さぁどうなろう
夫に娘を託して、たまにフリータイムをもらう。
作業やタスクに時間を充てることがほとんどだけど、今日は実家にノートパソコンを忘れてしまった。
ちょっと手持ち無沙汰なフリータイム。
なにも有益なことをしない時間。
そんな贅沢、ありなのかな、と、変に不安になる。
とりあえず本屋をぶらぶら。
収納アドバイザーの本多さおりさんの新刊を探すも、見つからなかった。
ぐるぐる探していると、いつもはない舞台が作られている。長い列も出来始めている。
もう少しで、誰かのサイン会が始まるらしい。
あまり読まないカテゴリの本だったので、その方のことは存じ上げなかった。
こんなに多くの人がわざわざ足を運んで、その人に会いにきている。
その人のことを私は知らない。
私が知っていることは、地球規模で見ると、針でつついた穴くらい狭いんだろうなぁ。
こんな針の穴くらいの世界で、知ったような口をきくのは、しょうもないことだなぁ。
幸い、押しつぶされるほどの知識もプライドもないので、身が軽い。
これからなんにだってなれる。どうだってできる。
こんな小さな世界で、どうなるのがいちばんうれしいかな。
本屋併設のカフェで濃いコーヒーを飲みながら、袋詰めされた小さなクッキーをつまみながら、そんな妄想ばかりしている時間が、なんだかばかばかしくも愛しく感じた。