけ努力を積み重ねていたかは想像に難くないでしょう。けれど、人より頑張ったということはとても言えない、と。他人と比べることなく、謙虚に自身と向き合い、ひたすらに野球に打ち込んできた姿は、まさに学ぶべきポイントです。
イチローほどの実績をあげてきた選手だからこそ、謙虚に自分に向き合う大切さを教えてくれます。自分が人より頑張っていると思ってしまえば、もうそこから努力を続けることは難しいのです。成果や実績が上がれば、謙虚になれなくなってくるのが人の定め。思っている以上に難しい。
周りにも、会社が成長していくにつれ、成金みたいになった社長はいませんか笑?。会社が成長すると、自分が偉くなったと感じるタイプ。その下で働いている人は辛いですね。前の小さいオフィスの頃がよかった...とか社員がいうのも特徴だったりします。
それに関連しますが、もう一つあります。
それは、他人と比べるのではなく、自身と向き合うことの大切さ。
多くの人は誰しも他人と比べたがります。
自分はこんなに頑張っているのに...的な。
実は年収を気にする人の多くは、
「あいつは俺よりあんなにもらっているのに」
「あいつは俺より仕事できないのに」
など、他人のことを気にすることがほとんど。
自分が頑張っていることを認めて欲しいのは非常に理解できます。しかし、人と比べる時間と余裕があるなら、自身と向き合い、謙虚であり続ける大切さをイチローは教えてくれました。
■教訓2: やりたいことに意識を向ける
――子どもたちへメッセージを。
野球だけでなくても良いんですよね、始めるものは。自分が熱中できるもの、夢中になれるものをみつけられれば、それに向かってエネルギーを注げるので。そういうものを早く見つけて欲しいなと思います。
それが見つかれば、自分の前に立ちはだかる壁に向かっていける。向かうことができると思います。それが見つからないと、壁が出てくると諦めてしまうということがあると思うので。
色々なことにトライして、自分に向くか向かないかというよりも、自分が好きなものを見つけてほしいなと思います。
やりたいことを見つける。
これが簡単なようで非常に難しい。
でも、それが見つかれば、自分の前に立ちはだかる壁があったとしても向かうことができる。それは自分が決めた道だから。それには後悔なんて絶対ない。
成功についても違う視点から回答していました。
――プロ野球選手になる夢を叶えて成功した。いま、何を得たと思うか。
ここはあえて「成功」と表現しますが、「成功すると思うからやってみたい。それができないと思うから行かない」という判断基準では、後悔を生むだろうなというふうに思う。
やりたいならやってみればいい。「できる」と思うから挑戦するのではなく、「やりたい」と思えば挑戦すれば良い。その時に、どんな結果が出ようとも、後悔はないと思うんですよね。
「できる」と思うから挑戦するのではなく、「やりたい」と思えば挑戦すれば良い。って私にとって非常に響く言葉でした。
人事という職種でキャリアに関わる仕事をやっているわけですけど、多くの人は、「●●があるから、○○をする」という思考なんです。これはキャリアに限らず、新規事業を進めるときにもそうです(演繹法と帰納法って学校で習ったことがあると思いますが、キャリアは演繹法で考えがちです)。
しかし、この辺りは人手不足、日本の景気停滞により変わってきてはいます。以前は、マーケットを調査し、成功確率の高いものを選定し、サービスをスタートさせるというやり方が主流だったのが、最近だと、自分たちが作りたいと思うサービスを世の中に問う、という形にシフトしてきています。多様化する個人のニーズを吸い上げる方法が成功率が極めて低くなってきているからです。
話はそれましたが、イチローは、向くか向かないか、できるかできないかではなく、やりたいことに意識を向けることの重要性を教えてくれました。
■教訓3: 積み重ねが自分を超えていく
――生き様で伝えたこと、伝わっていたら嬉しいと思うことは。
人より頑張ることなんてとてもできないんですよね。あくまでも、はかりは自分のなかにある。それで自分なりにはかりを使いながら、自分の限界を見ながら、ちょっと超えていくということを繰り返していく。
そうすると、いつの日か「こんな自分になっているんだ」という状態になって。だから、少しずつの積み重ねが、それでしか自分を超えていけないというふうに思うんですよね。
一気に高みに行こうとすると、今の自分の状態とギャップがありすぎて、それが続けられないと僕は考えているので。地道に進むしかない。進むだけではないですね。後退もしながら、ある時は後退しかしない時期もあると思うので。
でも、自分がやると決めたことを信じてやっていく。でもそれは正解とは限らないですよね。間違ったことを続けてしまっていることもあるんですけど。でもそうやって遠回りすることでしか、本当の自分に出会えないというか。そんな気がしているので。
自分の限界を見ながら、ちょっと超えていくということを繰り返していく。こんなこと言われたら、もうその通りだとしてか言えません笑。
毎日ちょっとずつ昨日の自分を超えていく...ということももちろん大事ですが、自分の限界を見ながら、と添えているのがポイントです。
古代ギリシアの哲学者で、幾何学、天文学、航海術、土木術、政治学などあらゆる学問に通じて「万物の根源は水である」と唱えたタレスという人がいました。そのタレスが、
何が困難なことかと訊かれ、「自分自身を知ることだ」と。また、何が容易なことかという問いには「他人に忠告することだ」と。
自分のことを知ることが一番難しいのに、自分自身をしっかりと見ているイチローの凄さ。もちろん、一時期、個人主義と揶揄されたものの、自分のリアルな姿を知るために的確に指摘してくれる仲間や家族がいたことは容易に想像できます。
■教訓4: 目標を言葉にする
――「最低50歳まで現役」と言っていた。日本のプロ野球界に戻る考えはなかったか。
言葉にすること。難しいかもしれないけど、言葉にして表現することというのは、目標に近づく一つの方法ではないかなというふうに思っています。
目標を言葉にすることの大切さ。同じ野球つながりで、元日本ハムファイターズの白井一幸さんも、同じようなことを言ってました。
「世界一を目指すと言った時点で、世界一に近づいている」
イチローも50歳まで現役という目標を言葉にしたからこそ、ここまで頑張ってこれたのだと思います。言葉にすることは責任も伴うし、それにより信用を失うリスクもある。だからこそ、言葉にするのが大切。
書きたいことがたくさんあったので、気がつけば3000文字に...。
超一流の人から学べることは非常に多いです。
この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?