脈診で分かる5つのこと その2
初診時の患者様を拝見するときは
特に念入りに脈診をします。
それは患者様の口から話されることは
決まって「症状について」のことなので、
その他にも知っておいた方がいい
身体のリアルな状況を
確認する必要があるからです。
長くても2~3分の間の脈診をするだけで
予診表に記入しないようなことが
脈診ではわかります。
その2.
問診をしないでも、
治療に使用する経穴が分かります。
多くの鍼灸治療は
この症状にこのツボみたいな治療で、
多くの鍼灸師が
特効穴のようなアプローチか
症状のある部位にアプローチする
鍼灸治療をすることがほとんどだと思います。
でも、これらのアプローチ方法では
症状を正確に伝えることのできない患者様や、
症状の原因すら分からない患者様には
とても不向きだと思います。
そして、めまいの症状や
婦人科や内科的な症状について、
特効穴を利用しないでは
ほとんど対応出来ない鍼灸師が
多いのではないのでしょうか。
(対応出来ないから、
対応しない治療院や鍼灸師として
確立させているというか、
一線を引くために
説明して対応しないのは
とても賢明な方法の一つです🧐)
対応出来ないのに
患者さまを抱えてしまい、
施術しても有効ではなかった⁉︎
と思われるのも、
同じ業を扱うものとして寂しいので、
やめてもらいたいですし、
対応出来ないのに、抱えてしまい
悪化させてしまったとしたら
一番恐ろしいことですから
絶対にやめてもらいたいですよね。
脈診は「不問診」とも言われ、
経絡治療は問診要らずで
治療を進めることができます。
(これが何よりのメリット)
それは脈診から
その患者様に使う経穴が
オートマチック的に選択され、
治療を進めることができるからです。
僕の経験の一つを話しますね。
社員旅行に行った時のことです。
夕食後、温泉に行ったきり
女性スタッフが帰ってきませんでした。
探していると
トイレで吐いたまま
グッタリしている状態で
宿の方が見つけてくれました。
湯当たりしているのか、
食べ物に当たったのか
検討がつかない状況で
便器に寄りかかっている状態でした。
たまたま鍼を持ってきていたので、
人目を気にしないで脈を診て、
吐き止の処置をしたら
少し動けるようになりました。
そして、用意してもらった
車椅子で部屋に戻りました。
(ふつうの鍼灸師でしたら
ここまでは簡単に出来るはずです。)
部屋に戻っても
気持ち悪く、まだ喋れない様子でした。
このまま明日も動けないと、
それ以降のスケジュールに
支障が及ぶのは
簡単に予想できます。
いつ吐かれてもいいように
回復体位という横向きにした状態で、
脈を診ながら経絡治療をしました。
治療を進めていくと、
だいぶ楽になったようで
しゃべれるくらいになりました。
そのまま休んでもらいました。
翌朝には
昨晩のことが無かったかのように
嘘のように元気になっていました。
女性スタッフも具合が悪くなって
初めて鍼灸治療を受けたので、
鍼灸治療の効果を実感できたようです。
このように問診要らずで
治療をする事ができる
脈診が身に付けられれば、
とても心強いですよね。
前回述べたように
脈診は
「症状の根本」である
「精気の虚損」を見つけられます。
どこにそれがあるのか?
経脈なのか?
臓腑なのか?
どのようにアプローチすると
精気の虚損は補われ、修復するのか。
そんなパターン化された
オートマチック化された
経絡治療を覚えていると
とても心強いですよね。
原因不明の症状
病院でも治らない症状
難病指定されている症状
とりあえず、
脈診して、経絡治療をしていく。
そして多くの患者様に対応でき、
感謝される治療を施すことができる。
とても素敵ですし、心強いですよね😊
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